栄和交通のバスとタクシーが大弛峠まで入るようになったので、バス・電車と組み合わせて石楠花新道を歩いてみた。
徳和バス停の駐車場に自動車をとめて、市営バスで山梨市駅まで行き、ジェイアールで塩山へ移動すると、駅北口近くに栄和交通のバス停がある。
これに乗って(要予約)柳平まで行くと、大弛峠行きのジャンボタクシーが待っていて、午前10時前には、峠に着くことができるのである。
大弛峠周辺は、駐車スペースからあふれ出た自動車が路上に列をなしていて、先日の上日川峠と同様だった。
身支度とともに腹ごしらえをして、まずは大弛小屋のテント場を下見。
いつか、晩秋に金峰山から降りてきたときには、小屋の様子は見なかったと思う。
100円払って水を補給し、国師ヶ岳へ向かう。
登山道はほぼずっと、木製階段によって整備されており、手ぶらのハイカーや、犬を引いて散歩してる人までいて、尾瀬よりはるかに俗化している状態だった。 それでも、国師ヶ岳のピークは比較的静かで、のんびり大休止することができた。
降ってはいなかったが、雲は厚く、ガスが巻いていて、目の前の北奥千丈ヶ岳も、見えたり隠れたりしていた。
北奥千丈ヶ岳まではいい道で、ハクサンシャクナゲが咲き始めていたが、その先、石楠花新道に入ると、シャクナゲの密ヤブが被さったトレイルとなる。
シャクナゲが切れると、シラビソ林となり、部分的に苔むした、いい雰囲気の道となる。
北奥千丈あたりに咲き残っていたミツバオウレンも消えて、花は全くない。
奥千丈はピークでなく尾根上の一地点で、その先も同じような下りが続く。
部分的に倒木のうるさいところがあって、ペースははかどらない。
尾根の上には何ヶ所か、伐採小屋あとのようなところがあって、缶詰の缶や空き瓶などが散乱していた。
シラビソが若くなり、ダケカンバ林も出てくる。
このあたりは伐ったあと、放置したのだろう。
シラベ平で林道を渡る。
細い水流をまたぐが、飲用できそうにない感じだった。
四輪駆動車がとまっていて、車のわきで昼寝している人がいた。
ゴトメキへは、緩い登り。
ピークには歌碑のような石碑があり、大烏山・小烏山への分岐があった。
トサカへも同様の緩い下りだが、踏みあとはやや薄い。
細いわき水の出ているあたりで一度、道をロストした。
枯れ木帯にササが生えたところで踏みあとが乱れるが、尾根の上なので何とか進むことができる。
倒木が一段とひどくなり、歩くスピードが遅くなるが、黒金山への登りと雰囲気が似てくる。
トサカで左に折れ、ササの中を下っていくと、尾根が広くなって大ダオに着いた。
ここでも展望は皆無だった。
ここから徳和までは知った道なので、風が出てきてやや寒いが二度目の大休止。
大菩薩峠や雁坂峠と同じような場所だからかつてはお花畑だったのだろうが、なんの花もない。
大ダオからは沢の源頭へ下っていくのだが、案に相違して、ササが消えてすぐに道をロストした。
このあたりは踏みあとが消え消えで、道をたどるのは登りのときより難しい。
特に危険なところはないので、トレースをたどらずに強引に下っていった。
踏みあとは、林道の終点までずっと薄かったから、このルートはそろそろ廃道になってしまうのではなかろうか。
林道歩きが長いのは覚悟していたが、思ったほどひどくはなかった。
徳和でお寺などを見学しながら、駐車場に戻った。
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