何度か下ったことのある三峯神社の表参道を、今回は時間をかけて下ってみた。
メンバーは、JICKYさんご一家・kurooさんとおれの5人。
まずは大滝村営(旧)グランドの駐車場に集合して、大輪への遊歩道を行く。
荒川沿いの道なので、さほど暑くはないが、雰囲気は完全に夏モードだった。
大輪バス停に着いたところ、バスは出たばかりで、しばし待つことになった。
アスファルトの道路の照り返しが強く、日陰に避難してバスを待った。
バスは満員だったが、臨時便がすぐ後ろについていたため、臨時便に乗ることができた。
座っていけたので、とてもありがたかった。
ゆっくり居眠りして三峯神社に着くと、相変わらず駐車場も境内もごった返していた。
まずはみんなで神社を参拝する。
お祓いの順番を告げる放送が聞こえる。
ここには連日、数百人、あるいはそれ以上の参拝者が訪れているだろう。
参拝者は、文化財として神社に訪れるのではなく、何かしらの願いを持ってお参りに来る。
それらの願いをパワー化すれば、とてつもないエネルギーになるはずだ。
おれが神様だったら、とても耐えられなくて、逃げ出すだろう。
境内に林立する石碑類にも、三峯神社に願いをかける善男善女の願いが込められている。
この神社は神域でもあるが、人域であり願域でもある。
展望台のある入口から、ゆるゆると下る。
標高がいくらか高いせいか、あまり暑くない。
最初は普通の杉並木で、さほど迫力があるわけではない。
登山道と作業道を使いながら下って行くと、何軒かの茶店あとを見る。
足元にはクワガタソウがちらほら開いていた。
主のいなくなった茶店の前で、サクラソウが健気に咲いていた。
ここの丁目石は、ずいぶん抜けが多い。
失われた丁目石は壊れてしまったのか、それとも道が付け替えられたため、どこかに別のところに建っているのだろうか。
薬師堂あとで小休止。
ここには、廻国千人施宿供養塔と廻国三千人施宿供養塔が建てられている。
「廻国」というからには、「施宿」を受けたのは、ただの参詣者ではあるまい。
ここに泊まったのは、定着する住処を持たず、諸国の霊場を回っていた流浪の山伏のような人々だったのだろうか。
巨杉が林立する中を下っていくので、目が驕ってきて、大きな杉を見た時の感動が減少していく。
とはいえ、巨杉の横を通り過ぎるときには、樹から発せられる気のようなものが感じられる。
沢の音が聞こえてくると、まもなく巨シオジ。
この樹は、このコースの主ではないかと思える。
太さもすごいが、ねじれながら巨大化したそのエネルギーたるや、すさまじい。
清浄の滝でも小休止。
さすがにここはずいぶん、涼しかった。
ここまで来るとあともう少しのような気になるが、巨杉の見せ場はまだまだ続く。
生え際から巨大な幹を分けた巨杉の前で、「この杉は生えてからすぐに幹分かれしたのか、それとも別々に植えられた二本の杉が巨大化したことによって癒着したのか」という議論になった。
もちろん、正解は不明なのだが、植えるときにこんなに接近して植えるのも変なので、おれとしては幹分かれしたんじゃないかと思った。
沢状地形にさしかかると、右手にカツラの森。
いつもの巨桂にも、出会うことができた。
沢の本流まで下ると、傾斜のゆるいトラバースが続く。
ベンチのあるところでKくんが「休もう」と言うので、ひと休み。
すぐ目の前に樹種不明の大木があったので、kurooさんが見に行くが、何の木かわからないという。
もちろん、おれにもわからなかった。
ロープウェー駅跡から駐車場へは、すぐに左折する。
まっすぐ駐車場へは戻らず、まずは竜門の滝を見る。
落差は10メートルほどの直瀑だが、淵がでかい。
低いところに降りてきたため、暑かったのだが、ここはやはり、涼しかった。
神庭半洞窟は少々登らねばならないのだが、せっかくなので見学。
よく見ると、半洞窟左奥にちょっとした湧水があり、右奥の穴からは涼しい風が吹き出していた。
10000年前の原始人にとってここは、水道と冷蔵庫のついた建て売りマンションのようなものだったのだろう。
ようやく元の駐車場に着いた。
みなさんのおかげで、とても中身のある山下りができた。
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