春の雲取山
−三峯神社から雲取山−

【年月日】

2016年5月7日〜9日
【同行者】 全部で5名
【タイム】

5/7 三峰分校跡で幕営
5/8 三峰分校(5:00)−二股桧(5:56-6:05)−お経平(6:54-7:06)−白岩小屋(8:02-8:11)
   −雲取山荘(9:23-9:49)−雲取山(10:14-10:30)−雲取山荘(10:48-11:10)
   −芋木ノドッケ巻道分岐(11:59-12:05)−白岩小屋(12:23-12:32)−お経平(13:22-13:34)−三峰分校(15:02)
5/9 三峰分校(8:38)−清浄の滝(9:46-9:50)−大輪(10:17)

【地形図】 雲取山、三峰 ルート地図

一日目(三峰分校まで)

 一日目は、三峰分校あとに幕営のみ。
 校庭の一角で、サクラソウが満開だった。

 時間があるので、神社まで行ってお参りしてきた。

 道ばたでは、ホソバテンナンショウ・タチツボスミレなどが咲いていた。
 シャクナゲもまぁ、見ごろだった。

 めったにできない早寝ができて、よく眠れた。

桜草咲く(大きな写真)
ミツバツチグリ咲く(大きな写真)

二日目(三峰分校から雲取山往復)

 出発は5時。

 数十名がぞろぞろと並んで歩く。
 こういうのは、じつに苦手だ。

 炭焼平付近では、イヌブナをはじめとする新緑が、清々しい。
 霧藻ヶ峰を過ぎ、お経平で行軍から解放されて、パーティ行動となる。

ヤマザクラほころぶ(大きな写真)
お経平付近の雑木林(大きな写真)

 前白岩の登りにかかると、オオヤマザクラやオオカメノキが咲き始めていた。
 急登とはいえ、さほど苦しいわけではない。
 前後のパーティに挟まれる圧迫感がなくなって、のんびり登ることができた。

 前白岩の下りからチラリ富士山が見え、山頂からの展望が楽しみになった。
 山慣れたパーティなので、野鳥の声を教えながら登った。
 この日は、エゾムシクイ・ツツドリ・ヒガラ・コガラ・ジュウイチ・メボソムシクイ・ミソサザイ・ルリビタキ・コルリなどの声を聞いた。

ハルリンドウ咲く(大きな写真)
ミヤマカタバミ咲く(大きな写真)

 足元には、ミヤマカタバミが多いのだが、朝が早いと開花していない。
 ハルリンドウも点々と咲いていた。

 白岩小屋に着いて展望台に直行。
 ほとんど雲のない、快晴だった。

 芋木ノドッケへは登らず、今年は巻き道を行く。
 じつは巻き道の方が花は多いのだ。

イワボタン(大きな写真)
イワウチワ(大きな写真)

 山側の岩付にミヤマカタバミ・イワボタン・コガネネコノメ・ツルネコノメが咲き、イワウチワの群落も見ごろだった。
 イワウチワは越後で見慣れた花だが、こちらのとは葉っぱの様子がずいぶん異なっているから、別種なのだろう。

 トラバース道の下が崩壊して凍結時の危険箇所は修理されていた。
 ありがたいことだが、ここは登山者自身が道を傷めないよう、ていねいに歩くべきだ。

 再び尾根の上に出ると、ヒガラの声がいたるところで聞こえてきて、いかにも雲取山に来た雰囲気になる。

 コメツガの原生林だが、シカ食害で枯れた木が危険になったためだろうか、大木がたくさん処理されていた。
 シカ害もそろそろ、落ち着いてもらわないとまずいだろう。

雲取山から富士山(大きな写真)
聖・赤石・悪沢(大きな写真)

 雲取山荘でゆっくり休んで、山頂に向かう。
 バイカオウレンは盛りを過ぎてはいたが、まだたくさん咲いていた。

間ノ岳・北岳(大きな写真)
仙丈・甲斐駒(大きな写真)

 予想通りの大展望、予想通りの大混雑だった。

 快晴の雲取山は4年ぶりだった。
 農鳥岳を除く南アルプス全山、大菩薩、奥秩父が一望できた。

 しばしまったりして、下山にかかる。
 雲取山荘でトイレ・給水などさせていただき、鳥の声を聞きながらのんびり下る。
 いつもの日帰り山行より荷が軽いので、ずいぶん楽だ。

 お経平から再び全体行軍になるのだが、パーティの間隔が開いて、比較的ゆったりと下ることができた。

 余裕を持って下山できたので、この日もたっぷりと眠ることができた。
 外気温は前日より低く、ダウンセーターを着てちょうどよいくらいだった。

三日目(三峰分校から大輪)

 この日は下山するだけなので、朝もゆっくりで、お茶など飲んでから朝食の支度にかかることができた。

 出発は9時前。

 三峯神社に行ったことがない人がいたので、まずは神社を見学。
 このところ参拝者が急増しているおかげか、境内の建物が続々とリニューアルされて、ちょっと目にはケバケバしく変わりつつある。

 シャクナゲ園の先から表参道に入る。

三峯神社拝殿(大きな写真)
シオジ大木(大きな写真)

 売店も全て閉まり、閑散とした表参道だが、わずかながら登ってくる登山者がいた。
 じつに貴重な人々だ。
 大杉が連続して、立派な参道だと思うので、もっと多くの人に歩いてほしい道だ。

 沢音が聞こえてくると、巨シオジ。
 下って行くとカツラの大木もあるが、シオジの印象が強すぎて、今ひとつインパクトにかける。

 清浄の滝でマイナスイオンを浴びれば、大輪は近い。
 ロープウェー駅だったところが近くなると、トチの大木もある。

清浄ノ滝(大きな写真)
屋根を抜ける大杉(大きな写真)

 道路に出て、赤い橋を渡る手前の廃屋は、杉の大木が屋根を突き抜けている。
 この家を建てた時には杉は生えていただろうから、おそらくこの家の住人は、最初から杉と同居していたのだろう。

 あちこち道草したにもかかわらず、予定していたバスの時間には、十分間に合った。