蚕玉様から高鳥屋山

【年月日】

2023年9月16日
【同行者】 単独
【タイム】

蚕玉様入口(8:53)−梨子野峠(10:00-10:36)−高鳥屋山(11:42-11:53)
−梨子野山(12:33)−蚕玉様入口(13:25)

【地形図】 兀岳 飯田 伊那駒場 時又 ルート地図

 青木集落への道は車一台通るのがギリギリで、対向車が来たらアウト状態だったが、さいわい、無事に蚕玉様近くにたどり着くことができた。

 一帯は巨大なメガソーラーに埋め尽くされていたが、畑に作物が作られており、現住者はおられるようだった。

オニタケ
チチタケ

 梨子野峠への道標に従って、水路沿いの道を行く。
 水路が尽きて沢になるところから、峠への登りになる。

 ずっとトラバースが続き、急なところはジグザクになるので、疲れずに登っていける。
 古い峠道は、じつに優しい。

 ヒノキ林がアカマツ混じりの雑木林になると尾根上となり、チチタケがぽつぽつ出ていた。
 再びトラバースになると、梨子野峠。

 戦国時代から使われた峠で、赤報隊も通ったと、看板に記されてあった。
 あずま屋があったので、ありがたく大休止。

コウモリタケ
頂上小屋

 まずまず好展望で、東から南東方向が開けている。
 おそらく南アルプス深南部と思われる山塊が見えるのだが、知らない山ばかりだ。

 峠からは北への尾根を登る。
 梨子野山分岐の手前に明瞭な分岐あり。これはどこへ行く道か。

 カラマツが混じり始めるが、ハナイグチはやや遅くなっていた。
 ベニタケ科のきのこが多く、チチタケもまずまず出ていた。

 清内路村へ下る三叉路からはやや登り下りがあるが、おおむね緩やかで、ほどなく高鳥屋山。
 樹林に囲まれた落ち着ける場所だ。
 やや下ったところにある頂上小屋を見に行ったら、ハイカーがいた。

 山頂で小休止。

カワラナデシコ
蚕玉様

 帰りはまず、来た道を戻る。

 梨子野山分岐がどこなのかわからなかったが、スズタケのヤブこぎ少しで見つかった。
 梨子野山はピークでなく、尾根上の一地点。

 メインコースほど整備されてはいないものの、踏みあとははっきりしている。
 村境の尾根をまっすぐ下るので、急なところもあるが、どんどん下る。

聖観音
満蒙開拓平和記念館

 下りきったところで道が消えるが、蚕玉様はすぐに見つかった。
 日常的にお祀りされているようには見えなかったが、放棄されてはいないと思えた。

 優しげな表情の神像で、手に桑の枝と蚕卵紙を持ち、繭玉の上に鎮座している。
 蚕玉様の前には三十三観音の石仏。

 表情はリアルで、秀作揃いだ。
 ヤブ蚊が飛び回っていてうるさかったが、一つ一つ見ていった。
 雑草が繁茂していて、草に埋もれそうになっていた石仏があったのは残念だった。

 下山後、ずっと気になっていた満蒙開拓平和記念館を見学した。
 小さな展示施設だが、満蒙開拓団とは何だったのかがよくわかる、よくできた展示だった。

 こんな理不尽なことがなぜ行われたのか、しっかり知る必要があることを痛感した。