凍る渓から大展望の峰へ
- 大津 -

【年月日】

2012年1月3日
【同行者】 単独
【タイム】

竜王の里宮前(12:05)−大津(14:02-14:12)−竜王の里宮前(15:02)

【地形図】 十石峠 

渓凍る1
渓凍る2(大きな写真)

 ダム下の、竜王の里宮前に軽トラをとめる。
 最初に来たときには、ダムはまだなく、工事が始まっていたかして、この手前で通行止めになっていたのだった。
 時間も時間だし、登山者の車もなく、ゆっくり支度をして、三ツ岩岳登山道の木段を登る。

 すぐ上にダム管理所が見えており、木段は三ツ岩岳方面と分かれて、管理所に登りつく。
 大仁田ダムは、とても小さなダムである。
 群馬県のサイトによれば、このダムは、貯水と利水を目的とした小規模生活貯水池らしい。
 湖面は八割がた凍結していて、人の姿はなかった。

 流れこみの上にかかる橋を渡るとまもなく車道が終わり、沢沿いの道となる。

淵も凍る(大きな写真)
雪の乗った渓

 見たところほぼ最源流の様相を示す大仁田川は、いたるところで凍結しており、なかなか見応えがある。
 大きな滝もないが、凍結した細流の中にところどころ穴が開いていたり、落ち込みに氷柱が下がっていたりするのを面白く見ながら、踏みあとを行く。

 大津が左岸尾根上の岩峰だということはわかっているので、尾根にとりつくポイントを探すが、今ひとつ、それらしきところが見当たらなかった。
 尾根への踏みあとはおそらく、植林されているところにあるだろうと見当をつけていったのだが、思わしいポイントはなく、馬頭観音の石塔を過ぎたところに、かすかな踏みあとを見つけた。

 登り始めははっきりしていたが、すぐに不鮮明になり、やがて縦横に走る鹿道と混然となった。
 しかし、植林地を登り抜けると40年生くらいの雑木林となり、やがて明瞭な小尾根となったので、鹿道を適当に拾いながら登高を続けると、ほどなく尾根上に出た。

渓に馬頭観音
稜線直下の雑木林

 登りついた下降点付近の小枝に、目印用のタオルを結んで、東に向かう。
 最初は平凡な雑木の尾根だが、しだいに尾根がやせてき、西上州らしい雰囲気となる。

 正式な下降点らしき地点を過ぎると、架線集材で使ったワイヤが残置された場所。
 その先の小ピークのすぐ北は、眺望の効きそうな岩峰だが、前方に大津らしき岩峰が見えるので、道草せずに尾根を行く。

 地形図は1053メートル峰を大津と記載しているが、それは間違いで、実際は、そのピークからさらに東へ進んだ岩峰が大津だ。
 手前のピークからはやせ尾根を行くが、ちょっと見たところ、どうやって登るんだろうかと思ってしまうような岩壁が立ちはだかる。

手前岩峰から大津
毛無岩一帯の岩峰群

 大津の基部から少し北に下ると、古いトラロープが下がっており、手がかり・足がかり豊富な岩の間を登れるようになっていた。
 トラロープを使うほどでもないので、登るにほとんど問題なし。
 すぐに、大津のピーク上に立てた。

立岩・経塚山の彼方に浅間山(大きな写真)
(左から)小沢岳・稲含山・桧沢岳

 噂にたがわぬ大展望に、文句なし。

 北は、すぐ近くに、大岩と碧岩。
 経塚山・立岩からイデミ・毛無岩、トヤ山にかけても近く見える。
 浅間山は、経塚山のちょうど向こう側だ。

 北東を見ると、眼前に三ツ岩岳。その奥に鹿岳。
 中景に表妙義で、遠景は榛名山だ。

 多野郡との郡境稜線を見ると、小沢岳・稲含山・桧沢岳が目立ち、マルと烏帽子岳はすこぶる近い。

 風も吹いていたが、午後をずいぶん回っていたので、すぐに下山にかかった。

烏帽子岳
(手前から)三ツ岩岳・鹿岳・表妙義・榛名山(大きな写真)

 登ってきたところに結んでおいたタオルを回収したのち、正式な下降点らしきところから急降下する。
 下り始めには目印もあったのだが、すぐにウヤムヤとなり、小尾根を外さないように下って行くと、登山道入口のほど近く、丸太橋のかかった地点先の植林帯で踏みあとに出た。