踏みあと不明な難峰
- 千ヶ平 -

【年月日】

2012年1月8日
【同行者】 単独
【タイム】

ゲートボール場(12:05)−千ヶ平(14:24-14:25)−ゲートボール場(15:21)

【地形図】 荒船山 ルート地図

イノシシ足跡
コンクリ道から物語山(大きな写真)

 古い地形図には、道平川ダムがなく、道平川源流から千ヶ平への破線路が記載されているが、現状では、破線路は廃道らしい。
 従って近年は、もう一つ西側の谷を詰めて、この山に登るのが一般的らしい。

 車道はもう少し奥まで入っているが、積雪もあったので、天神平ゲートボール場のわきに軽トラックをとめた。
 ゲートボール場にはもちろん、人影なし。
 歩き始めてすぐに、変形十字路で、ここにも駐車スペースがある。
 コンクリ舗装の林道を登って行くと、砂防堰堤を二つ見て、どんどん高度を上げていく。
 登山者の姿はなく、足元には、イノシシと犬の足跡しか見えなかった。
 地形図で林道終点になっているところはちょっとした広場で、無雪期にジムニーであれば、ここまで乗り込むことができそうだ。

 その先、さらに傾斜を増すコンクリ道はやがて、左岸の尾根へと登っていく。
 左岸尾根は大きく伐採されていて、物語山がよく見えた。

 コンクリ道と分かれると、廃道化したブル道になる。
 転石が多い上、薄く雪が乗っているので、とても歩きにくく、ほぼガレ場歩きに等しい。

 前方に岩壁も見えるが、右岸側にかすかな踏みあとを見つけたので、そちらに入る。

 たしかにそれは、人の踏みあとであり、沢の高巻きほどの急斜面を登って、尾根上に続いていた。
 しかし、傾斜がきつい上、雪の乗った狭い棚のトラバースなどがあり、ちょっと行きたくない感じだったので、岩場のへりを潅木を頼りによじ登ることにした。
 人の通るルートでないので、岩はとてももろく、信用して掴むわけにはいかなかった。

 強引に登っていくと小尾根に出て、先ほどの踏みあとと合流する。
 尾根上に危険箇所はなかったが、ここまでの急登で、息が切れた。

 地形図上の平坦地に出ると、かなりラクにはなるが、実際の地形は平坦でなく、岩稜の小ピークが続く。
 地図で見ると、あっという間に着けそうだが、登り下りやヤブこぎを交えるので、なかなか苦しい。

千ヶ平から浅間山(大きな写真)
千ヶ平から毛無岩岩峰群

 地形図には全く記載されていない急傾斜のピークを下ったところが、先ほどまで登ってきた沢のツメで、目印がいくつか、木に結んであった。
 千ヶ平三角点は、その少し先だった。

 浅間山がとてもよく見えており、荒船山は樹林越しだった。
 また、南側の毛無岩岩峰群は、逆光ながら、迫力充分だった。
 その他、地形図には記載のない岩峰や岩壁が、近くに数多あった。

 景色もいいし、疲れてもいたのだが、この時点で2時半と、タイムリミットに近かったので、すぐに下山にかかる。
 登ってきたルートを下降するのは絶対に不可能だったので、帰りは沢の源頭を下ることにした。

明瞭なシカ道
荒船の湯

 こちらは傾斜も比較的緩やかなガレ場で、岩場も皆無なので、安全なルートだった。
 雪が軽く積もっているので、浮石に乗らないよう注意しながら、縦横に走るシカ道を拾い下った。
 シカ道の中には、人の踏みあとかと思うほど、はっきりしたのもあった。

 下りながら、登り道のルートを改めて眺めてみたが、どうもかなり無理なルートだったと思われた。

 ちっとも苦労しなかったので、自動車をとめたところまで、1時間かからずに下ることができた。

 登山口から10分足らずのところに「荒船の湯」があったので、汗を流して帰った。