静かなり、林道山脈
−槙ノ尾山から長尾ノ丸−

【年月日】

1998年12月9日
【同行者】 単独
【タイム】

落合(10:15)−槙ノ尾山(11:20)−長尾ノ丸(12:10)
−鉄塔(13:15)−栃ノ木沢出合(14:20)

【地形図】 原市場、武蔵日原

有間山から望む長尾ノ丸
 管理釣り場のある落合が登山口。
 この時期になると、釣り堀も営業しているところが少ないせいか、平日なのに、なかなか繁盛しているようすだった。

 植林の中を急登。
 きのこの季節も終わったので、こういう登りでは、見るものもあまりない。
 少し平らなところを過ぎると、不審な工事の音が聞こえた。
 さらに登っていくと、山腹を切り裂いて棒ノ折山方面に向かう林道工事の最中だった。
 舗装こそされていないが、すでにガードレールがつけられており、このあたりにもやがてマイカーが行き交うようになるものと想像された。

 林道工事によって、地形図「原市場」に載っている破線路は破壊され、代替登山道が作られていた。
 代替登山道は上部で不鮮明となるが、ヤブがないので、問題なく登っていける。
 登りついた都県境のピークは、槙ノ尾山(945m)。
 樹林ごしに、伊豆ヶ岳や蕨山など、奥武蔵の人気のあるピークが望まれた。

 今日はここから長尾ノ丸方面に向かった。
 右側(埼玉県)が雑木で、左側(東京都)がヒノキの植林地と、全くもって平凡な景観の中に、淡々とした登山道が続いている。
 願わくは、このように平凡な景観のなかで、いつまでも歩み続けたいものだ。

 歩きやすい道を行くと、長尾ノ丸を巻いていきそうなので、途中からシカ道利用で尾根に上がり、しばしで長尾ノ丸(958m)。
 ここも北側が雑木林だが、展望は樹林ごし。三角点名は「井戸地」というようだ。

 目的のピークを踏んだにもかかわらず、ここはさらに登らなければならない。
 いったん急降下してから小ピークをいくつか越え、前方に見える高い山並みに向かって、かなり急な道を登る。
 目印にしていた送電鉄塔が近くなると、川苔山の坊主頭がちらりと見えた。

 鉄塔の下まで来ると、北と南のようすを一望できる。
 川苔山の北側斜面は葉を落とした雑木林。
 北側、有間山から蕨山にかけては、林道工事でずたずただ。
 古くから工事の始まっていた浦山郷への林道は完成しているようだし、それ以外の道路もあちこちにできていた。
 無傷に見えるのはタタラの頭(有間山主峰)くらいか。

 鉄塔の先から有間ダムへの道標に従って、白岩沢の源頭を下る。
 これで、日向沢の峰をエスケープできる。
 踏み跡はやや怪しいが、道標と目印に注意していれば迷うところはなし。

 次第に水量を増す沢を見ながら下っていくと、仁田山方面への登山道に出合う。
 そのすぐ下から砂防堰堤が連続。
 堰堤を降りきると、縦横に走る林道の十字路だった。
 自転車をデポしておいた栃ノ木入出合まで、そこから30分の林道歩きだった。