ほぼずっと植林
−臼入山−

【年月日】

2011年2月19日
【同行者】 Uさん
【タイム】

東秩父村役場前(7:51)−奥沢神社奥宮(8:24)−臼入山(8:41-8:45)
−烏森山(9:26)−官ノ倉山(9:52-10:14)−石尊山(10:27)
−小川町駅(11:50)

【地形図】 安戸 寄居 ルート地図

奥沢神社里宮
ヤブツバキ(大きな写真)

 奥沢神社の里宮わきが登山口となる。
 最初からほぼずっとスギの植林地を行く。

 傾斜はゆるいので、のんびり歩きなのだが、花も展望もないので、興趣がまったくない。
 そんな中、途中、一輪だけ咲いていたツバキが、とても鮮やかだった。

 ひと登りしたところが奥宮。
 しっかりした覆屋があって、よく管理されていた。

 少し下って、ゆるく登ったところが、臼入山だった。
 樹林越しの展望が、西側だけ開けていて、登谷山や皇鈴山が見えていた。

 東への縦走路に入るが、植林ばかりで、相変わらず見るものがない。
 低山なので、アオキ・ヒサカキ・アセビなどが下生えで、カシ類も多いのだが、空の見えない山というのは、楽しくない。

 烏森には石祠。
 その先、ケヤキの大木下にも壊れた石祠。
 太いヤマザクラが、放任されている。

 官ノ倉峠から道が広くなって、すぐに官ノ倉山。
 20年前に来たときには樹林に囲まれた山頂だったが、今は広く伐開されて北側の展望が開けていた。

 展望がよいのはけっこうなことだが、ここで伐られていたのは主に、ヤマザクラやコナラなどの雑木だった。
 せっかく伐り残された雑木林を伐らなくてもよさそうなものだが、無意味なことだ。

臼入山から二本木峠
官ノ倉山から谷川連峰

 この日は小川町に下りるので、ひと休みしたあと、すぐ東の石尊山へ向かう。
 こちらには立派な祠があって、やはり好展望。

 南東への道が見当たらなかったので、そのまま北向不動方面へ下る。
 急な尾根から小沢に下り、しばらく行くと、北向不動。
 この日のコースで一番面白かったのは、ここだった。

 道わきの斜面に、覆屋に入った不動の石像。
 かなり風化が進んでいた。

コウヤボウキ(大きな写真)
北向不動の三十六童子の一つ(セイタカ童子)

 岩を削って作られた階段上にはコンクリート製の覆屋つきの小さな神社。
 神仏が混交していたころの遺物なのだろう。
 覆屋の裏には、ちょっと新しそうな不動像もあった。

 参道一帯には、三十六童子の石碑が林立する。
 里修験は、修験道の各種カテゴリーを駆使しながら、独自の教説を展開していたものと思われる。

北向不動前の線刻不動(大きな写真)
北向不動前の木の樋

 石尊山という山が、関東平野周縁部にたいへん多い。
 本社は大山阿夫利神社で、旧名は大山寺。
 雨を支配するタカオカミ神を祀っており、雨乞いに験があるとする。

 不動像前の小沢には、木をくりぬいて作られた樋があって、水が流れていたが、その水はただ単に沢に落ちるだけなので、どういう意味があるのか、よくわからない。
 ひょっとすると、樋の落ち口が行場になっているのかもしれないが、現在、水行をする人はいないのではないかと思う。

 沢の対岸には、線刻の不動像があって、それはなかなか立派なものだった。

 林道を行くと、笠原集落。
 小沢の流れを使って長らく、谷津田を作ってきたところなのだろうが、荒れた田が多かった。
 小川町駅までは、まだしばらく歩かねばならなかった。