春も盛りの西上州
− 南小太郎山 −

【年月日】

2013年4月29日
【同行者】 単独
【タイム】

御僧尾根登山口(8:28)−白髪山分岐(10:00)−南小太郎山(10:12)−北東尾根分岐(11:09-11:31)
−御僧尾根登山口(12:18)

【地形図】 神ヶ原 ルート地図

 早春の西上州は、静かだ。  雑木林の自然度も高く、新緑前後の季節には光があふれていて、草花も多い。
 雑踏のような山が続いていたので、南小太郎山を歩いてきた。

 持倉の登山口に行くのに大福峠越えの林道に入ってしまい、少々遠回りをしたが、路面が荒れていなかったので、問題なく登山道入口に着くことができた。

ハルリンドウ(大きな写真)
コガネネコノメ(大きな写真)

 ルート下部はおおむね雑木林だ。
 足元には、早春の花たちが乱れ咲く。
 ハルリンドウ・コガネネコノメ・ワチガイソウ・ヤマエンゴサク・アケボノスミレ・タチツボスミレ・ニリンソウなど。

ヤブレガサ
ミツバツチグリ(大きな写真)

 ハルリンドウの輝くような青は、春の雑木林の宝石だ。
 コガネネコノメは、以前は谷沿いのどこにでも咲いていたように思うが、たくさん咲いているのを見たのは久しぶりだった。

 ヤブレガサの群落もあるが、残念ながらすでに、葉は開いてしまっていた。
 ニリンソウの群落も、点々とではあるが、ちょうど見ごろだった。

ワチガイソウ1(大きな写真)
ワチガイソウ2(大きな写真)

 ワチガイソウも、どこにでも見られるというほどではなくなった。
 花びらの純白と、雄しべの黒褐色とが対称的で、美しい。

ヤマエンゴサク(大きな写真)
アケボノスミレ(大きな写真)

 トウゴクサバノオを見たのもまた、久しぶりだった。
 奥武蔵では、なかなか出会うことのできなくなった花だ。

 けっこう急なつづら折れの道だが、花を見ながら行くので、さほど疲れない。
 中腹には、フモトスミレの群落が、まるで豪雪地のミツバオウレンのように、咲き乱れていた。
 フモトスミレは、小さくて地味なスミレだが、これだけたくさん咲くと、みことだった。

フモトスミレ(大きな写真)
トウゴクサバノオ(大きな写真)

 傾斜がさらに急になると、下御僧様。
 祠も石造物もないが、覆屋があって、石が積んである。

 さらにしばらく登ると、上御僧様。
 こちらも同様の覆屋だ。

 説明板には大略、「平将門に寺を焼かれた秩父の僧75人が、黒滝山に向かう途中、この尾根で遭難し、赤い石と化した」という伝説が記されていた。
 単なる遭難伝説が脚色されたのか、修験と関係があるのか、どうなのだろうか。

鹿に食われたヤマザクラ
熊に引っかかれたカラマツ

 尾根の上部はカラマツ林になるが、雑木がまじっているので、風情がよい。
 ただ、鹿の食害や熊の爪とぎあとが生々しい。

 T字路は、左の南小太郎山方面へ入る。
 こちらもカラマツ林だが、笹の下生えがいい感じのところだ。

 しばらく下った鞍部に、萱ノ平・持倉越を示す道標がある。
 そちらへは登山道があるが、南小太郎山へは踏みあとだ。
 ここはとりあえず、ピークへ。

 南小太郎山のピークは、雑木林に囲まれた静かなところ。
 ここからは、持倉へ周回するために、南東尾根に入る。
 二万五千図には破線が記されているが、踏みあとはほぼ消滅している。

ニリンソウ(大きな写真)
ハルトラノオ(大きな写真)

 下って行くと、灌木の生えた廃林道に出る。
 ここで大休止したあと、尾根の破線路を直進しようかと下ってみたが、持倉へはひどく遠回りになりそうなので、登山口へダイレクトに下る支尾根に入ってみた。

 支尾根には薄い踏みあとがあり、カラマツ林とヒノキ林をどんどん下って行くと、けさ通った林道に出た。
 林道を渡ったところには消えかかった道があり、そこをたどると、うまい具合に軽トラを止めた場所に出ることができた。