里山の草花を愛でる
− 妙徳山から太郎山周回 −

【年月日】

2019年5月2日
【同行者】 単独
【タイム】

井上の枕状溶岩(6:26)−妙徳山(9:56-10:31)−太郎山(12:21-12:49)
−井上の枕状溶岩(14:51)

【地形図】 須坂 菅平 長野 信濃松代 ルート地図

 井上城の駐車スペース近くから登り始めた。
 雑木の尾根を登っていくと、すぐに小城。
 名の通り、本郭と二の郭だけの、小さな砦だ。

井上の枕状溶岩(大きな写真)
イカリソウ(大きな写真)

 前日の雨があがったばかりで、まだ湿っぽい。
 その先の大城も、大きな砦というほどでもない。
 先日歩いた雁田城と同じく、地元の国人井上氏の砦である。

 ここから井上山へは長い登り。
 空堀が何か所もあって、砦の機能はまだ生きている。
 そこそこ急だが、オケラやヤブレガサなど摘みながら、登る。

ヤブレガサ(大きな写真)
アマドコロ(大きな写真)

 ヤマザクラはちょうど見ごろで、足元にはワチガイソウや濃ピンクのイカリソウが咲く。
 ヒトリシズカはまだ、これからだ。
 アマドコロの群生があったので、少し摘んだ。

 井上山から大洞山へはいくらか穏やかな登りとなり、たらっぺやコシアブラもちらほら出てくる。
 コシアブラはこれからというところ。

ワチガイソウ(大きな写真)
コシアブラ(大きな写真)

 大洞山まで来ると、樹林越しに三峰権現のピークが高く見えるのだが、馬越峠へ急降下しなければならない。
 馬越峠からは長い登りになる。

 三峰権現には石祠が一基あるだけで、狛犬などはおかれていなかった。
 ここになぜ、三峰権現があるのだろうか。

 傾斜が緩むのは一瞬で、さらにきつい登りが続くが、ここを登りきれば妙徳山なので、黙々と歩く。
 足元はカタクリだらけだが、時期が早いのか、時刻が早くて開いていないのか、花を閉じているのが多かった。

たらっぺ(大きな写真)
ごった煮(大きな写真)

 妙徳山の山頂は、小広い平坦地でいいところ。
 ただし、展望は樹林越しだ。
 木の隙間から、根子岳の斑の斜面が見えていた。

 ここで大休止。
 摘んできた山の草葉で、ラーメンにした。

 南峰から下ればすぐなのだが、時間があるので、南西尾根を回っていくことにした。
 馬背峠への道標に従って南下し、支尾根を急降下する。

 この日は誰にも会っていなかったのだが、こちらはさらに人が少なそうに思ったのだが、それはともかく、草花も食べられる草も、何もない尾根なのだった。
 踏みあともはなはだ薄く、単純な尾根だが、ときどき現在地を思案した。

 何もない尾根をどんどん下って、車道の馬背峠。
 ここは太郎山の登山口である。
 ここから下山も可能だが、時間もあるので、太郎山へ向かう。

カタクリ(大きな写真)
笠ヶ岳(大きな写真)

 スギ林を抜けるとすぐに、伐採後の草原の斜面で、雑草が生い茂っている。
 タチツボスミレ以外は、自然の草花というより、路傍の雑草ばかりだ。

 思ったより急なところを登っていくと、アカマツの主稜線に出る。
 ピークはやや北に行ったところだった。

 ここは市民の憩いの場という感じで、善光寺平を前景に、北信の山々が一望できるビューポイントだった。
 登り始めたときには曇っていたが、この時刻にはよく晴れて、数日前に見たのとほぼ同じ風景が広がっていた。

 東側も伐られているので、志賀高原の焼額山・岩菅山・笠ヶ岳などの懐かしい山々も見えていた。
 ここで小休止。

黒姫・妙高(大きな写真)
ヤマエンゴサク(大きな写真)

 太郎山からは、蓮台寺をめざして下る。
 この下りはこの日、カタクリが最も美しかったところだ。
 妙徳山では閉じていたが、ここではほぼ満開の状態だった。
 ヤマエンゴサクも咲いていた。

 長い尾根なので、高度がなかなか下がらない。
 それでも展望のよいところが随所にあって、楽しめる。

 尾根の末端近くは城跡で、空堀が連続する。
 ここも井上氏の要害だったという。

蓮台寺山門(大きな写真)
りんご満開(大きな写真)

 急降下すると山吹咲くブル道に出てしばらくで、蓮台寺。
 二階建て山門のような鐘楼がみごとだった。
 仏像は拝観できなくて、残念だった。

 登山口までは、りんご畑の中を歩いて戻る。
 りんごはちょうど満開で、背景になる井上城の尾根は緑濃い新緑で、こちらも美しかった。

 下山後、登山口からすぐにある、温湯温泉湯〜ぱれあで汗を流して帰った。