峰越林道が分岐する廻り目平の駐車場に自動車をとめた。
そこから金峰山荘まで20分くらいだった。
季節もいいので、キャンプ場はなかなか賑わっていた。
小川山・カモシカ登山道の標識に従って、カラマツ林に入る。
ハナイグチが点々と出ていた。
しばらく行くと、急傾斜の支尾根にとりつく。
アカマツ林の登りなので、多少の期待感があった。
大量に出ていたのは、ケロウジだった。
不食きのこではあるが、被写体としてはいいものだったので、ケロウジの写真を撮りながら行く。
アミタケ・マツタケモドキなどもいくらか出ていた。
かなり登ったところで、カモシカ登山道が分岐する。
こちらは尾根の北側を下ってキャンプ場に戻るコースらしい。
ハシゴが出てくると、アカマツ林が終わり、シャクナゲとヒメコマツやネズコのヤブの中の切り開きとなる。
岩峰を縫っていくのだが、小さな登り下りが多く、なかなか進まない。
この日も好天だったので、岩峰からは、金峰山が逆光ながらよく見えた。
最後の岩峰帯を抜けると、コメツガ林とシャクナゲの密ヤブが交互に出てくる。
コメツガ林でも、数は少ないものの、出ているきのこの種類は多かった。
尾根から南面のトラバースになり、しばらくで八丁平からの登山道に合した。
山頂はそこから少し登った、小さな切り開きにあった。
ゴミが入らないよう、ていねいに摘んできたマツタケモドキをここで炒めて食べた。
フリースを着るほど涼しかったのだが、人の気配を感じたのか、どこからともなく、虫が集まってきた。
下りは、八丁平経由のルートをとった。
シラビソも多少混じるが、ほぼずっとコメツガ林で、中にはかなりの大木もあったから、原生林に近い状態の森である。
この日は天気がよかったため光線状態が悪く、森の写真が撮れなかったのだが、明るい曇りの日にここを訪れたら、いい感じの写真が撮れるのではないかと思った。
このルートは、きのこもまずまずで、今年は見ることができないと思っていたショウゲンジもいくつか見ることができた。
八丁平周辺の登山道は、地形図とはかなり異なっていた。
地形図には、富士見平からの道が交差するところに中ノ沢出合への下降路があるように記載されているのだが、そのような道は存在しなかった。
下降路は、大日岩方面へ少し行った、最低鞍部にあった。
地形図には、大日岩基部から下降路に合する道も出ているように書いてあるのだが、二日前に来たときに、その道があるかどうか、よく確かめておけばよかった。
下り始めるとすぐに小沢を渡る。
そこからは沢を絡みながら下っていく。
一ヶ所、かこう岩の白ナメを歩くところがあった。
沢に立つと、いい感じが蘇ってくるような思いだった。
ずっと左岸を行くのだが、途中からカラマツが混じる。
かなりの大木もあるので、天然のカラマツかもしれない。
そうするとまた、ハナイグチが見え始める。
下の方に堰堤を見るとすぐに、朽ちた乗用車のある広場に出た。
ここからは林道歩きになるのだが、昨年来た時より道はずいぶん荒れていて、歩きにくかった。
金峰山に向かうハイカーやキャンパーがうろうろしているので、きのこは採り尽くされているかと思いきや、ハナイグチはまだ点々と出ていた。
廻り目平の駐車場に戻る道にも、ウツロベニハナイグチを始め、不食きのこもたくさん出ていて、それなりに楽しめた。
|