Nさんと、ひさびさに、奥日光の山歩き。
今回は、以前歩いた二つのコースを、二日かけて、つなぐ計画を立てた。
この夏は、重荷を背負った山行きを何度か、こなしたので、少し慣れてはいたが、やはり荷が重いと、なかなかつらい。
西ノ湖入口からは、廃道とはいえ、林道歩きなので、らくなはずだが、前夜の睡眠不足もあって、かなりばてた。
ここで見た印象的なものは、カラマツ林の中の、カリガネソウの大群落。
むらさき色の不思議な花が、たくさん咲いているさまは、みごとだった。
道ばたの古い倒木に、黄色いきのこ。
遠くから見ると、古いマスタケのように見えたが、そばに行ってみると、新鮮なタモギタケだった。
これは、お昼のうどんの実が手に入ったと、ほくほくしながら、摘んでいった。
林道は、相変わらず荒れていたが、この2年間に、大きな崩壊はなかったようで、さほど危険な個所もなく、通過できた。
最後の水場は、広い平坦地で、水流も豊富だ。
ここで、タモギタケをたっぷり入れたつゆをつくって、ざるうどんのお昼にした。
林道終点からは、踏みあとの登りとなるが、思ったよりつらくなかったので、助かった。
シャクナゲの下生えにクロベ・コメツガの林立する樹林帯の中、登りついたところは、2077メートルピーク。
ここは、森林限界を少し超えていて、なかなか展望がよい。
すぐ北には、重厚な錫ヶ岳。
シャクナゲのヤブの向こうには、奥白根も、顔を出していた。
西側は、三林班沢源流の天然林が、すばらしい。
南は、今回の山行のメインとなる宿堂坊山。小さくて、地味なピークだ。
その先には、やはりNさんと登った三俣山。
皇海山は、見えなかった。
ヤブ尾根の中を、いくつかのピークを登下降して、ネギト沢源頭の鞍部についたのは、たぶん4時ごろだった。
今宵の晩ご飯は、樹林帯の中で見つけたマスタケに、わたしの畑でとれたピーマンを使った、油炒め。
マスタケが出てた
| 今宵のごちそう
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マスタケがとても新鮮だったため、とてもよくできたと思う。
テントに入って、酒を入れて歓談し始めたころ、雨がフライシートをたたいたが、さほどの降りにはならなかった。
ややガスのかかった翌朝は、ルリビタキやメボソムシクイのさえずりに目覚め、水場近くで入手した、これまた新鮮なマスタケを使って、炊き込みご飯を作った。
宿堂坊山までは、軽くひと登り。
地味な山なのに、山名板がにぎやかだった。
この山というか、このコースを愛する人が、意外に多いのだな、と思った。
ササに昨晩の雨がついていて、ズボンがずぶぬれになってしまったが、下山日だし、そのうち乾くだろうと、どんどん歩いた。
次のポイントは、三俣山への登りにかかる前の鞍部。
ここにも水場の表示があったが、ササが深いので、濡れを嫌って、見に行くのをやめた。
この山塊は、要所に、稜線からさほど下らないところに水場があるのが、ありがたい。
急登しばしで、お久しぶりの三俣山。
南から登りついたのと、なんとなく印象が違うのが、おもしろい。
この前は、初めてだったし、迷峰シゲト山の通過を前にして、緊張感もあったから、印象が違うのかも、しれない。
三俣山からは、南岸尾根に入り、まずはシゲト山をめざす。
わたしが先に立って歩き始めてすぐに、道をロスト。
これは、右折地点を見過ごしたため。
このあとしばらく、Nさんに先に行っていただいた。
しばしで、シャクナゲの密生した小ピーク。
ここから前回は、奥白根が見えたのだが、今回はガスで何も見えず。
それを下った鞍部は、ルート中最高に展望のよい場所で、皇海山の勇姿が、正面に見えるはずなのだが、今回は、ぼんやりとしか、見えなかった。
残念。
シゲト山を慎重に通過すると、あとは黒檜岳の登りだけ。
コメツガやシラベのヤブの中を、顔をひっかかれながら、すり抜けると、傾斜が弱まり、黒檜岳。
あとはもう、下るだけなので、ここでゆっくりした。
千手ヶ浜への下りにかかると、ハイカーがいて、たいへん騒々しく感じる。
ここからは、Nさんに先行していただいて、ウコンハツ(?)、キサマツモドキ、ヤマイグチ、クロチチタケ、キイボカサタケ、シロイボカサタケ、オオウスムラサキフウセンタケなど、きのこの写真を撮りながら下った。
千手ヶ浜のバス停に着いたのは、バスが来る10分前だった。