ヤマホロシの実
| セキヤノアキチョウジ
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有間林道は滝ノ入沢出合で通行止めのチェーンがかかっていたので、ここから歩き始め。
道ばたには、セキヤノアキチョウジ・アキノタムラソウ・ナギナタコウジュ・アブラギク・ノコンギクなどが咲いており、ヤマホロシの赤い実が鮮やかだった。
歩き始めてすぐに、林道大崩壊箇所。
ここは少し、慎重に行くが、釣り人の踏みあとはできていた。
その先は、大小の落石や倒木があるが、道そのものは通行可能だった。
周囲のスギ林に手は入っているが、この春に倒れたと思われる倒木がそのままになっているので、荒れた感じがするし、木の価値も下がろうというものだ。
小1時間ほど歩いて、大名栗林道を渡る。
ここから砂防堰堤を3基、越える。
ここにも釣り人によると思われる踏みあとがあるので、助かる。
チャナメツムタケ
| スズタケは枯れた
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最後の堰堤の先が仁田山方面と日向沢ノ峰方面との分岐。
古い道標はあるが、あまり信用できそうに思えないほど、頼りない。
ここは、仁田山方面に向かう。
踏みあとは消え消えだが、青や赤のテープが多いので、倒木を避けながらもコースをはずさずに登っていける。
下部の沢筋では不鮮明だった道も、急斜面をジグザグに登るあたりからはっきりしてき、尾根に登れば普通の登山道同然となった。
チャナメツムタケやニカワハリタケが出ていたので、いくつか摘んでいった。
足元にゴミが目立ってくると、バイクの音が聞こえてき、日向沢林道に出た。
道路の反対側は、吹付け処理したのり面で登れないのだが、左側のガケの縁を慎重に登って尾根に戻った。
仁田山南の登山道までは、すぐだった。
ここを歩くのは21年ぶりだ。
かつては、どうしようもないほど深いスズタケのヤブに埋もれていたが、スズタケは枯れ尽くし、数年後にはすっきりした雑木林になるのではないかと思われた。
若ブナの道
| クマシデの果穂
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仁田山はピークを確認しただけですぐに引き返し、日向沢ノ峰に向かう。
尾根と並行する日向沢林道は、行き止まりのはずだが、バイクや自動車が走っていた。
あの人々は、なんのために山中の林道を走っているのだろうか。
51号鉄塔の先で、道が3つに分かれる。
左が50号、右が52号に行く道で、真ん中が日向沢ノ峰に行く道だ。
紅葉始まる雑木林(大きな写真)
| カバイロツルタケ老菌
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ブナの黄葉はまだだが、足元には、カエデ類の紅い落ち葉が美しい。
クマシデは果穂をぶら下げ、アセビは来年の花芽をたくさんつけていた。
このあたり一帯には、ドクベニタケがたくさん出ていて、なかなかみごとだった。
ゆるやかに登って都県境の防火帯。ここはいつ来ても、気持ちのよいところだ。
ウリハダカエデやオオカメノキの落ち葉を踏みながら、しばし行くと棒ノ折山の分岐。
ここには、ガランドウになったミズナラの大木がある。
日向沢ノ峰南峰はそのすぐ上だった。
天気はいまひとつだったものの、南峰からは、富士山、御前山、雲取山、天祖山、芋の木ドッケなどが望まれた。
富士山が見えるとは期待していなかったので、もうけたような気分だった。
ピークの南側には、リンドウも咲いていた。
日向沢ノ峰南峰から富士山(大きな写真)
| 日向沢ノ峰南峰から雲取山
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分岐に戻り、長尾ノ丸への下りにかかる。
雑木のところはそれほどでもないが、ヒノキの植林帯は、ひどい急下降で、ここを登るのは大変だと思われたが、途中、何ヶ所かでクリタケの群生が見つかったので、クリタケを摘みながら下ることができた。
途中、「有間山」と書かれたか細い分岐を見る。
これは、51号先の分岐につながっているのかもしれない。
ここは稜線の雑木を巻き枯らしで除去していて、ちょっとふれると倒れそうな木も何本かあった。
巻き枯らしは手間を省くためだが、ハイカーが下敷きになる恐れもあり、危険だと思う。
前方に鉄塔が見えてきた鞍部に、有間ダムへの道標。ここが下降点だ。
踏みあとは薄いが、ここにも仁田山同様の目印がついているので、迷うところはない。
ヒラタケの出た枯れ木などもあったので、紅葉し始めた雑木林は、よく探せばクリタケなどが見つかりそうな雰囲気だった。
サワグルミ
| クリタケ1
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しばし下って、左へのトラバース。
ここには、イヌブナやブナの大木があって見ごたえがあった。
どんどん下っていくと、水流が出てきて、まもなくちゃんとした水場。
登ってくれば、ここが最後の水場だ。
植林とサワグルミ林をどんどん下るが、けっこう長い。
下降点からハイペースだったにもかかわらず、1時間半ほどかかって、朝に通った仁田山分岐。
あとはのんびり、来た道を戻るだけだった。
有間林道は車両通行止めという看板とゲートが作ってあるのだが、倒木と落石だらけのこの道を、赤い自動車が下ってきた。
倒木が車体を引っかく音を響かせながら下っても、道路は下部で完全に崩壊しているのだから、絶対に通れない。
渓流釣りのシーズンは終わったし、林道の近くにきのこの出そうなところもない。
この人たちが何を考えているのか、本当にわからない。
きのこがたくさんとれたので、満足した思いで、のんびりと下った。
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