雨の日は静かな森へ
−切込湖・刈込湖−

【年月日】

1998年9月15日
【同行者】 単独
【タイム】

湯元(7:40)−山王峠(10:00)−涸沼(10:30)−
刈込湖(11:20)−湯元(12:40)

【地形図】 男体山

静かな湖

 天気があまりよくなかったので、森の中の周回コースを歩いた。

 休日の湯ノ湖には、釣り人が多い。
 フライマン、ルアーマン、ボートから何本も置き竿を出しているマス釣り人など。

 湖岸の周遊路を光徳方面に向かうと、アキノタムラソウ、ナギナタコウジュ、ヨメナなどが、めだたない花を咲かせていた。

 車道を渡り、土砂に埋まった逆川沿いの道に入ると、ウラジロモミの二次林。
 雨が降り始めたが、傘はまだ不要だった。
 ひさびさに森の中を歩くので、とても気持ちがよかった。

 周囲が開けると光徳沼と牧場。
 観光客もちらほら歩いていた。
 雨が少し強くなったが、牛たちは悠然と草を食んでいた。

 このあたりはミズナラ林。
 よく探すと、ヤマブシタケがいくつか出ているのが見つかった。

 山王峠への緩やかな登りにかかると、カラマツ林。
 ハナイグチやシロヌメリイグチがそこここに出ていて、楽しめた。

 傾斜が出てくるとダケカンバ林。
 教科書通り、ヤマイグチが出ていた。

 コメツガが多くなったあたりで、涸沼下降点手前の広場。
 ベンチがあったので、腰を下ろした。
 傾斜がなければ、多少の雨でも、森を歩くのは楽しいものだと思った。

 雨があがり、ササ原のむこうに、山王帽子山があらわれた。
 車道を右に見て涸沼への急降下。
 丸石を貼った階段が作られているのだが、すべりやすく、歩きにくい。

 涸沼にはハイカーがたくさんおり、にぎやかだったので、通過。
 再びコメツガ林に入る。
 重厚ではあるが、十文字峠付近ほど、整った美しさはないと感じた。

 切込湖の湖岸に着くと、於呂倶羅山が手強そうなヤブをまとって、そびえていた。
 このあたりは、針葉樹林のきのこが見られるかと期待したが、知っているきのこはほとんどなかった。

 刈込湖の西端でまた休憩し、湯元に向かう。
 小峠への登りには、りっぱな木製の階段が多く、歩きやすいのはいいが、周囲の落ちついた風情とのバランスが非常に悪い。

 林道あとまで登ったころに、再び雨が降り出した。

 戻りついた雨の湯ノ湖には、釣り人の姿もまれだった。