春近い大岳山
−サルギ尾根から大岳山−

【年月日】

2015年2月27日
【同行者】 単独
【タイム】

大岳鍾乳洞入口バス停(7:40)−上高岩展望台(9:23-9:27)−大岳山(10:31-11:14)−奥の院(12:11)
ケーブル駅(13:21)

【地形図】 武蔵御岳 ルート地図

 久しぶりに大岳山に行こうと思って早起きした。

 西武秩父の始発に乗るつもりだったが、ほんの少しのところで乗り遅れた。
 次の電車だと東飯能と武蔵五日市での乗り換えが忙しいものの、なんとかバスに間に合った。

養沢神社の大トチ(大きな写真)
上高岩山展望台から大岳山(大きな写真)

 大滝コースから登るつもりで、大岳鍾乳洞バス停で降りたが、大滝コースは通行止めになっていた。
 行って行けないことはなかろうと思ったが、今回は上高岩山コース(サルギ尾根)を登ることにした。

 養沢神社のわきから山にとりつく。
 最初はひどい急登で、一段落しても、急な登りはしばらく続く。
 ほぼずっとスギ林だ。

 途中の炭焼き窯あとにベンチがあって、休憩点だと思われるが、先へ進む。
 雑木林の高岩山まで登ると、樹間から大岳山が見えてくる。

 上高岩山のピーク手前のあずま屋は、この尾根唯一の展望台である。
 よく晴れてはいたが、季節風が強く、東京方面は雲が湧き始めていた。

 何ヶ所かの分岐を過ぎて主稜線に出て、大岳山に向かって南下する。
 ここからよく踏まれた道なので、北面の部分は一部が凍結していた。

 岩がちの道になるとまもなく、大岳山荘の前に出た。
 ここに来たのは26年ぶりだ。
 以前は、ハイカーで賑わっていた山荘だが、見た目は廃屋に近づきつつあった。

 けっこう疲れていたのだが、薄暗く陰鬱な雰囲気なので、山頂に向かった。
 スギ大木を見ながら急登すると、すぐに山頂に着いた。
 南から西側にかけての展望がよく、天気もまずまずだった。

 丹沢・富士山・奥多摩・大菩薩連嶺が一望でき、富士山からは雪煙があがっていた。
 大菩薩はずいぶん白く、ラッセルだと厳しそうな感じだった。
 多摩川北岸では、雲取山と鷹ノ巣山が顔を見せていた。

 風が穏やかになったので、ここで大休止。
 平日だが、数人のハイカーが休んでいた。

大嶽神社のお狗様(大きな写真)
大岳山から(大きな写真)

 御嶽神社に行くか馬頭刈尾根を下るか、やや思案したが、御嶽山の方が交通の便がよいので、やや戻って鍋割山への尾根に入る。

 いつか来たときには、カタクリが咲き始めていたのだが、この日はもちろん、冬枯れた状態だった。
 鍋割山で東に進行の向きを変え、どんどん下って行くと、奥の院の分岐。
 ここにはどっしりしたツガの大木がある。

 奥の院へは急登しばし。
 展望はなく、修復のあとも痛々しい石祠がある。
 祠には、高遠の石工がこれを刻んだことが彫りこんであった。

大岳山から雲取山・鷹ノ巣山(大きな写真)
奥の院分岐の大ツガ(大きな写真)

 やや下ったところで拝殿をみるとすぐに縦走路に戻り、下りきったところで天狗の腰掛杉という巨木があった。
 これはたいへん立派な樹だった。

御岳山奥の院の石祠(大きな写真)
天狗の腰掛杉(大きな写真)

 軽トラックの轍が残るほど広い道を行くと、長尾平の茶店の前の交差点に来る。
 どういう関係なのか、長谷川恒男氏の石碑が建てられていた。

 このあたりからはっきりした車道なのだが、案内図が乏しいので、ちょっと戸惑う。
 御嶽神社・ケーブルカー近道という小さな看板に従って階段を登って行くと御嶽神社拝殿に至るが、ケーブルカー駅へはむしろ遠くなる。

 拝殿でお参りして階段を下って行くと、土産物街を抜けて神代ケヤキを見る。
 樹というより、一種の妖怪のような姿をしたケヤキだった。

 このあたりから旅館街になるが、案内図や道標が出てきてわかりやすくなる。
 ビジターセンターの展示を見て、やや入り組んだ道をケーブル駅まで行った。
 久しぶりの山行きだったのもあって、けっこう疲れたので、ケーブルカーで下山できるのはありがたかった。

神代ケヤキ(大きな写真)
ロウバイ咲く(大きな写真)

 ケーブルカーという乗り物に乗った記憶がないのだが、なかなかスリリングで面白い乗り物だ。
 動き始めてしばらく行ったところで、車両が緊急停止したのだが、メカの人々が急いで駆けつけてきて、メンテナンスをしてくれた。

 それほど長く止まっていたわけではなかったのだが、滝本駅の駅員さんたちがずいぶん恐縮してくれ、バスを待たずにわざわざ御岳駅まで送ってくれた。
 感謝に堪えない次第である。