陽春の里山
−南高尾・西山峠界隈−

【年月日】

2017年5月5日
【同行者】 単独
【タイム】

高尾山口駅(6:47)−入沢川道分岐(7:13)−東山(8:23-8:59)−三沢峠(9:36)
−草戸山(9:58-10:08)−四辻(11:12)−高尾駅(11:51)

【地形図】 与瀬、八王子 ルート地図

 西武秩父駅の近くに自動車をとめることができないため、道の駅にとめて電車に乗った。

 高尾駅で乗り換えて、京王高尾山口駅で降りた。
 駅前は普通の市街地で、登山口という感じではない。

 国道20号を行き、高尾山インターの下をくぐると、畑の点在する田園風景となり、大垂水峠へという道標を見送れば、西山峠へ向かう道が分岐する。

熊谷草(大きな写真)
熊谷草(大きな写真)

 まずは熊谷草群落を鑑賞。
 厳重に保護されている小群落だが、花はちょうど見ごろだった。

 このあたりの路傍では、ニリンソウ・ヤマブキソウ・ジロボウエンゴサク・キバナオドリコソウ・イチリンソウなどが咲いていた。
 ジロボウエンゴサクとキバナオドリコソウはおそらく、始めて見た花だった。

ジロボウエンゴサク(大きな写真)
キバナオドリコソウ(大きな写真)

 湿った沢筋に入ると、草花は少なくなり、淡々とした登りになる。
 水流が途切れて周囲が明るくなる前後からニリンソウとヤマブキソウが多くなり、みごとな群落があらわれた。

 夏山におけるハクサンイチゲとシナノキンバイ群落を想起させるほどの大群落を見たあとも、ニリンソウの群落が続いた。

一輪草(大きな写真)
二輪草(大きな写真)

 峠への登りにかかると、ニリンソウが消える。
 東山へ直行するのではないかと思われる踏みあとに入ると、浦島草があちこちで釣り糸を垂らしていた。

 いったん縦走路に出て分岐から少し登れば東山で、南側が伐開されており、ベンチが設けられていた。
 ここで早くも、大休止。
 高尾山の南に山があるとは思わなかったのが、見えていたのは、丹沢東端の低山だったようだ。

山吹草(大きな写真)
山吹草(大きな写真)

 腹ごしらえをすませてから、縦走路に戻る。
 お散歩姿の人もいるが、トレランの人も多い。
 とにかく、ハイカーがすこぶる多い。

 ここのハイカーは総じて、無愛想である。
 ハイカーが無愛想なのは、むしろ好ましいのだが、道を譲っても無言で通過するのは、どうかと思う。
 なかには、道を譲られて「どっこいしょ」と言いながら通過した人も、少なくとも二人いた。

 トレランの人はとても行儀がよい。
 以前は、ハイカーを強引に抜こうとして草花を踏み潰したりする輩がいて、密かに眉をひそめていたのだが、道を譲るまでしっかり待っているし、譲ればちゃんとお礼を言う。
 ここ数年で、トレランのマナーは劇的に向上した。

ツルカノコソウ(大きな写真)
浦島草(大きな写真)

 路傍には、ジュウニヒトエとホウチャクソウが多く、チゴユリもたくさん咲いていた。
 もう少しで咲きそうなギンランがあったのだが、咲いている個体は見なかった。
 ヤマツツジはまさに満開で、言うことなしだった。

十二単(大きな写真)
稚児百合(大きな写真)

 草戸山まできて、小休止。
 このコースにはあちこちにベンチがあって、休みどころが多い。

 ヤマツツジを見ながら高尾山口駅近くの峠まで来ると、駅の方から、大音量のスピーカーでどうでもよい音楽を流しているのが聞こえてきた。
 恐ろしく迷惑な話で、近所の人たちはよくこんな騒音を我慢していると感心する。

ホウチャクソウ(大きな写真)
ヤマツツジ(大きな写真)

 少し下りかけたが、騒音に向かって歩くのが嫌になったので、峠から直進して、高尾駅方面に向かった。
 ここも引き続き、ヤマツツジがきれいだった。

 峠状のところから住宅地に出ると、高尾駅まで、さほど遠くなかった。