穏やかな雲取山

【年月日】

2015年5月9日〜11日
【同行者】 全部で11名
【タイム】

5/9 三峰口駅(12:23)−大陽寺入口(13:09-13:15)−東大演習林東谷作業所前(14:08 幕営)
5/10 東谷作業所前(5:00)−林道あずま屋前(6:22-6:30)
   −お経平(7:25)−白岩小屋(8:37-8:50)−白岩山(9:11)−芋木ノドッケ(9:29)
   −雲取山荘(10:30-11:17)−雲取山(11:40-12:03)−雲取山荘(12:28)(幕営)
5/11 雲取山荘(4:55)−白岩小屋(6:08-6:16)−お経平(7:10-7:15)−三峯神社(8:41)

【地形図】 雲取山、三峰 ルート地図

一日目(東谷演習林まで)

 日照りが長く続いていたのだが、入山予定の土曜日に限って天気予報に雨マークがついた。
 あまりよくない兆しではあるが、日曜日に晴れてくれればよしとしようとポジティブに考えて、当日を迎えた。

 ほぼ予定通りに、退屈な車道歩きが始まった。
 この日はひたすら我慢の歩きだ。

 とくに問題なく東谷作業所に着き、まずまずの場所に設営することができた。
 大きなテントの狭間にツェルトを張ったが、ここの地面は強力に転圧してあり、ペグが殆ど効かなかった。
 予報に反して雨がふらなかたのは幸いだった。

ニ日目(雲取山まで)

 翌朝は、例年同様にスムーズなスタートとなった。
 今年は、大陽寺の境内を早朝に通ることを禁じられたため、またまたダルい車道歩きが小1時間続いたが、大陽寺の上でようやく、登山道に入ることができた。

白岩小屋からの大洞谷(大きな写真)
ミヤマカタバミ(大きな写真)

 暑いといえば暑いが、昨年のような蒸し風呂状態ではなく、まずまず快適な天候状態だった。
 野鳥の声も多く、オオルリ・コルリ・センダイムシクイ・ツツドリなどの声が響く。
 雑木林の林床ではニリンソウがほころびていた。

 林道あずま屋で小休止。
 見渡す新緑が目に眩しい。

 霧藻ヶ峰のトラバース道に入ると平坦な山道になってほっとする。

 お経平は通過して、前白岩の急登にかかる。
 鳥の声はルリビタキやキクイタダキ・ヒガラなどに変わって、樹林もネズコやコメツガなどの原生林になる。

 白岩小屋では、いつものように大洞谷の大展望を目にすることができた。

バイカオウレン(大きな写真)
雲取山頂からの甲武信ヶ岳(大きな写真)

 芋の木ドッケからの下りでは、タチツボスミレ・ハルリンドウなどがたくさん咲いていた。
 ここのハルリンドウは花数がずいぶん増えている感じがした。

 樹木ではオオカメノキやヤマザクラがちょうど咲き始めで、いかにも春爛漫といった風情だった。

ヤマザクラ(大きな写真)
雲取山荘の夕暮れ(大きな写真)

 男坂のバイカオウレンは盛りをやや過ぎていたが、まだ十分見ることができた。
 雲取山荘に着くとすでに何張りかのテントが張られていた、コースタイムを見ると例年よりいくらか速いくらいだった。
 ヤマザクラが咲き、野鳥の声が元気に響いて、いかにも初夏らしい、暖かな時間だった。

 しばらく雨が降っていないので、登山道はぬかるんでなく、歩きやすくて助かった。
 バイカオウレンの花数は、ずいぶん少なくなったように思った。

雲取山荘の夜明け(大きな写真
鹿が覗いている(大きな写真)

 よく晴れてはいたが、雲も多少湧いていて、富士山や南アルプスは見えなくなっていた。
 しかし、奥多摩や奥秩父・大菩薩あたりはよく見えていた。

 しばらく休んで雲取山荘に戻り、食事の準備までまたまたのんびりした。
 この日も早く寝ることができた。

 夜中の12時ごろトイレに行くと、星がとてもきれいだった。
 関東平野の夜景が樹間から見えて、エネルギーをずいぶん無駄に使っているのではないかと思った。

三日目(三峯神社まで)

 明け方にかけて西からかなり強い風が吹き、ツェルトの裾から入った風がシュラフに吹きつけてとても寒く、とても眠っていられないほどだった。
 寒さに震えながら、畑のジャガイモが霜げてないか、心配などしていた。

イワウチワ(大きな写真)
イワボタン(大きな写真)

 三日目も時間通りに、ずいぶん軽くなったザックを背負って雲取山荘をあとにした。

コガネネコノメ(大きな写真)
両神山と浅間山(大きな写真)

白岩小屋から北アルプス(大きな写真)
前白岩から覗く富士山(大きな写真)

 この日も快晴。野鳥の声に励まされながら、女坂を下る。
 この山行最大の難所は、前白岩からの下りである。
 霧藻ヶ峰を過ぎると、道幅も広がり、ゆるい下りが続いて、長くはあるがらくになる。

 このあたりは、イヌブナやウダイカンバが芽吹いてたいへん美しかった。