役の行者に会いに
- 大平山からユガテ -

【年月日】

2009年12月13日
【同行者】 単独
【タイム】

黒山(9:45)−見晴台分岐(9:59)−役行者像(10:47)
−黒山分岐(10:51)−傘杉峠分岐(11:03)−顔振峠(11:18)
−諏訪神社(11:42)−越上山(12:00)−桂木分岐(12:20)
−間野分岐(12:39)−エビガ坂(12:53)−スカリ山(13:03)
−エビガ坂(13:09)−ユガテ(13:20)−東吾野駅(14:10)

【地形図】 原市場 正丸峠 越生 飯能 ルート地図

前鬼(大きな写真)
後鬼(大きな写真)

 5時半過ぎの電車に乗り遅れたので、黒山出発が2時間近く遅れてしまった。
 黒山は小さな温泉街だが、泊まるほどではない上、日帰り入浴料金が高いので、どんなお湯なのかまだ知らない。
 紅葉シーズンも終わったので、観光客もおらず、これでは商売になるまいと思われる。
 三滝も観光スポットだが、水量が少ないので、今ひとつ興趣に欠ける。

 見晴台の分岐を右に見る。
 たぶんこれは、昔歩いた四寸道だろう。
 またいつか、歩いてみたい。

 傘杉峠への道標に導かれて、橋を渡り、左への山道に入る。
 分岐がいくつも出てくるが、最も踏まれた道を行けば間違いはない。

 大平山へは役の行者と書かれた分岐を左に入り、しばらく小沢沿いに行って尾根に上がる。
 さしたる登りもなく、ベンチのおかれたちょっとした広場に役の行者像があった。

 3種類ほどの樹が合体した怪異な大木の前に行者像があり、手前に前鬼と後鬼像が控えている。
 後鬼のわきには不動像、前鬼のわきにも別の石仏があって、役者はそろっている。
 石像群の配置された壇の右には、何基かの石塔がある。

 石像群の由来の書かれた石碑によるとこれらは、元治年間に建てられたものらしい。
 奥武蔵一帯における、竹寺・子の権現・高山不動・大平山・慈光寺という修験寺院のネットワークが見えてきたような気がする。

昭和6年の丁目石
諏訪神社のアカガシ(大きな写真)

 大平山の山頂をいつの間にか巻いて過ぎると、南から黒山へ下る道が分岐する。
 そのあたりまで来ると早くも、グリーンラインを爆走するバイクの音が聞こえてくる。

 尾根を越えると車道に出てしまうので、しばらくは車道を行くしかない。
 顔振峠にはハイカーがたくさんたむろしていて、茶店も賑わっていた。
 雲がやや多く、富士山までは見えなかったが、武甲山、武川岳、有間山から御前山、大岳山あたりまでがよく見えていた。

 この道路沿いには洋風茶店が2軒もあったが、営業的に成り立つのだろうか。

 諏訪神社の入口から再びヒノキ林に入る。
 水平なトラバース道なので歩きやすい。
 昭和初年に建てられた丁目石が置かれていて、これが諏訪神社の参道だったことがわかる。

 諏訪神社は尾根上にあるにもかかわらず、広い境内を持つ立派な神社だった。
 本殿の裏にそびえるアカガシの大木が印象的だ。

 大木の前にあった記念碑も東郷平八郎の題字で、すぐわきには、どこかの戦争で得られたものと思われる砲弾が祀られていた。
 これらの砲弾は、海軍省あたりから配布されたものと思われるが、どのような歴史的な流れがあるのか、興味をそそられた。

諏訪神社
ヤブコウジ輝く

 越上山への分岐まではすぐ。
 このあたり、完全に整備された登山道なのに、目印ひもがうるさい。
 山頂の手前一ヶ所から越生方面への展望が開けたが、いつの間にかずいぶん、曇ってしまった。

 一本杉峠のT字路で車道を渡るとすぐに、桂木への分岐、さらに獅子ヶ滝への分岐を分ける。
 登山道は、グリーンラインとつかず離れずの尾根につけられているので、自動車の音が近い。

 鎌北湖への分岐・間野集落への分岐を分けると、車道から離れてエビガ坂。
 ここはとりあえず、スカリ山へ向かってみたが、前衛ピークをスカリ山と勘違いしたため、三角点へは行かなかった。

 エビガ坂に戻ってゆるく下ると、ユガテ。
 ここにも多数のハイカーが憩っていた。
 以前より、ミカンやユズの木が増えた感じがする。
 ズベミカンと福ミカンを1袋ずつ買って、直進。

伐り残されたモミ大木
クサイチゴの花

 ここからは虎秀に下りるのが通常のコースだが、今まで通ったことのない尾根コースが作られていたので、そちらに入った。
 ずっと植林の中だが、尾根上を行くので、下り一方でなく、ときおり登りも出てくる。
 明るい尾根には、ヤブコウジの実が美しい。
 モミの大木が数本、伐り残されているのが目を引いた。

 電車の音が聞こえてくると、眼下に東吾野の市街が見えてくる。
 カエデなどが植えられたジグザグ道を下っていくと、クサイチゴの花が咲いていた。
 この寒い中、これだけの花が見られただけでも、得をした気分だ。

フユイチゴが多い
フィナーレは吾那神社

 フユイチゴの実も多く、丹念に摘めば少々のジャムができそうなくらいだ。
 下り着いたところは吾那神社。
 駅はそのまん前だった。