ナメコと巨杉
− 佐々里峠から赤崎中尾根 −

【年月日】

2011年10月9日
【同行者】 全部で8名
【タイム】

佐々里峠(8:48)−縦走路出合(10:43-11:02)−赤崎尾根取りつき(12:28-13:20)
−事務所前(14:08)

【地形図】 中、久多 ルート地図(一部不正確)

 名神高速を降りてから先がとても長い。

 行きは、栗東インターから琵琶湖大橋を渡り、国道477号を大原から百井に越え、さらに花背・広河原を抜け、佐々里峠を越えて美山町に行き着いた。
 途中休憩を入れて、約10時間半。大原から広河原にかけての山越えは、神経も使うので、かなり疲れた。

 この日は、美山町自然文化村に幕営した。
 オートキャンプ場だが、なかなか混雑していて、結構なことだ。
 もっとも、本格的に寒くなる前の晴天予想の三連休であるから、混んでないと困るだろう。

 瀬音・源流部会のメンバーを中心として、今回は8名の珍道中なのであったが、まもなく全員の顔が揃った。

 キャンプやアウトドアの達人ばかりなので、キャンピングテーブルの上には、あっという間に食べ物と酒が並び、宴会が始まる。
 翌朝の歩きのことを考えて、この日は比較的早く寝に着いた。

ナメコ出始まる(大きな写真)
スギ巨木(大きな写真)

 2日目の朝、研究林前の駐車場に自動車をデポして、佐々里峠へ向かう。
 佐々里集落手前に、美山高校の建物がある。
 人気がないので、廃校なのかと思ったが、全日制は募集停止だが、ネット通信課程はまだ稼動しているらしい。
 途中の府道沿いに、栃の実採取禁止という看板が出ているのが、目を引いた。

マスタケ
ヒラフスベ(大きな写真)

 峠から少し登ると、ブナの尾根になる。
 巨木はないが、いい感じだ。
 ミズナラはほぼ枯れ尽くしているのだが、立ち枯れにナメコが点々と出ていた。

 灰野との分岐は、小野村割岳方面に入る。
 ここからは尾根道の淡々とした登降が続く。
 ナメコは相変わらずところどころに出ており、ヒラフスベやマスタケも見つかった。
 杉の大木も時おり見られて、その大きさに感心させられる。

 あまり急がず2時間ほどの歩きで、赤崎尾根の下降点。
 ここには、ガランドウの大杉がある。

休憩
ヤマブシタケ(大きな写真)

 しばし休んで、赤崎尾根をゆるゆると下る。
 杉をひとつひとつ、じっくり鑑賞しながら行く。
 ここは、そういう歩き方をするしかない。

 芦生の杉には、ひとつとして同じような樹形の個体がない。
 すべての杉たちが、個性を主張しながら、ブナやトチと共生しているのである。
 3年前に来た時と比べて時期がやや早かったために、杉の樹上に生えたカエデやコシアブラはまだ紅葉していなかった。
 とはいえ、樹上の大木もまた、見応えがあった。

 傾斜が急になると、沢も近い。
 最後は、高巻きのような急傾斜で赤崎谷、ついで由良川本流に降り立つ。

 まるで入川のような軌道あとなので、なんだか見慣れた風景なのだが、少し下った河原で、大休止とした。
 河原の岩には苔が密生し、ダイモンジソウがそこここに咲いていた。

由良川の流れ
ダイモンジソウ咲く

 由良川は、傾斜のない、緩やかな川だ。
 その流れのように、ゆったりした時間が過ぎていく。

苔むす水辺(大きな写真)
アケボノソウ咲く(大きな写真)

 事務所前に着いたのは2時過ぎだった。

 計画ではここから朽木に移動して幕営するつもりだったが、ガソリンも少なくなり、疲れもあったので、美山町自然文化村に戻って、連泊することにした。
 それならすぐ近くなので、正直言ってほっとした。

 文化村の風呂で汗を流して、前夜同様の宴となる。
 いただいてきたばかりのきのこを、煮たり炒めたりして、それなりの料理ができていく。
 焚き火台でささやかな焚き火も始まって、話もはずみ、時間はずいぶん遅くなった。

夕焼けのキャンプ場
きのこ鍋やきのこ炒め(大きな写真)

 最終日は各自、自宅へのロングドライブとなる。
 広河原から府道を久多に越えると、道は走りやすくなり、すぐに国道367号に出る。
 昨年えんえん歩いたこの道を、朽木の道の駅まではすぐだった。

 この日は、湖北を回って木之本インターから高速道路に入ったが、渋滞もなく、薄暗くなるころには、秩父に戻ることができた。