四寸道再び
- 黒山から高山不動 -

【年月日】

2009年12月26日
【同行者】 単独
【タイム】

熊野神社前(7:31)−横吹峠(7:58)−巨杉(8:30)
−奥の院(9:36)−高山不動(9:58)−間野分岐(10:37)
−三社峠入口(10:59)−三社峠(11:14)−西吾野駅(11:46)

【地形図】 正丸峠 越生 ルート地図

黒山熊野神社
柚子の里

 越生駅から黒山行きのバスに乗るのだが、熊野神社をじっくり見たいので、「神社前」のバス停で下りた。
 本殿は最近の再建だが、鳥居わきの杉はなかなか立派だった。

 少し戻って、「火の見下」バス停のわきから龍隠寺への道標に従って、北への道に入る。
 あたりはずっと柚子園で、どこにも鈴なりの柚子ができているが、こんなに大量の柚子をいつ収穫するのかと思ってしまう。

 横吹峠には四寸道入口を示す、小さな道標がある。
 この道は、ピークはほとんど巻いて通る、歩きやすい道だから、最近できた登山道ではない。
 しかし、石造物はほとんど見あたらないから、生活の道・信仰の道でもなさそうだ。

 三角点とその次のピークを巻き過ぎると、植林地の中に杉の巨木。
 ちょっと荒れた里山で見る樹型や大きさではないので、度肝を抜かれる。

巨杉(大きな写真)
馬頭尊

 車道に出てすぐにまた尾根に戻るが、再び車道に出てからは、しばし山腹の林道を行く。
 道が南にカーブするあたりが尾根への登り口だが、手製の道標も消えかけているので、ややわかりづらい。

 道わきに寛政10年の馬頭尊。
 これは、18年前には見逃していた。
 「施主 岩田権之進」とあるので、高山の人だろうか。

 道がその名にふさわしく狭くなると、尾根の上。
 花立松峠方面と奥ノ院との分岐だ。
 奥ノ院まではすぐだった。

 新しげなお堂の中を覗いてみると、線刻された不動の石像が置かれていた。
 この日、晴れてはいたが、靄がかかっていて、あまり遠くは見えなかった。

 お堂の前には「皇紀二千六百年記念」と彫られた石祠がおかれていた。
 高山不動は寺院だから、祠を建てるのはおかしいような気がする。
 そもそも、時流に便乗した石造物など、意味が感じられない。

奥の院の石祠
不動堂(大きな写真)

 奥ノ院から下っていくと、高山の集落。
 高山不動の門前村だが、今、ここで暮らすのは大変だ。

 不動堂は、少し下にある本堂(常楽院)よりはるかに立派な建物だった。
 江戸時代末の建築だが、どっしりしており、いかにも風格がある。

石仏
高山不動の大イチョウ(大きな写真)

 石段を下ったところには、イチョウの巨木。
 この木が存在するというだけで、高山不動が古い密教寺院だということがわかる。
 ちなみに、こちらは慈光寺とは異なり、真言密教のお寺である。
 石の不動像がおかれていたが、役の行者らしき像は、見あたらなかった。

 西吾野へという道標に従って、西への尾根に入る。
 間野への道が一般的だが、今回は地蔵の石像の立つ萩ノ平から「パノラマコース」を下る。
 パノラマコースと言っても、ずっと植林の中で、展望は皆無だ。

間野分岐の石地蔵
三社峠の道標

 すぐに車道に出るが、しばらくで三社峠の入口。
 手製の小さな道標があり、つい最近、刈り払われたばかりのようだ。

 三社峠は十字路になっていて、古い石の道標があり、「右 たかやまミち」と読める。
 西へ登っていくのが西吾野への近道だが、せっかくなので直進して、峠道を下る。
 車道に出たところが奥武蔵あじさい館の前だったので、西吾野へは少々の歩きとなった。