大持沢遡行

【年月日】

1990年7月19日
【同行者】 単独
【タイム】

入渓地点(10:15)−ゴルジュ三段滝(11:55)−
支稜線の小屋掛け(12:25)−大持山(12:50)
−妻坂峠(13:30)−入渓点(13:55)

【地形図】 秩父

夏草繁る妻坂峠
 しばらく仕事道を行き、川原に降りる。
 小持沢に比べてやや暗く、クモの巣が多くてよくない。

 例によって現在地がわかりにくいが、今度はルート図でひとつひとつの滝をなるべく確認しながら遡行する。
 「石滝」とある滝が問題となるが、これは左から巻く。

 ときおり仕事道が沢を渡る中、「ナメ床」は快適に通過できる。
 その先の小滝で釜をへずろうとしたとき、足を乗せた岩が落ち、釜に落ちた。

 その先、ルンゼ状の滝は右から登る。
 7メートル滝は、ガイドにあるとおり、右から木の根をつかんで登る。
 もっともシャワークライムというほどのことはない。
 ガイドにある沢だけあって、主なホールドは、コケがとれているのですぐにわかる。

 小屋がけのマークのあるあたりには、それらしきものは見えず、ゴルジュに突入する。
 いちばん下は釜の左をへずる。
 これはややむずかしい。

 最後がここの核心となる10メートル滝。
 ガイドにあるとおり、右の流水の中を岩穴に入る。
 ここまで来ると、戻るのはかなり困難となる。

 岩穴から瀑流へトラバース、一回目はホールドがわからず引き返し、次に瀑流をまたぐようにして登りきる。
 ここはザイルがほしいところだ。

 その上からは急に水流が細くなり、時に伏流となる。
 まもなく植林地が見えてき、右手に小屋がけがあらわれて、遡行終了となる。

 しばらく、右手の仕事道をジグザグに登る。
 かなりの急登だが、支稜の上に着くと展望がひらけ、床のある小屋がけの前に出る。
 ここで渓流靴を運動靴にはきかえる。
 ここからもかなりの急登。
 ヒヨドリバナ、ヤマハハコ、タケニグサ、イワアカバナ、ホタルブクロなどが咲いていた。
 キイチゴの赤い実もちらほら。

 尾根に出ると急にのどが渇いた。
 かんジュースはもう二本飲んでしまった。
 約20分のつらい急登を終えると仕事道が消え、ヤブこぎとなるが、大したことはなく、登山道に飛び出し、ようやく大持山に着く。

 潅木の中に入るとずいぶん涼しい。
 ここで最後のジュースパックを飲みほし、妻坂峠に向かう。
 ヒヨドリバナが多いが、コバイケイソウ、ヤマユリなどもある。
 運動靴がすべって弱ってしまう。

 妻坂からの下りはさすがに街道だけあってしっかりしているが、ヤブが覆いつつあるところもあった。
 水場まで下るとほっとした。
 妻坂からの道にはマタタビ、ウバユリなどがあった。
 はじめてピークまでつめることができたのはよかったが、この日の秩父は39度という観測史上最高の暑さとあって、日乾しになりそうだった。