大沢山(筑北村)往復+安宮神社

【年月日】

2022年7月18日
【同行者】 単独
【タイム】

空峠(8:31)−大沢山(9:34-10:09)−コクサギ岳(10:30)
−大沢山(10:46)−空峠(11:22)

【地形図】 信濃西条 ルート地図

 明通トンネルを出たところを右折して、ダートに入る。
 倒木がきれいに片付けられているので、通行に問題なし。

 バイク遊びの練習場になっているらしき空峠に自動車はなかった。

ベニバナイチヤクソウ(大きな写真)
(大きな写真)

 道標のようなものはないが、踏みあとははっきりしている。
 スギ・カラマツの植林と雑木が混在する尾根を、最初は緩やかに登っていく。

 ベニタケ科のきのこがところどころに出ていた。

 傾斜がやや出てきて、直登するのが嫌になりかけたところで、かなり明瞭な獣道があったので、そちらを利用することにした。
 しかし獣道はしょせん、獣道に過ぎず、急な斜面を登る羽目になった。
 このような愚かなミスを何度繰り返したか、わからない。

 本来のルートである尾根に登れば傾斜もさほどでなく、緩やかに登っていく。
 ベニバナイチヤクソウの群落が目についたが、咲いているのは一部だけだった。

 見慣れない地味な花が咲いているのも見つけた。

御嶽大神(大きな写真)
シャクジョウソウ(大きな写真)

 ピークには御嶽大神と彫られた石碑。
 それ以外にも石造物らしき小さな石片がおかれていたが、文字は読めなかった。
 展望はなし。
 ここで大休止。

 まだ早かったので、もう一つ先のコクサギ岳まで足を伸ばした。
 地形図で見るより激しく下って登り返す。
 この日は展望に恵まれなかったので、こちらのピークにやや期待したが、坂城の山が少し見えただけで、大した展望は得られなかった。

 大沢山に引き返し、今度は尾根を下る。
 途中の草原から戸谷峰方面が少し見えたが、雲が多くてよくわからなかった。
 それより、やや盛りを過ぎていたとはいえ、シャクジョウソウの小群落が咲いていたのはラッキーだった。

安宮神社(大きな写真)
狛猫(大きな写真)

 下山後、安宮神社を見に行った。
 県道を筑北村側にいったん下って登っていくと、駐車場があり、神社は歩いてすぐだった。

 ミヤコワスレが咲き残る境内に入ると、二匹の猫がニャーニャー鳴きながら寄ってきた。
 神職は留守らしかった。

 お参りをしてから潜戸をくぐって、本殿まわりの石仏・石神を見に行った。
 はっきりとはわからないが、無数の石造物はおおむね、明治時代ころの造立と思われる。

 どのような信仰を背景にしているのかも、不明。
 ありとあらゆる有名・無名の神仏がそこにいるのだった。

 江戸時代のものではないとはいえ、時代を経ているので十分に古びていたし、3Dプリンターで作ったような魂のない石仏・石神ではなく、一体一体が個性的な表情で刻まれていた。
 ただ、境内入口付近にあった狛猫はいかがなものかと思った。

 三峰信仰のもとで狛犬はお狗である。養蚕の敵であるネズミを食べてくれるから、狼がご眷属とされているのは理のあることである。
 日枝系の神社で狛猿(都幾川村・大附日枝神社)を見たこともある。これも、理論的に説明できることである。

 広神村の小平尾天満宮には、狛牛がある。牛は農作業の大切なパートナーであり、人が生きていく上で欠かせない役割を果たしていたから神の使いとされてもおかしくない。

 猫はネズミやムカデを捕ってくれるが、基本的には愛玩動物であり、ご眷属とは考えられない。
 ともあれ、とても面白い神社だった。山中に孤立して存在しているから氏子はいなそうなのだが、どうやって維持されているのだろうか。