北アルプスと頸城の山を眺める
− 尼厳城址から奇妙山 −

【年月日】

2019年4月16日
【同行者】 単独
【タイム】

玉依比売命神社駐車場(7:08)−尼厳城址(8:14-8:45)−奇妙山(10:06-10:21)
−林道(11:08)−清滝観音堂(12:09)−玉依比売命神社駐車場(12:53)

【地形図】 信濃松代 長野 須坂 菅平 ルート地図

 玉依比売命神社参道入口の駐車スペース前にはケヤキの巨木があるのでわかりやすい。
 神社の参道でケヤキの巨木並木といえば、佐久市の新海三社神社がそうだった。
 いずれも迫力ある巨木で、じつに見ごたえがあった。

大ケヤキ(大きな写真)
大ケヤキ(大きな写真)

 玉依比売命神社でお参りをすませ、神社わきの登山道に入る。
 登っていくとすぐに鎌原桐山先生碑。
 鎌原桐山先生とは、江戸時代の儒学者らしい。

 しばらく行くと、北尾根と南尾根の分岐。
 地形図を見ると北から山頂に登る道はなさそうだが、どこから登っても同じと思われたので、最短ルートと思しき南尾根に入った。

 そこそこ急登の、アカマツ混じりのやや荒れた雑木林の尾根がずっと続く。
 タチツボスミレとシュンラン以外に草花はほとんど咲いていない。
 ミミガタテンナンショウさえ、一つも見なかった。
 春がまだ、早いのだろうか。

玉依比売命神社(大きな写真)
尼厳山の岩場(大きな写真)

 上部はあちこちが垂壁になっていて、いかにも城跡らしい。
 東から回り込んで、ひと登りで本郭(山頂)だった。

 善光寺平を隔てた北アルプスの展望が、すばらしい。
 領主の東条氏も、同じ景色を見ていただろう。
 それにしても、標高がずいぶん高いので、普段は山麓に住んでいるとしても、この城へ登るのは、殿様も家臣も容易でなかっただろう。

鹿島槍(大きな写真)
黒姫・妙高(大きな写真)

 伐開されているのは東と北で、ほぼ快晴だったので、北アルプスだけでなく、妙高連峰・黒姫山・飯綱山・戸隠連峰などもよく見えた。
 まだ8時過ぎだが、ここで早くも大休止。

 奇妙山へは、東側へ急降下し、じわじわと登っていく。
 登山道は明瞭で、よく整備されていた。

カモシカ(大きな写真)
カモシカ(大きな写真)

 いくつかの分岐を過ぎ、登りつめていく途中で二度、カモシカに出会った。
 二頭とも、先に気づいたのはこちらの方だった。
 立ち止まって見ていると、こちらに気づいたときにはびっくりした様子だったが、この生き物はものごとにあまり動じないのが特徴で、しばらくにらめっこしたのち、ゆっくり立ち去った。

 奇妙山も城跡で、尾根の上には空堀がいくつか切られていた。
 展望は、尼飾城址ほどではなく、石祠が一つと、いくつかの石塔が立てられていた。
 ここで小休止。

高妻山(大きな写真)
神像(大きな写真)

 一般には尼飾城址との鞍部から岩沢に降りるようだが、清滝阿弥陀堂を見たかったので、赤野田への道標に従って、南東への尾根を行く。
 こちらの踏みあとはすこぶる薄く、露岩もあってちょっと気が抜けないが、腐りかけたトラロープなんかがあって、ルートであることに間違いはない。
 尾根の両側は岩場である。

 小ピークとの鞍部に、少年のような表情をした神像。
 これは誰だろうか。

奇妙山南東尾根(大きな写真)
つくしんぼ(大きな写真)

 石のごろごろした小ピークの上には、赤野田への道標があるが、滝本へ下りたいので、道のない急傾斜な尾根を南へ下る。
 ここには岩場はないので、スリップ・転倒しなければ危険はない。

 林道は春の盛りだったが、こちらにも草花はあまり咲いていなかった。
 日陰は雪解けから日が浅いようで、ふきのとうが出ていた。
 舗装道路にツクシが大発生しているようすは、みごとだった。

清滝の一本杉(大きな写真)
清滝阿弥陀堂(大きな写真)

 人家のあるところまで下って、まずは清滝の一本杉を見る。
 あまり人が来ないところなのか、ヤマドリが何羽も逃げていった。
 まずまず大きな杉だった。

清滝観音堂(大きな写真)
あんず畑(大きな写真)

 そのすぐ先で阿弥陀堂の分岐。
 ごく僅かな水量の飛滝の前に立派なお堂が建てられていた。

 さらに行くと、阿弥陀堂とほとんど同じ形でスケールアップしたような観音堂。
 これも見事な建築だった。

 岩沢から玉依比売命神社方面へは、集落の中を下っていくのだが、やや花の盛りを過ぎたあんず畑越しに、岩場をまとった尼厳城址や奇妙山がよく見えていた。

黒猫大明神(大きな写真)
長野市立博物館から見た奇妙山(大きな写真)

 時間があったので、コメを精米したり、黒猫大権現や長野市博物館を見て帰った。