霧藻ヶ峰

【年月日】

2007年5月14日
【同行者】 多数
【タイム】

三峰分校跡(5:30)−ビジターセンター(6:02)−霧藻ヶ峰(7:05-7:15)
お清平(7:27)−林道出合(8:05-8:15)−ビジターセンター(9:17)

【地形図】 三峰、雲取山

 1980年に閉校となった三峰分校あとは、建物や運動場がほぼそのまま残されている。
 テント場となった運動場の除草だけでもずいぶん手間がかかろうというものだが、どうやって維持されているのだろうか。

 分校あとから観光道路を少し歩いて、三峰ビジターセンター。
 この日の山行は、ここが起点。

神領民家前に咲くアズマシャクナゲ(大きな写真)
霧藻ヶ峰から望む両神山

 移築された神領民家の回りに植えられたアズマシャクナゲはそろそろ色あせ始めていた。
 200名以上の大集団が、スギ並木を黙々と歩いているのは、ちょっと異様だったかも知れない。

 妙法ヶ岳分岐を過ぎてすぐに炭焼平。
 小広い平坦地にウグイスやツツドリの声が響く。

 この日の最高点である霧藻ヶ峰まではワンピッチで着いてしまった。

 展望台からは、和名倉山と西秩父一帯の展望が広がる。
 ここからは和名倉山頂稜の複雑な地形がよく観察できる。
 和名倉沢・市ノ沢の切れ込みも新緑に染まっている。

 しばし休んでまだ午前7時だが、早くも下山にかかる。
 この奇妙な登山は、2008年に予定されている全国高校体育大会(インターハイ)登山大会のシミュレーションなのだ。

 お清平から太陽時方面へ下っていく道では、スズタケはほぼ完全に枯れている。
 沢筋ではハシリドコロが今満開。

 ヤマガラのさえずりを聞きながら約30分の下りで、大血川林道。
 ここからは林道歩きで三峰神社へ戻る。

 大血川集落からすぐ西に高く見えるのがこの林道だ。
 霧藻ヶ峰の急斜面を開削してこの道が建設されたとき、大量の土砂が向沢に流入した。

 向沢は小渓ながら端正な渓相の秀渓だったが、この工事でめちゃめちゃになった。
 人が住んでいるはずのない上流から古タイヤなどのゴミが流れてきた。
 渓流を泥が埋めて、イワナがいなくなった。

 下流部で堰堤工事が始まると、細い杣道が通っていたところに、ダンプが乗り入れるようになった。
 堰堤が完成したのちも、工事用林道は大崩壊し続けており、ヤマメが放流された渓にイワナの影は戻らない。
 増水時に轟々たる水量で流下し、尺イワナの踊った向沢はかくて、ありふれた小水路と化した。

 飛沫を上げて抵抗する大イワナの感覚はまだ、手に残っているが、それはもはや、幻なのか。
 林道を歩きながら妄想しているうちに、駆ヶ越トンネル・三峰トンネルをくぐり、和名倉山の巨体を見ながら三峰ビジターセンターに戻った。