観音信仰の山
−閼伽流山−

【年月日】

2011年11月23日
【同行者】 単独
【タイム】

明泉寺駐車場(11:50)−閼伽流山(13:02)−明泉寺駐車場(14:04)

【地形図】 御代田 ルート地図

オオイタヤメイゲツ紅葉
路傍の千手観音

 前日が宴会だったので、遅出のスタートとなった。
 普通に走れたのに、登山口に着いたのはお昼だったが、お散歩コースなので、まったく問題ない。

 まずは、明泉寺を参詣。
 本堂らしき建物にはガラス戸が閉まっていて、賽銭箱は脇においてあり、どういう本尊なのかわからなかった。

 石段を下って少し手前に、閼伽流山のコース概要を記した看板があったので、そこから車道を歩き出す。
 すぐに、摂政宮行啓址という巨大な石碑。題字は清浦奎吾。山県有朋の側近で、大正時代にいわゆる超然内閣を組織して、デモクラシー運動によってあっという間に退陣に追い込まれた人物だ。

 その先から林道に入る。

 杉林と雑木林の道だが、道幅は狭く、落ち葉が散り敷いていて、軽自動車でも走行はきついだろう。
 散り残ったオオイタヤメイゲツが、美しく紅葉していた。

四本杉
秩父16番観音(大きな写真)

 そこここの道ばたに石仏や墓がおかれている。
 そのなかに、南朝忠臣香坂高宗という呆れるほど巨大な石碑もあった。

 落ち葉が次第に厚みを増す中を歩いて行くと、七合目の広場。
 その先のゲートは閉まっているので、ここまで一般の自動車で来ることもできるようだ。

 さらに行くと、左手に岩壁が見えてきて、四本の大杉の間を通る。
 そばまで来るとなかなか大きな木だ。

秩父札所34観音が並ぶ
こちらは西国33観音

 林道の終点には、鐘楼・観音堂・公会堂・トイレなどの建つ一角。
 背後には、立派な垂壁が屏風のようだ。
 垂壁の割れ目からは微量の水がしみ出しており、それが閼伽流山の山名の由来となったものと知れた。

 岩壁の岩根には、坂東三十三、秩父三十四、西国三十三の観音石仏がずらりと並んでいて、壮観だった。
 ここも明泉寺の伽藍の一部なのかどうか、よくわからないが、この一角だけは地元信仰者の手で維持されているように見えた。
 百観音以外にも石仏や石造物があったが、風化がかなり進んでいた。

仙人ヶ岳からの展望
落葉した雑木林

 観音堂の先に道標があって、芭蕉句碑と野点所跡(仙人ヶ岳)と記されていた。

 野点所跡はちょっとした岩峰で、佐久盆地が一望でき、感じのよいところだ。
 ここにも摂政宮殿下御登臨之處というでかい碑が立っていた。
 即位前の昭和天皇がここに来たことは、この村にとって、よほどのことだったのだろう。

引っかかったヤマブドウ(大きな写真)
ガマズミ実る(大きな写真)

 山頂へは、消え消えの踏み跡をたどるとすぐで、雑木林に囲まれた一角に、「城跡」と掘られた石碑が立てられていた。
 ここは戦国時代、武田信玄に属した香坂氏の山城だったらしい。

 展望もないので、ヤマブドウやガマズミを拾いながら、来た道を戻った。