暑くなったので、精米を兼ねて涼しいところに行こうとしたが、いろいろと手違いが多かった。
日曜日に集落の行事が入っていたので、土曜日に山行を計画したのだが、退勤後、疲れてしまって、もみの用意ができず、精米はできなくなった。
それでも、山に行ける時間に起きたので、ともかく出かけてみた。
追分宿郷土館の反対側にある広い駐車場からスタート。
浅間神社の境内に御岳山座王権現という石塔があったので、まずはお参り。
本殿は室町時代の創建とあったが、目の前の建物は拝殿なのか、そんな古いものには見えなかった。
堀辰雄記念館を過ぎ、別荘地の中を山の方へ歩いていく。
現住されている別荘もあるが、廃墟化した建物もおおかった。
しばしで登山口。
かつての駐車スペースは、ロープで封鎖されていた。
ここで登山届に記入。
登山道というより、スコリアの転がる平坦な散策路がいつまでも続く。
まわりはアカマツ混じりの雑木林。
足元には、ウメガサソウとクモキリソウが目立つ。
白花と紅花のイチヤクソウは、これからだ。
アオスズランもひと株だけ見たが、まだ咲いていなかった。
標高1130メートルの林道を渡ると、わずかに傾斜が出てくるが、周囲の風情はほぼ変わらない。
一度林道に出て再び山道に入るとまもなく、血の滝の分岐。
血の滝は、赤茶色の水が落ちていて、あまり美しくない。
滝そばの岩窟には、不動像が二体、祀られていた。
落ち口の上を木橋で渡り、アカマツの少なくなった雑木林を行くと、道ばたにケルン。
これが何を意味しているのかは、あとになってわかった。
すぐに血の池という道標のあるT字路。
ここは水源へとある右の道を行く。
水源は、岩の下から大量の赤い伏流水が吹き出している場所。
その先、登山道には、通行禁止を示すであろう柵がしてあったが、他になんの表示もないので、単なる倒木かと思って直進。
ここからは、地形図のルートとは大きく外れて、雑木林の長いトラバースになる。
小尾根をいくつも乗っ越すとようやく尾根らしい尾根に上がる。
そこから少し下ったところが、石尊平だった。
小広場に出るところには、この先危険につき立入禁止とあったが、それが何を意味しているのかは、よくわからなかった。
地形図をよく見ると、水源分岐を左に行けば、ここへ登り着くらしかった。
南へわずかに登っていけば、展望の広がる石尊山に着いた、
前方には軽井沢の市街地、背後には浅間山がそびえる。
ハクサンフウロ・シャジクソウ・アヤメなどが咲いていて、いいところであるのだが、日陰がなく暑い上、アブが多い。
腕にとまって吸血する獰猛なアブなので、腰を下ろすのがためらわれたが、ここまで3時間以上休まず来たので、大休止にしてザックを軽くしたい。
とりあえず腰を下ろすと、動かないものにはあまり関心がないのか、アブの攻撃はさほどひどくはなかった。
地形図だとここかに真東へ下山道が伸びているはずだが、道型は全く存在しない。
いずれ道が出てくると思って下り始めたが、相変わらず道は存在せず、ときおりトラバースの獣道が出てくるだけだった。
この道は完全に消えてしまったようだ。
単なるヤブ道であれば、特に問題ないのだが、一帯はアブの群生地で数十匹のアブが常にまとわりつき、激しく動いていても果敢にアタックしかけてきては、吸血する。
腕を振り回しながら沢状のところを下っていくと、赤茶色の湿地帯に下りつき、まもなく登りで見たケルンのところに出た。
廃道からずっとくっついて来たアブはまだまとわりついていたが、平坦な登山道に出ると、その数はかなり少なくなった。
石尊山は、アブ山だったのだ。
自動車のところにはお昼ごろには戻れた。
|