諏訪神社に自動車を止め、小沢に沿う道を行く。
寒気に覆われて空気は凛として冷たいが、ミソサザイが陽気に歌い、早春らしい雰囲気を演出する。
雑木林からスギ林に入ると早くも道形が不鮮明になるが、危険な個所はなし。
やがて古い石垣がいくつも出てきて、集落跡かと思わせる。
ここからは踏みあともほとんど消えるが、ひと登りで尾根に立てる。
尾根の向こう側には沢山湖から登ってくる林道が積雪に覆われているのが見えた。
鹿教湯から見た富士山
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集落跡
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尾根上からピークまではすぐだが傾斜はけっこうきつかった。
落ち葉の積もった消え消えの踏みあとには、薄く雪が乗っていた。
三角点にはつぶれたような石祠が一つ、おかれていた。
鹿教湯側が伐開されていて、温泉街の向こうに樹氷におおわれた山が見えた。
天気はよかったのだが、ちょっと背が足らずに、ここから北アルプスは望めなかった。
下りは市峠をめざす。
南東方向の急な尾根を慎重に下っていくと、北側が伐られたところがあり、四阿山と根子岳が見えた。
降り立った市峠には、馬頭尊が一体。
道幅は広く、比較的最近まで生活道として使われていたことがうかがえる。
松茸山のため、梅ノ木峠への尾根にはテープで柵をしてあった。
ここから鹿教湯への下りは、荷車が十分通れるほどの道だが、倒木がずいぶんうるさい。
しばし下った日だまりで大休止。
オケラの花がら
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馬頭観音
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車を降りたときの気温は氷点下だったが、陽あたりのよい南面は風もなく、早春らしい暖かさだ。
オケラの花がらがそこここにあるので、いくつか撮ってみた。
花がらをきれいに撮ってみたいのだが、なかなかうまくいかない。
鹿教湯への道にはたくさんの馬頭観音がおかれている。
「馬頭観世音」と彫られた石柱も多い。
そのうちいくつかは倒れたままになっていて、痛ましかった。
諏訪神社まではすぐだった。
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