四寸道で黒山三滝
- 高山不動から黒山 -

【年月日】

1991年12月25日
【同行者】 単独
【タイム】

不明

【地形図】 正丸峠 越生

 高山不動から黒山鉱泉にいってみようと思い、11時を過ぎてから西武秩父に向かった。
 間野からの道は一度登ったことがあるので、志田から登ろうと、吾野で電車を降りた。

 吾野からは、地図で見ても1時間強の車道歩きである。
 自動車の通行はほとんどなく、騒々しい中年ハイカーの姿も見えない。

 瀬尾の集落では、庭先に巨岩があってその蔭に薪が置いてあるおもしろい風景もあった。
 八徳との分岐にくると、高山不動への道標があり、立派な不動像が建っている。
 高山不動の赤い幟も林立していてはなやかな感じがした。

 ここを分岐とは逆に、志田へ向かう。
 カーブの先に人家があり、林道志田線という標識があるところを右に入っていく。

 この先にまだ人家があるので、舗装されている道である。
 どんどん行くと、ようやく舗装がきれ、ダートとなる。
 いちばん奥の家の前から山道となるが、そこにはちゃんとしたベンチがしつらえてあり、一本30円のつえの無人販売まで設置してあった。
 「柿ノ木坂の家」と書いてあるここまで、ちょうど1時間だった。

 山道に入ってすぐのところによい水場がある。
 すぐ尾根に取りつき、ひと登りで支稜線。
 支稜の上にはモミの大木が何本か生えていて、気持ちがよい。

 瀬尾からの道、ついで八徳からの道をあわせると、高山不動の鐘の音が聞こえてき、墓地を通って車道に出る。
 そこが高山の集落である。

 車道が遠回りのようだったので、高山不動入口の先の畑のへりから見晴台に向かう。
 グリーンラインに出た先に、風化の進んだ馬頭尊がある。
 「西 みわかの道」とあり、反対側はほとんど読めなかった。

 見晴台まではまだ少しあるが、もう1時40分だったので、すぐ上のベンチで食事にした。
 ようやく明るいところに出たのだが、一面に雲が広がっており、遠くの山はまったく見えない。

 MSRインタナショナルは掃除をしたので、扇山の時よりは調子がよかったが、ずいぶん手際よくやっても出発するまで25分かかった。
 このコンロの火力の弱さはいかんともしがたい。

 2時を回ってから見晴台へ向かう。
 天気はよくなかったが、大高山や越上山など近くの山は見えていた。
 この季節にしては珍しく、アキノキリンソウが何株が黄色い花をつけている。

 時間が時間なので、ゆっくりせずに東へ下った。
 鞍部から、北へ向かう踏みあとを下りる。

 しばらくははっきりしているが、ジグザグ下りになるあたりから、道にスギの下枝が多くなる。
 消えがちになる道をどんどん下っていくと、涸れた沢となり、バイクの通る林道に飛び出した。
 この道路は地形図には記されていない。

 林道を左にとり、右に回りこむと尾根を乗っこすと、尾根伝いに広い山道がついている。
 立派な植林のなかに、しっかりした踏みあとが、尾根の南側を巻きがちに続いていた。

 時おり尾根の上に出るが、北側すぐ下にはさきほどの林道が見えている。
 さらに行くとまた、舗装された道に出た。

 この道は地図にものっている道だろう。
 車道をしばらく行くと、またカーブで尾根上の山道に入る。
 ここには「梅郷キャンプ場」という立札がたっていた。

 このあたり、山道といってもブルで均してあり、ジープが通れそうな道である。
 途中マウンテンバイクとすれ違う。

 ブル道は左のほうにまがっていくので、右のヤブに入ってみた。
 ここからしばらく尾根伝いにヤブこぎで下ってみたが、傾斜がひどくなり岩場となって、すぐ下の舗装道路におりられずに困ったが、どうにか道路におりた。
 ちょうどそこに道標があり、黒山三滝の上に出たということがわかった。

 三滝では観光客もまばらだった。観光名所ではあるが、先週犬目の上で見た滝の方がずっと迫力があった。
 三滝から少し下ったところが黒山鉱泉だった。
 ずいぶん立派な建物なのでいやな予感がしたが、入浴できるかときいてみると、だめだといわれた。

 やむなくバス停に向かった。
 これなら四寸道を最後まで歩けばよかったと思った。
 バス停についたのは4時前だったが、越生の駅での連絡が悪く、秩父に着いたのは7時前となった。