巨杉の森をワンダリング
− 小野村割岳からコウンド谷 −
【年月日】 |
2008年11月6日 |
【同行者】 |
単独 |
【タイム】 |
事務所前(9:00)−赤崎尾根取りつき(10:30)−縦走路出合(12:26)
−小野村割岳(14:16)−951ピーク(14:40)−大カツラ(15:25)
−車道出合(15:56)
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【地形図】 |
中、久多 ルート地図
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雨予報だったが、気持ちよく晴れた。
朽木の山に行こうかとも思っていたのだが、宿泊した美山町からかなり遠いので、前日地図が入手できた京都大学芦生演習林に行ってみることにした。
トロッコがおいてあった
| コンクリートの枕木が新しい
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事務所前まで自動車で送ってもらい、入口に置いてある入山仮申請書に記入して提出する。
すぐに森林軌道の線路となるのだが、まずは実物のトロッコを見て驚く。
エンジンもついているようなので、現役で動いているのかも知れない。
ポイントもほとんどさびていなかった。
入川軌道のようだ
| 赤崎谷の流れ
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軌道はすぐに急カーブして、由良川にかかる橋を渡る。
軌道が橋を渡るところを見たのも初めてだった。
まだちっとも山を歩いていないのだが、最初から面白いものを見ることができた。
軌道はスギ林を抜け、さらに岩盤を割った道に伸びていた。
すぐわきを流れる由良川は穏やかな流れで、軌道のわきには稲刈りの終わった田んぼなどもあるから、入川軌道とは周囲に景観がずいぶん異なるのだが、部分的には、入川を歩いているかのような錯覚におそわれるところもある。
最初に見た大木は灰野集落跡地近くのトチの木。
巨木というほどではないが、河畔に枝を広げる姿は立派だった。
このあたりまで来ると軌道に傷みが目立つ。
赤崎谷に出合うところで、軌道は通行止めとなり、谷を渡るバイパス道に入る。
再び由良川に出たところで、思わず、上流に向かいそうになるがすぐに気がついて、赤崎谷へ戻って東谷と西谷の出合で小休止。
通行止めの原因は、軌道の橋が朽ちて落ちているためだった。
今から数十年前の滝川はこんな状態だったのだろうと思われる光景だった。
出合から中尾根を急登する。
最初は沢の高巻きほどの登りだが、ほどなく落ち着いた斜面となる。
あたりはほとんどスギなのだが、広葉樹も混じっている上、太さがまちまちで、植林されたものではなさそうだ。
しばらく登ったところで、最初の巨杉に出会う。
植えられ管理されたスギと異なり、自然のままに伸びたスギは自由奔放な樹形をしている。
自在に曲がりくねるかと思えば、大枝を伸ばし、あるいは分岐して何本もの幹を立てる。
これがスギ本来の姿なのだろう。
ミズナラ無惨
| トチ落葉
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ここから先、傾斜がゆるむ。
数々の巨杉に次々に出会うが、どれも個性的な容姿で感心する。
スギは本来、自由な樹木なのだろう。
スギの若木や広葉樹と混生しているのだが、樹上にコシアブラやタカノツメ、カエデ類などを生やしているのも多い。
タカノツメなどは黄色く、カエデは赤く紅葉するので、あたかもスギが紅葉しているかのように、美しく装っているのだった。
スギとはまた、広葉樹の森にとけ込んでいるのが、最も自然な姿なのだろう。
佐々里峠からの道に出ると、道形がいくらかはっきりしてくる。
ここからの尾根道でも点々と巨杉が生えているが、広葉樹の比率が増えてくる。
巨杉に会うとカメラを構えてみたくなるから、歩程は思ったほどはかどらない。
ナメコやクリタケも出ていたので、意外と時間がかかって小野村割岳。
ここから下山すると早いのだが、下山予定地(能見町)からずいぶん離れてしまうので、951メートルピークまで、いま少し足を伸ばす。
不注意から911メートルピークで若干ルートミスしたので、踏みあとは不鮮明になるが、尾根道なので慎重に行った。
天狗岳への道を分けると、951ピーク。
除伐した直後なのか、ナラの木がたくさん伐倒されていた。
このあたりにも巨杉があるのだが、時間的に忙しくなったので、先を急ぐ。
コウンド谷に下りる踏みあとがあると思っていたのだが、見つからず、案の定またもルートを失う。
ここは落ち着いた方がよいので、飲み物を飲みながら地図をじっくり見てルートを探したが、それらしい道は結局、見つからなかった。
ヤマガラが遊ぶ
| クリタケが出ていた
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やむなく立木にすがりながら急斜面をずり下って、コウンド谷に飛び込むと、消え消えの踏みあとが見つかった。
コウンド谷は滝のないガレ谷だったので、道がなくても下降は容易だった。
支流との合流点にカツラの大木。
菅名岳で見たような巨木ではないが、スギに覆われたこの谷では随一の立派な樹だった。
コウンド谷林道には間伐時に伐られた木が放置されていて、荒れていた。
能見町の通りに出るまではすぐだった。
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