忙中閑を探す
−有笠山周回−

【年月日】

2001年11月3日
【同行者】 単独
【タイム】

キャンプ場前(8:55)−西登山口(9:15)−西石門(9:30)
−有笠山(10:00-10:30)−キャンプ場前(11:05)

【地形図】 中之条、小雨

 このところ、先の見えない忙しさが続いていた。
 この土曜日こそは、休暇をいただこうと意気込んでいたら、何のことはない、祝日で休みだといわれた。

 今日も、午後から雨の予報だったので、小さな山に出かけることにした。
 行き先は、沢渡温泉の先の怪峰、有笠山。

 温泉街入口を過ぎると、有笠山の岩壁が左手に見えてくる。
 橋を渡る手前で左折し、閑散としたキャンプ場そばの駐車スペースに、自動車を止めた。

 歩き出しは、平坦な林道。
 仕事に明け暮れていたため、腰などに不快な痛みが出ていたのだが、上沢渡川の渓音を聞きながらゆっくり歩いているだけで、現金なことに、全身がすっきりしていくのがわかった。

 しばらくで有笠山西登山口。
 ここにも駐車スペースがある。

 山道に入ると、雑木まじりの植林地。
 この山は、頂稜以外は、ほぼすべてこのような雑木まじりの植林地だった。

 道ばたの切り株に、ニガクリタケの群生が多い。
 ムラサキシメジがないかと目をこらすが、ニガクリタケばかりだった。

 あずまやを過ぎ、しばしで西石門。
 巨石による自然の造形は、なかなかみごとだ。

 石門近くは、ヒノキの新しい植林地だったが、一本一本の苗にシカよけの網がかぶせてあった。
 食害防止の手間も経費も、なかなか馬鹿にならないだろうと、想像された。
 このあたり、林の下生えはコアジサイだが、黄葉がなかなかきれいだった。

 小尾根を乗っこしたところから、山頂へのやや細い道が分かれる。
 すぐに鎖とハシゴ場だが、危険はほとんどなし。

 最後の急登もほんの少しで、吾嬬山の見える頂稜の一角に着いた。
 ここは、ルート中最も展望のよい場所だ。

 山頂は、やや南に行ったところで、雑木に囲まれた小さな切り開きに、山名を記した標柱が立っていた。
 ふもとの紅葉は今ひとつだったが、頂稜では、ヤマモミジやアブラツツジの赤が、たいへんみごとだった。

 帰りは東登山口への道をとった。
 途中の岩場が騒々しいと思っていたら、何組かのクライマーのグループが各所に群がっているのだった。

 よく見ると、ちょっときれいな岩場には、すべてボルトが打ってあり、チョークによる汚れがあるのだった。
 おれはクライマーとは目を合わせなかったが、クライマーも誰一人として、こんにちはのあいさつをかけてくるでもなかった。

 林道に出ると、枯れたリンドウの花とニガクリタケが、目についた。