初秋のお寺めぐり
- 竹寺から子の権現 -

【年月日】

2009年10月11日
【同行者】 単独
【タイム】

中沢バス停(6:58)−竹寺(7:44-8:00)−鐘楼堂分岐(8:13)
−豆口峠(8:25)−子の権現(9:16-10:00)−吾野駅(11:20)

【地形図】 原市場 正丸峠 ルート地図

竹寺のコウヤマキ
石仏群(大きな写真)

 中沢でバスを降りると、まだ中秋なのに、底冷えがする。
 サラシナショウマがさかんに咲いているが、沢沿いの車道は、まるで晩秋のように寒い。

 「神仏混淆」と大書した竹寺への案内看板に従って歩いていくと、ヘアピンカーブで高度を上げて、竹寺の境内に着く。
 朝まだ早いので、境内には、人の気配がない。

 広大な境内には、各種の仏堂があり、それぞれが興味深い。
 庫裏らしき建物のわきにはコウヤマキの大木があり、その裏手にもイチョウの大木があった。

 味わい深い石仏を見ながら、わらでできた大きな輪っかをくぐり、石段を登っていくと茅葺き屋根の本堂だが、狛犬がおかれ、正面の額には、牛頭天王と書いてある。
 これはもう、どう見ても神社に他ならないから、面白い。

竹寺本堂
植林の道(大きな写真)

 子の権現へは、本堂の裏手を登っていく。
 ここからはおおむねスギの植林地だから、林内は薄暗い。
 ときおり、大きなスギも混じるが、その数は多くない。
 野菊やアキノキリンソウが、気息奄々ながら、咲いていた。

 鐘楼堂の分岐を過ぎると豆口峠。
 ここは村境で、神送り場とも言われていたという、説明板が建てられていた。
 三角屋根の小屋掛けは、林内作業用だろう。

道ばたの大樅
アキノキリンソウ

 相変わらず暗い林が続くが、道は尾根通しでなく、巻き気味につけられているので、歩くにはらくだ。
 大きなモミの木もあるが、きのこは全く出ていなかった。

 雑木林になると、伊豆ヶ岳への縦走路に出る。
 しばらく行ったところが子の権現の裏口で、伊豆ヶ岳が望める林道終点だった。

 住職のお宅のような家の脇から庫裏の裏を通っていくと境内の一角で、庫裏の茅葺き屋根がとてもみごとだ。
 まずは、本堂へ。

 本堂は全焼後、再建されてまだ日が浅いから、立派な建物ではあるが、味わいにはやや欠ける。
 金色の草鞋は以前も見たが、二足の大下駄は初めて見たような気がする。

 本堂の裏に閻魔堂と地蔵堂。
 狭いお堂の中に鎮座する閻魔様は、怖いというより凛々しい顔をしていた。

 少し登ると鐘楼と観音堂で、好展望。
 観音堂の扉は閉じられていたが、堂前に、観音らしき石仏が建てられていた。

天竜寺鐘楼
天竜寺の庫裏

 この日は裏口から入ってきたので、境内を一回りしたのち、オレンジ色の仁王像の前を通って山門をくぐる。
 その先が、門前の土産物屋だが、品揃えにもう少し工夫すればよいのにと感じざるを得ない。

 土産物屋わきの二本杉のうち、一本は枯れてしまい、元気なのは太い方の一本だけとなっていた。

 打木村治文学碑に登るところにも、石像があるが、何の像だかよくわからない。
 かぶりものからしてひょっとすると、役の行者かも知れない。

 センブリがちょうどよい案配に咲いているのを見ながら、屋根つき駐車場をくぐって道路に出ると、展望が開ける。
 知った山域だが、顕著なピークがないので、どこがどこだか、はっきり指呼することはできない。

観音堂前の石仏
二本杉(大きな写真)

 少し下ると、教育地蔵という新しげな石仏。
 キョウイクジゾウと読むのかどうかわからないが、つまらない説教でもされそうで、拝む気になどなれない。

 その先が、青場戸経由で吾野に行く道の分岐。
 ここからは、何の変哲もない植林の中を、淡々と下っていく。

センブリ咲く(大きな写真)
道路脇でシュウメイギク

 最終人家のところから車道歩き。
 沢沿いにピンクのミゾソバが咲いていて、なかなか美しい。

 集落の中ほどにある不動堂は、公会堂を兼ねているようだが、中をのぞいても暗くて本尊は見えない。
 谷が次第に広くなり、明るくなってくると、道わきの人家の庭では濃ピンクのシュウメイギクが花盛りだった。