奥武蔵低山めぐり
- 天覚山から羊山まで -

【年月日】

2016年10月14日
【同行者】 単独
【タイム】

東吾野駅(5:39)−天覚山(6:44-6:49)−大高山(8:01-8:08)−板屋の頭(9:19-9:28)
−子ノ権現(10:24-11:10)−ナローノ高畑山(12:44-12:59)−名郷(14:09)
−妻坂峠(15:26)−一の鳥居(15:53-15:58)−横瀬駅(17:07)−羊山公園(17:20)

【地形図】 飯能 原市場 正丸峠 武蔵日原 秩父 ルート地図(マウスホイールで拡大・縮小)

 東吾野駅に降りたときには、まだ暗かった。
 道標に従って踏切を渡り、山に向かって歩き出すとすぐに明るくなった。

 住宅地の中に、手製の道標がある。
 しばらく行くと、沢道と尾根道の分岐。
 28年前にこの分岐はなかったと記憶する。

コウヤボウキ(大きな写真)
コウヤボウキ(大きな写真)

 その時には地形図に記載のある沢道を下ってきたので、この日は尾根道を行った。
 この尾根道は、奥秩父線の送電鉄塔巡視路を利用して作られたようだ。
 なかなか急なところもあるが、すぐに天覚大明神のあった広場。

 以前は立派な神社があったのだが、今は小さな石碑が残っているだけだった。
 そのすぐ上が天覚山。

カラカサタケ(大きな写真)
コウモリタケ(大きな写真)

 川越から奥多摩方面が伐られているが、雲が多い。
 ひと休みして、大高山へ向かう。

 植林地の中を坦々と登下降していく。
 足元にはコウヤボウキが花盛りだ。

茶の花(大きな写真)
茶の花(大きな写真)

 植林地なのに、お茶の木が植えられていて、これまたたくさんの花が咲いていた。
 かつてこの尾根付近は、お茶畑だったのだろう。  大高山手前の大木は、オオモミジらしい。
 ピークでまた小休止。

 車道を渡ると、前坂の交差点。
 ここからは、「スルギ・子の山へ」と書かれた古い道標に従って、踏みあとのやや薄い、スルギ尾根に入る。

 すぐに一軒家を見て、車道に出る。
 採石場で重機が動く音がうるさい。
 キワダ坂先で山道に入り、板屋ノ頭先でまた休む。

 9時を回ったところだが、今日はどこまで行けるだろうか。
 伊豆ヶ岳から吾野へ下るか、名郷からバスに乗って飯能へ下るか、はたまた別のコースを下るか、まだ決めていなかった。

センブリ(大きな写真)
センブリ(大きな写真)

 六ツ石ノ頭を過ぎると、小ピークにがらんどうの小祠。
 神体はどこか、里に降ろされたのだろうか。

 スルギという道標の建つところには、ちゃんと供養されてる墓地がある。
 見晴らしのよいところに墓地を作ったが、杉が育って、暗いところになってしまったのだろう。

オオモミジ大木(大きな写真)
大高山の石祠(大きな写真)

 ゆるい登りに転じると、子の権現に着いた。
 あずま屋の建つ小ピークで小休止。
 朝が早かったので、やや眠くなってきた。

子鹿(大きな写真)
ヤマザクラ大木(大きな写真)

 ザックを軽くして境内を抜け、伊豆ヶ岳への道に入ると、人を恐れない子鹿が道をふさいでいた。
 ことによると、ハイカーが餌でも与えているのだろうか。

大日如来(大きな写真)
子ノ権現から望む伊豆ヶ岳(大きな写真)

 天目指峠には、杉とコナラの大木があり、それぞれ根元に石祠が祀られている。
 コナラは、なかなかの大木だった。

天目指峠の石祠(大きな写真)
天目指峠の大コナラ(大きな写真)

 さらに少しずつ高度を上げ、安曇幹線339号鉄塔の手前は、樅の大木が立ち並ぶ。
 鉄塔の周囲の雑木林は伐られて、コナラが転がしてあった。
 送電線撤去作業のために伐ったのだろうが、コナラをどうにか使えないものか。

根の道(大きな写真)
モミ大木(大きな写真)

 ナローノ高畑山で少し多めの小休止。
 そのすぐ先が337号鉄塔への分岐となる。
 こちらの巡視路はどうなっているかと思い、鉄塔へ寄り道。
 336号への道を示す黄色いプラ杭は立っていたが、道は消滅していたので、もとの分岐に登り返した。

モミ大木の道(大きな写真)
切り捨てて植える(大きな写真)

 名郷への道はやはり、先日通った336号へ下る踏みあとしかなさそうなので、そのルートを下った。
 名郷のバス停に着いてみると、次のバスまで30分くらいだったが、妻坂峠を越えてみたことがないので、休まず直進した。

 日没が気になってきたが、妻坂峠に15時半ならば問題ないと考え、とりあえず先を急いだ。
 名郷からの車道はずいぶん、長い。
 地形図にある、山中という集落はすでに、消滅しているように見えた。

 車道の終点から、峠道に入る。
 由緒ある道のはずだが、通る人がいないせいで、いくらか荒れていた。
 ジグザグになって間もなく、妻坂峠に登りついた。

コシオガマ(大きな写真)
妻坂峠(大きな写真)

 峠の地蔵様の覆屋はなくなって、石像がむき出しになっていた。
 これも、峠の衰退を物語っており、悲哀を感じさせた。
 多少疲れてはいたが、休まず生川へ下る。

一の鳥居(大きな写真)
日没(大きな写真)

 生川への下りはハイカーによく踏まれており、以前よりむしろしっかりした感じだった。
 以前にはなかった林道を渡るとやはり、荒れたところもあったが、すぐに一の鳥居着。
 ここからは車道なので、鳥居の前で小休止。
 最後の武甲山登山者が自動車で降りていった。

 あとは、横瀬駅まで約1時間、羊山公園の駐車場までさらに約30分の歩きだった。