キクザキイチゲ咲く
− 残雪の天狗鼻 −

【年月日】

2019年5月18日
【同行者】 単独
【タイム】

自然園入口(9:11)−中西山(10:57)−天狗鼻(11:48-12:16)
−展望広場(14:00-14:30)−自然園入口(15:09)

【地形図】 雨中 高妻山 ルート地図

 駐車場に着いたのは8時半過ぎだった。
 バスに乗らず歩いたほうが多少早かったと思うが、仕事明けでもあったので、身支度をして始発のバスを待った。

キクザキイチゲ咲く(大きな写真)
ニリンソウ咲く(大きな写真)

 歩き出しから路肩にニリンソウ・キクザキイチゲ・ネコノメソウなどが咲いており、新緑が目に鮮やかだった。
 昔の駐車場らしきところから、中西山への道標に従って、ブナ林に入る。

 雪はまだらに残っており、夏道の出ているところもあったが、おおむね残雪の上を歩く。
 トレースはほとんどなく、雪の上は、ピンクテープとたぶん1名が歩いた足跡がかすかに残っていた。

 小さな流れのところには水芭蕉が一株だけ咲いており、リュウキンカの芽が出ていた。
 あと10日もすれば、美しく咲きだしそうな感じだった。

新緑(大きな写真)
ブナ林(大きな写真)

 流れを越えると斜面にとりつく。
 コゴミが出ていたので、お昼用に少し摘んだ。

 パープルのキクザキイチゲがすこぶる多くなってくる。
 サンカヨウの芽生えも出てきて、ここへ来るには時期がやや早すぎたと思った。

 登りつめた稜線には2メートルほどの雪庇があって、当惑するが、登れそうなところから尾根上へ上がった。

キクザキイチゲ(大きな写真)
残雪の尾根(大きな写真)

 斜面の雪はほとんど落ちていたが、尾根の上は、老化した雪庇がずっと続いていた。
 夏道はごく部分的にしか出ていなかったので、雪はまだ緩んでいなかったこともあり、雪庇の上の方がはるかに歩きやすかった。
 朝は青空だったが、いくらか雲が出始めたとはいえ、まだよく晴れていた。

 尾根上にはネマガリタケや灌木が生えているが、雪があるので見晴らしはすこぶるよかった。
 東側は戸隠連峰で、西岳の剣呑な尾根の左には高妻山と乙妻山が高くそびえていた。
 こちらから見ると、乙妻山のほうがかっこよい。

 北を見ると妙高連峰の大観が得られる。
 妙高山は、外輪山に遮られてぱっとしないが、火打山・焼山・金山・雨飾山がずらりと並ぶ。
 今歩いている尾根の先は堂津岳だが、かなり朝早く出発しないと、日帰りでは苦しそうだ。
 西は北アルプス北部だが、朝日岳・雪倉岳あたりは見えていたが、白馬岳より南は上部に雲がかかっていた。

未知の花(大きな写真)
未知の花(大きな写真)

 足元に咲いていたのは名前のわからないイチゲとヒメイチゲで、ツバメオモトがようやく花茎を立て始めたところだった。
 雪が溶ければここは、美しいお花畑になり、ネマガリタケのタケノコも出てくると思われた。

 中西山をいつの間にか通過し、雪稜を登っていくと幕営装備を背負ったカップルに出会った。
 彼らから天狗鼻から先のヤブが濃いという情報を得たので、自分もこの日は天狗鼻までと決めた。

雨飾山(大きな写真)
妙高山(大きな写真)

 近づいていくと天狗鼻はなかなかの鋭鋒だったが、西側から回り込むようにして登る。
 ロープもかかっているので、特に危険ではなかった。
 ピークの上は絶景だが、すこぶる狭く、腰を下ろす場所もなかったが、他に登山者が来る様子もなかったので、登山道で腰を下ろして大休止にした。

金山と焼山(大きな写真)
東山(大きな写真)

 帰りは来た道を戻ったが、雪稜なので歩きやすく、すぐに自然園まで戻れた。

 時間に余裕があったので、観光客に混じって自然園を散策した。
 水芭蕉はちょうど見ごろで、いいあんばいだった。
 ブナ林の散策コースには人影も少なく、自分としては水芭蕉よりこっちのほうが、気持ちよかった。

西岳(大きな写真)
高妻山・乙妻山(大きな写真)

ヒメイチゲ(大きな写真)
水芭蕉咲く(大きな写真)

 堂津岳の見える展望台でひと休み。
 ここで、エスビットストーブに固形燃料でお湯を沸かしてみたが、固燃一個では20分以上かかって少量のお湯をわかすこともできず、これは使えないことがわかった。

 バス停まで戻ったら、ちょうどよいバスがあったので、それに乗った。