秋の里山
−有間谷から日向沢ノ峰−

【年月日】

2010年10月24日
【同行者】 単独
【タイム】

滝ノ入沢出合(8:25)−大名栗林道(9:24)−仁田山分岐(9:31)
−日向沢林道(10:07)−仁田山(10:16)−51号鉄塔(10:44)
−日向沢ノ峰南峰(11:17)−下降点(11:46)−最終水場(12:05)
−仁田山分岐(12:20)−滝ノ入沢出合(13:02)

【地形図】 原市場 武蔵日原 ルート地図

ヤマホロシの実
セキヤノアキチョウジ

 有間林道は滝ノ入沢出合で通行止めのチェーンがかかっていたので、ここから歩き始め。
 道ばたには、セキヤノアキチョウジ・アキノタムラソウ・ナギナタコウジュ・アブラギク・ノコンギクなどが咲いており、ヤマホロシの赤い実が鮮やかだった。

 歩き始めてすぐに、林道大崩壊箇所。
 ここは少し、慎重に行くが、釣り人の踏みあとはできていた。

 その先は、大小の落石や倒木があるが、道そのものは通行可能だった。
 周囲のスギ林に手は入っているが、この春に倒れたと思われる倒木がそのままになっているので、荒れた感じがするし、木の価値も下がろうというものだ。

 小1時間ほど歩いて、大名栗林道を渡る。
 ここから砂防堰堤を3基、越える。
 ここにも釣り人によると思われる踏みあとがあるので、助かる。

チャナメツムタケ
スズタケは枯れた

 最後の堰堤の先が仁田山方面と日向沢ノ峰方面との分岐。
 古い道標はあるが、あまり信用できそうに思えないほど、頼りない。
 ここは、仁田山方面に向かう。

 踏みあとは消え消えだが、青や赤のテープが多いので、倒木を避けながらもコースをはずさずに登っていける。
 下部の沢筋では不鮮明だった道も、急斜面をジグザグに登るあたりからはっきりしてき、尾根に登れば普通の登山道同然となった。

 チャナメツムタケやニカワハリタケが出ていたので、いくつか摘んでいった。

 足元にゴミが目立ってくると、バイクの音が聞こえてき、日向沢林道に出た。
 道路の反対側は、吹付け処理したのり面で登れないのだが、左側のガケの縁を慎重に登って尾根に戻った。
 仁田山南の登山道までは、すぐだった。

 ここを歩くのは21年ぶりだ。
 かつては、どうしようもないほど深いスズタケのヤブに埋もれていたが、スズタケは枯れ尽くし、数年後にはすっきりした雑木林になるのではないかと思われた。

若ブナの道
クマシデの果穂

 仁田山はピークを確認しただけですぐに引き返し、日向沢ノ峰に向かう。
 尾根と並行する日向沢林道は、行き止まりのはずだが、バイクや自動車が走っていた。
 あの人々は、なんのために山中の林道を走っているのだろうか。

 51号鉄塔の先で、道が3つに分かれる。
 左が50号、右が52号に行く道で、真ん中が日向沢ノ峰に行く道だ。

紅葉始まる雑木林(大きな写真)
カバイロツルタケ老菌

 ブナの黄葉はまだだが、足元には、カエデ類の紅い落ち葉が美しい。
 クマシデは果穂をぶら下げ、アセビは来年の花芽をたくさんつけていた。
 このあたり一帯には、ドクベニタケがたくさん出ていて、なかなかみごとだった。

 ゆるやかに登って都県境の防火帯。ここはいつ来ても、気持ちのよいところだ。
 ウリハダカエデやオオカメノキの落ち葉を踏みながら、しばし行くと棒ノ折山の分岐。
 ここには、ガランドウになったミズナラの大木がある。

落ち葉の道(大きな写真)
ガランドウのミズナラ(大きな写真)

 日向沢ノ峰南峰はそのすぐ上だった。
 天気はいまひとつだったものの、南峰からは、富士山、御前山、雲取山、天祖山、芋の木ドッケなどが望まれた。
 富士山が見えるとは期待していなかったので、もうけたような気分だった。
 ピークの南側には、リンドウも咲いていた。

日向沢ノ峰南峰から富士山(大きな写真)
日向沢ノ峰南峰から雲取山

 分岐に戻り、長尾ノ丸への下りにかかる。
 雑木のところはそれほどでもないが、ヒノキの植林帯は、ひどい急下降で、ここを登るのは大変だと思われたが、途中、何ヶ所かでクリタケの群生が見つかったので、クリタケを摘みながら下ることができた。

リンドウ(大きな写真)
大ブナ

 途中、「有間山」と書かれたか細い分岐を見る。
 これは、51号先の分岐につながっているのかもしれない。

 ここは稜線の雑木を巻き枯らしで除去していて、ちょっとふれると倒れそうな木も何本かあった。
 巻き枯らしは手間を省くためだが、ハイカーが下敷きになる恐れもあり、危険だと思う。

 前方に鉄塔が見えてきた鞍部に、有間ダムへの道標。ここが下降点だ。

 踏みあとは薄いが、ここにも仁田山同様の目印がついているので、迷うところはない。
 ヒラタケの出た枯れ木などもあったので、紅葉し始めた雑木林は、よく探せばクリタケなどが見つかりそうな雰囲気だった。

サワグルミ
クリタケ1

クリタケ2(大きな写真)
クリタケ3(大きな写真)

 しばし下って、左へのトラバース。
 ここには、イヌブナやブナの大木があって見ごたえがあった。

 どんどん下っていくと、水流が出てきて、まもなくちゃんとした水場。
 登ってくれば、ここが最後の水場だ。

 植林とサワグルミ林をどんどん下るが、けっこう長い。
 下降点からハイペースだったにもかかわらず、1時間半ほどかかって、朝に通った仁田山分岐。

ヒラタケ(大きな写真)
ヤマトリカブトももう終わり

 あとはのんびり、来た道を戻るだけだった。
 有間林道は車両通行止めという看板とゲートが作ってあるのだが、倒木と落石だらけのこの道を、赤い自動車が下ってきた。
 倒木が車体を引っかく音を響かせながら下っても、道路は下部で完全に崩壊しているのだから、絶対に通れない。
 渓流釣りのシーズンは終わったし、林道の近くにきのこの出そうなところもない。
 この人たちが何を考えているのか、本当にわからない。

 きのこがたくさんとれたので、満足した思いで、のんびりと下った。