アブ襲撃
−石尊山−

【年月日】

2018年6月30日
【同行者】 単独
【タイム】

追分宿駐車場(6:16)−石尊山(9:37-10:07)−追分宿駐車場(11:55)

【地形図】 浅間山 ルート地図

 暑くなったので、精米を兼ねて涼しいところに行こうとしたが、いろいろと手違いが多かった。
 日曜日に集落の行事が入っていたので、土曜日に山行を計画したのだが、退勤後、疲れてしまって、もみの用意ができず、精米はできなくなった。
 それでも、山に行ける時間に起きたので、ともかく出かけてみた。

 追分宿郷土館の反対側にある広い駐車場からスタート。
 浅間神社の境内に御岳山座王権現という石塔があったので、まずはお参り。
 本殿は室町時代の創建とあったが、目の前の建物は拝殿なのか、そんな古いものには見えなかった。

 堀辰雄記念館を過ぎ、別荘地の中を山の方へ歩いていく。
 現住されている別荘もあるが、廃墟化した建物もおおかった。

浅間神社境内の石塔(大きな写真)
ウメガサソウ咲く(大きな写真)

 しばしで登山口。
 かつての駐車スペースは、ロープで封鎖されていた。
 ここで登山届に記入。

 登山道というより、スコリアの転がる平坦な散策路がいつまでも続く。
 まわりはアカマツ混じりの雑木林。
 足元には、ウメガサソウとクモキリソウが目立つ。

 白花と紅花のイチヤクソウは、これからだ。
 アオスズランもひと株だけ見たが、まだ咲いていなかった。

 標高1130メートルの林道を渡ると、わずかに傾斜が出てくるが、周囲の風情はほぼ変わらない。
 一度林道に出て再び山道に入るとまもなく、血の滝の分岐。
 血の滝は、赤茶色の水が落ちていて、あまり美しくない。

 滝そばの岩窟には、不動像が二体、祀られていた。

 落ち口の上を木橋で渡り、アカマツの少なくなった雑木林を行くと、道ばたにケルン。
 これが何を意味しているのかは、あとになってわかった。

クモキリソウ(大きな写真)
血の滝(大きな写真)

 すぐに血の池という道標のあるT字路。
 ここは水源へとある右の道を行く。

 水源は、岩の下から大量の赤い伏流水が吹き出している場所。
 その先、登山道には、通行禁止を示すであろう柵がしてあったが、他になんの表示もないので、単なる倒木かと思って直進。
 ここからは、地形図のルートとは大きく外れて、雑木林の長いトラバースになる。

不動像(大きな写真)
血の池(大きな写真)

 小尾根をいくつも乗っ越すとようやく尾根らしい尾根に上がる。
 そこから少し下ったところが、石尊平だった。
 小広場に出るところには、この先危険につき立入禁止とあったが、それが何を意味しているのかは、よくわからなかった。
 地形図をよく見ると、水源分岐を左に行けば、ここへ登り着くらしかった。

 南へわずかに登っていけば、展望の広がる石尊山に着いた、
 前方には軽井沢の市街地、背後には浅間山がそびえる。

アヤメ(大きな写真)
浅間山(大きな写真)

 ハクサンフウロ・シャジクソウ・アヤメなどが咲いていて、いいところであるのだが、日陰がなく暑い上、アブが多い。
 腕にとまって吸血する獰猛なアブなので、腰を下ろすのがためらわれたが、ここまで3時間以上休まず来たので、大休止にしてザックを軽くしたい。
 とりあえず腰を下ろすと、動かないものにはあまり関心がないのか、アブの攻撃はさほどひどくはなかった。

 地形図だとここかに真東へ下山道が伸びているはずだが、道型は全く存在しない。
 いずれ道が出てくると思って下り始めたが、相変わらず道は存在せず、ときおりトラバースの獣道が出てくるだけだった。
 この道は完全に消えてしまったようだ。

 単なるヤブ道であれば、特に問題ないのだが、一帯はアブの群生地で数十匹のアブが常にまとわりつき、激しく動いていても果敢にアタックしかけてきては、吸血する。
 腕を振り回しながら沢状のところを下っていくと、赤茶色の湿地帯に下りつき、まもなく登りで見たケルンのところに出た。

 廃道からずっとくっついて来たアブはまだまとわりついていたが、平坦な登山道に出ると、その数はかなり少なくなった。
 石尊山は、アブ山だったのだ。

 自動車のところにはお昼ごろには戻れた。