道のない山
−大通嶺−

【年月日】

2024年8月20日
【同行者】 単独
【タイム】

三滝駐車場(10:22)−1629.9三角点・点名深沢(11:46)−大通嶺(12:38-13:11)
−1629.9三角点(13:48)−三滝駐車場(15:04)

【地形図】 信濃中島 ルート地図

 広大な三滝駐車場に自動車は一台もなし。
 パラパラ降り出したので一瞬困ったが、すぐにやんだ。

小禅の滝
大禅の滝

 偽物の木でできた階段を登っていくと、小禅の滝と大禅の滝の分岐。
 ここは小禅の滝へ。
 フシグロセンノウやソバナが咲いている。

フシグロセンノウ
ソバナ

 小禅の滝は数段で流下する落差25メートルほどの滝。
 水量はさほどでないが、美しい滝だ。

 少し戻って、今度は大禅の滝へ。

 こちらは大きく二段で流下する。
 落差は小禅の滝より大きく、上段だけで20メートルはありそうだ。
 オーバーハングしているので、上段の滝は飛瀑となり、迫力がある。

 大禅の滝の右に洞窟があり、入口周辺には観音像がいくつもおかれていた。
 観音はどれも秀作。

 洞窟は真っ暗で何も見えなかったので、立ち入らなかった。
 近くには真新しいお堂があったので、とりあえず手を合わせる。

大禅の滝
ハナビラタケ

 洞窟のわきにかすかな踏みあとがあるので、そこを急登。
 このあたりは、ルートを間違えると進退窮まりそうな感じがする。

 登っていくと、ややはっきりした踏みあとに出る。
 あとでわかったのだが、この踏みあとは、洞窟から登る正規ルートらしいが、途中が消えかかっているのだった。

 しばしこの踏みあとを行くが、想定していた尾根の取りつきを過ぎて沢沿いに続いていそうだった。
 この踏みあとは、沢を詰めて尾根に出る破線路だと思われる。
 これがはっきりした道ならそのまま行ってもいいかなと思ったのだが、すぐに消えてしまいそうな様子だったので、やはり、尾根の末端から登ることにした。

 尾根の末端は岩場で、一見取りつきがたいのだが、灌木を頼りにどうにか登った。
 このあたりの灌木は枯れているのが多く、ここを下るならお助けロープがほしいと思った。

 急なところを登っていくと、ダートの林道に出る。
 林道を少し行き、ヘアピンンカーブから尾根に登る。

 こちらの尾根は穏やかで、雑木とアカマツ・カラマツが混生している。
 チチタケ・ハナビラタケ・タマゴタケ・ニオイワチチタケその他、きのこもけっこう出ていた。
 とりあえず、ラーメンの具用にチチタケとタマゴタケだけ摘んでいった。

 1629.9メートル三角点には何もなし。
 その先で小海町との境界尾根に出る。

タマゴタケ
チチタケ

 しばらく穏やかな尾根。
 キオン・フシグロセンノウ・マルバダケブキ・カワラナデシコなどが咲く。

 1630圏から直進してはダメで、南西の支尾根へ急降下しなければならないので、ここは注意して行く。
 けっこう盛大に下っていくので、帰りが思いやられるが、それより尾根上にあるたくさんの露岩が問題だった。

 通るのが困難なものはなく、登っても巻いても通過できるのだが、意外に時間がかかる上、鹿道が入り組んでいて、思案を強いられる。
 最低鞍部の直前で、岩場を巻こうとして、つい、今下ってきたばかりの尾根を登り返すという、あり得ないミスをした。
 これにはがっくり来た。

 落ち着いていけば、とくに問題なく鞍部に下りることができ、大通嶺まではすぐだった。
 展望はないが、山名版がいくつかあった。
 ここで大休止。

 帰りは来た道を戻ったのだが、踏みあとから尾根の末端への取りつきは、岩場のクライムダウンを避け、尾根北側の沢状のところを下った。
 自分にとって、今年の山歩きの中で、かなりの難峰だった。