真夏の久殿沢歩道

【年月日】

2012年7月28日
【同行者】 2人
【タイム】

樹木園入口(9:07)−シビトクボ渡渉地点(9:54-9:59)−久殿沢渡渉地点(11:13-11:42)−国道(11:56)
−樹木園入口(12:24)

【地形図】 中津峡 ルート地図

久殿沢の流れ

 ここを歩くのは何度目か、ちょっと覚えていないが、ずいぶん久しぶりだということは、確かだった。

 ナメ沢近くのスペースを軽トラをとめ、樹木園の駐車場から森に入る。
 照り返しのひどい車道から少し入っただけで、嘘のように涼しくなった。

 以前にはなかった鹿よけネットをくぐって樹木園に入る。
 ブナの多い斜面をジグザグに下っていくと、滝川の渓音が、なつかしい。

 土捨て場あとに降り立つと、砂防工事の施された斜面には、カエデが植えられていた。
 ここは、トンネル工事で出た土砂を投棄した場所だった。
 1997年には、捨てられた土砂が滝川まで落ちていたものだが、土木事務所に電話で文句を言ったら、すぐに土留工事が始まった。

 土捨て場のあった平坦地にはかつて、プレハブの飯場がたっており、北海道や東北ナンバーの車がとめられていた。
 平坦地はいつの間にか、地元政治家が経営する蕎麦屋に変貌した。
 工事が行われていた当時、そこにあった看板には、「工事終了後、原状に復する」と書いてあったように思うのだが。

 滝川に掛かる橋は健在だった。
 流れももちろん、いい流れだった。

 対岸に渡ってトラバースするところは、いくらか崩れたのか、補修したあとがあった。
 シビト窪に入り、すぐに斜面にとりつく。
 シオジの双葉の中に、ちょうどよさげなチチタケが出ているのが見えた。

 大木がいくつかあるのだが、葉っぱが見えないので、何の樹だかわからない。
 今度来るときには、双眼鏡が必要だ。
 多分、カエデかケヤキだと思う。

 ひと登りで小尾根の上。
 ツガやミズメが生えているので、それまでと樹相が劇的に変化する。

 トラバースで再び、シビト窪を渡るところで、小休止。
 下界は酷暑だが、沢沿いは、とても涼しい。

 その先、道が消えかけていて、ちょっとわかりづらい。

 ここからしばらくトラバースだが、基本的に尾根面なので、ツガが多い。
 教科書通りでわかりやすいし、大木もあるので、見応えがある。

 尾根面を回りこむと、谷面のトラバースになる。
 ここで、カツラやシオジの巨木を見ることができる。
 これまた教科書通りで、わかりやすい。

 明瞭な尾根に出ると、スギ・ヒノキ林。
 間伐不足で、下草が全く生えていない。

 スギに熊ハギが何ヶ所もあった。
 奥秩父のスギ林はずいぶん、熊の害にあっていると思う。

 久殿沢に下ったところで、大休止。
 小渓ながら整った渓相で、毛鉤を振りたくなる。

 滝川を渡る橋は、ワイヤーでぶら下げてあり、ブラブラしていたが、簡単に渡ることができた。
 これだと、よほど増水しなければ橋が流されることがなくて、具合がよさそうだ。

 蒸し暑く、夕立の来そうな天気だったが、ナメ沢に戻る少し手前で、ポツポツと降り始めた。