天気があまりよくなかったので、森の中の周回コースを歩いた。
休日の湯ノ湖には、釣り人が多い。
フライマン、ルアーマン、ボートから何本も置き竿を出しているマス釣り人など。
湖岸の周遊路を光徳方面に向かうと、アキノタムラソウ、ナギナタコウジュ、ヨメナなどが、めだたない花を咲かせていた。
車道を渡り、土砂に埋まった逆川沿いの道に入ると、ウラジロモミの二次林。
雨が降り始めたが、傘はまだ不要だった。
ひさびさに森の中を歩くので、とても気持ちがよかった。
周囲が開けると光徳沼と牧場。
観光客もちらほら歩いていた。
雨が少し強くなったが、牛たちは悠然と草を食んでいた。
このあたりはミズナラ林。
よく探すと、ヤマブシタケがいくつか出ているのが見つかった。
山王峠への緩やかな登りにかかると、カラマツ林。
ハナイグチやシロヌメリイグチがそこここに出ていて、楽しめた。
傾斜が出てくるとダケカンバ林。
教科書通り、ヤマイグチが出ていた。
コメツガが多くなったあたりで、涸沼下降点手前の広場。
ベンチがあったので、腰を下ろした。
傾斜がなければ、多少の雨でも、森を歩くのは楽しいものだと思った。
雨があがり、ササ原のむこうに、山王帽子山があらわれた。
車道を右に見て涸沼への急降下。
丸石を貼った階段が作られているのだが、すべりやすく、歩きにくい。
涸沼にはハイカーがたくさんおり、にぎやかだったので、通過。
再びコメツガ林に入る。
重厚ではあるが、十文字峠付近ほど、整った美しさはないと感じた。
切込湖の湖岸に着くと、於呂倶羅山が手強そうなヤブをまとって、そびえていた。
このあたりは、針葉樹林のきのこが見られるかと期待したが、知っているきのこはほとんどなかった。
刈込湖の西端でまた休憩し、湯元に向かう。
小峠への登りには、りっぱな木製の階段が多く、歩きやすいのはいいが、周囲の落ちついた風情とのバランスが非常に悪い。
林道あとまで登ったころに、再び雨が降り出した。
戻りついた雨の湯ノ湖には、釣り人の姿もまれだった。