梵天ノ頭
−石舟沢から梵天ノ頭−

【年月日】

1998年10月20日
【同行者】 単独
【タイム】

持桶トンネル入口(10:30)−石舟(11:20)−大峠(1:40)−梵天ノ頭(2:05)
−白井差峠(2:50)−中双里(3:55)

【地形図】 中津峡、両神山

 今日は、完全に出遅れた。
 歩き始めたのは、10時半。

 堂々たる流れの中津川を眺めながら、持桶トンネル入口からゲートのある旧道を行く。
 このあたりは以前から渓相のよかったところだ。

 しばらくで、石舟沢の出合。
 「落部川津中・峠国三・山鉱窒日・山神両方面」と右から書かれた古い道標。
 かつては交通の要所だったらしいが、沢沿いの道は、桟道が朽ちていて、歩行は困難。
 高巻いたり、沢に降りたりしながら、道を拾いつつ行く。
 モエギタケやハナイグチがぽつぽつ出ていた。

 トウタロウ沢を見送り、石舟を見るまではそれなりにはっきりしていた踏みあとは、大峠につきあげる涸れ沢の出合から、あやしくなった。  石舟沢を飛び石で渡り、泥壁を少し登ると、涸れ沢にかかるりっぱな涸れ滝。
 これは、左から巻くが、滝上のトラバースが少し悪い。
 地形図の破線路は全く存在せず、踏みあとも消えぎえだ。
 地形図では、この沢に水線があるので、ルートに確信が持てず、行きつ戻りつ、30分以上ロスをした。

 左岸の尾根に取りつかねばと思うが、傾斜がひどく、とても取りつけない。
 そうしているうちに、水流が復活し、奥の二俣。ほぼ同水量だ。
 左は狩倉尾根の垂壁に行くので、ここは右。

 奥に進むと詰めが厳しくなると予想されたので、ひどい急傾斜の左岸を這い上がることにした。
 掴まるものがあまりないので、スリップすると下まで行ってしまう。
 この山塊では、以前にもこんなことがあったなあ。

 くたくたになって尾根に上がるが、踏みあとはなく、相変わらずヤブと倒木と岩稜の登降が続くので、ちっとも気が抜けない。
 岩場に突き当たると、立木にすがりながらそろそろと左をトラバースし、しばらく行ってから木の根を手がかりに直上するという動作を繰り返す。

 尾根が広くなり、しっかりした土の斜面になってほっとすると、梵天尾根の登山道に出た。
 大峠のベンチで少し休み、戻って中双里への尾根道。

 あまり歩かれているようすはないが、ちゃんと整備された登山道なので、とても快適だ。
 梵天ノ頭(1476ピーク)への登りでは、バテ気味だったが、振り返るとガスが舞う狩倉尾根がいい感じだった。
 このあたり、広葉樹林だが、今年の紅葉はあまりよくない。

 梵天ノ頭は狭いピークだが、この日は樹林越しの展望もなし。
 白井差峠への道には、植林も出てくる。
 白井差峠は、峠ではなく、ピークの名前だ。

 ここからは、植林の中を、転げ落ちるような急降下。
 登りで無理をしたため、膝に来た。

 ハイイロシメジやムキタケの群生を見つけたので、行きには軽かったザックが、帰りにはずいぶん重くなった。