雨の白泰山

【年月日】

2007年10月26日〜28日
【同行者】 多数
【タイム】

大滝元気プラザ(5:50)−林道出合(6:30-6:45)−栃本広場
(7:42-8:03)−十二天(8:44-8:52)−下山道出合(9:25-9:35)
−白泰山下(10:50-10:58)−二里観音(11:34-12:00)−一里観音
(13:11-13:25)−栃本広場(14:12)

【地形図】 三峰、中津川

 登山大会なので、今回も100人以上の大集団での登山だった。

 3日間のうち、実際に山に登ったのは27日だけだったが、秋台風の特徴を身をもって学ぶことができた。

 26日の朝からぐずついた天気だったが、気象情報では前線の停滞による雨だという解説で、朝7時40分のの情報では台風については何も言っていなかった。
 しかし大滝元気プラザに着くころには本降りになっており、設営中に多少濡れてしまった。
 とはいえ、山中のテント場でなく、トイレや屋根つきの炊事場完備のキャンプ場だったので、何かと便利で助かった。

 こういう大会を運営するのは、非常にむずかしい。
 最も基本的な難点は、パーティの力量や体調を把握できないまま、行動の指示を出さねばならないということだろう。

 好天に恵まれかつ、容易な山であれば問題が顕在化することはなかろうが、今回のように台風接近という状況では、個々の小パーティの力量により、行動力に差がずいぶん出てきてしまう。
 そうなると最も弱い小パーティに合わせるべきなのだが、全体の動きに支障をきたすようでも困るだろうから、行動速度や休憩の入れ具合を台風のスピードをにらみながら判断しなければならないのだから、ずいぶん悩ましい。

 夜の時点で台風の発生と予想速度が判明し、行動予定日の夕刻には関東南岸に接近する予報であることがわかったので、メインザックでなく、サブザックでの行動にしてスピードアップをはかり、白泰山に登頂するのではなく二里観音往復にとどめることが伝えられた。

 前夜、テント場で騒いでいた小パーティがあって閉口したが、朝は予定通りに出発。
 まわりは植林地とカラマツまじりの雑木林だが、シロナメツムタケ、シロヌメリイグチ、ナメコ、クリタケなどが足元に見える。

 栃本広場や十二天で小休止があったので、雑木林を探してみたが、思わしいきのこは出ていなかった。

 一里観音手前あたりは30年生くらいの雑木林。
 このあたりのスズタケはまだ元気だが、多少枯れ始めているのがわかる。

 その先は主に南側が原生林。
 ミズナラ、ブナ、ツガ、オノオレカンバ、ウダイカンバなどの大木があり、コミネカエデ、ハウチワカエデなどの紅葉が美しい。

 一里観音から先のピッチが長かったせいか、かってに小休止する小パーティやバラバラになるパーティが出始めた。
 多少長いとはいえ、せいぜい1時間のピッチなのだから、休まずに歩いてほしいものだが、こうなると人員の把握もむずかしくなる。

 ナメコ・ムキタケなどを足元に見ながら白泰山分岐を過ぎ、南側に天然カラマツの大木を見ながらしばしで二里観音。
 ここに来るのはなんと17年ぶりだ。

 避難小屋の中は混雑していたので、のぞき岩の下で大休止。
 雨は少しずつ強くなっていたので、じっとしていると寒かった。

 帰りはゆるい下りなので、快調に行った。
 風も少し出てきたが、さほどひどくならなかったのは幸いだった。

 栃本広場でバスに乗ったときには土砂降りの雨だった。

 この日は両神中学校で幕営の予定だったが、幕営予定地が水浸しだったため、体育館に泊めてもらった。
 濡れたテントを水たまりの上に設営するというのは気が進まないものだが、そんなことをしなくてもよかったので、ありがたく思った。

 この日も早く休んだが、深夜2度に渡って酔漢が大声を張り上げ、眠りを妨げてくれた。
 前夜騒がしかったパーティにも言えることだが、夜のテント場では少なくとも日が暮れたあとでは静粛にすべきだ。

 他のパーティの眠りを妨げ、それが原因で遭難事故につながることだってあるかも知れない。
 酔漢は引率教師らしいが、その行動はどう考えても切腹ものである。

 28日はバスで戻るだけだったのだが、朝からきれいに晴れ上がり、ずいぶん悔しい思いをさせられた。