秩父・里山の地形を考える
−破風山−

【年月日】

2025年11月6日
【タイム】

駐車地(12:31)−登山口温泉スタンド(12:38)−主稜線出合(13:12)
−猿岩(13:33)−あずま屋(13:41)−破風山(13:44-14:33)−札立峠(14:43)
−水潜寺(15:06)−日野沢小学校跡(15:22-15:24)−MTB−駐車地(15:26)

【地形図】 長又 皆野 ルート地図 (マウスホイールで拡大・縮小可)

 日野沢小学校跡近くの駐車場はあいていたが、ここは町役場が占有するところであるので一般人の駐車はだめだという看板があった。
 ここには自転車をデポして、やや下った路上に軽トラをとめた。

門平
奈良尾

 温泉スタンドのあるところが登山口だったので、そこから登る。
 お茶の花があちこちに咲いていた。

 少し登って、風戸の集落。
 畑が荒れていて、痛ましい。

 最奥のお宅も戸締まりされていた。
 ここから登山道。

重木
藤原

 暗く荒れたスギ林をしばしで主稜線。
 ここからは基本的に雑木林ななので、感じはよい。

 猿岩に来たのは久しぶりだが、以前より崩壊しているように思えたのは気のせいか。

蓑山と皆野盆地・小柱田んぼ
大田田んぼ

 あずま屋は最後に来たときと同じく、きれいだった。

 山頂からの展望は、相変わらずよかった。
 ときどき手入れされているのだろう。

 大休止しながら、改めて周囲を観察。

 北側は、日野沢川左岸。
 城峯山の手前が門平で、その右は奈良尾。小松は見えない。
 ほぼ正面が重木で、その右奥が藤原になる。

 南と東側がこの日の目的だった、太田田んぼ。

 東に蓑山。東秩父の稜線と被るので、やや見づらい。
 新皆野橋の右に小柱田んぼ。
 三叉路の信号があるところだ。ここもかなり広く、耕地整理されている。

 長坂で渡るのが篠葉沢で、品沢を貫通してくる沢だが、堀切との村境は侵食が進んでいて、自然用水はとれないたろう。
 したがって、小柱田んぼはかつて、現在ゴルフ場になっている丘陵からの細流をためて使うしかなかっただろう。

アカタテハ
水潜寺

 堀切と太田との境の細い沢は奥が浅いが、まとまった雨が降れば、用水として使えたかもしれない。しかし、旱天ではどうにもならなそうだ。
 太田の中央を貫通する伊古田川が、太田田んぼを潤したメインの水源だろう。
 浸食は浅く、取水も困難でない。

 旧太田村を俯瞰すると、赤平川沿いに人家が立ち並ぶ。
 川は深く侵食されていて、河岸段丘はない。

 これを見ると、ここの河道は河岸段丘ができるより前、比較的早くに定まったものだろう。
 比高はほとんど存在しないが、赤平川べりは自然堤防で土砂が堆積し、地盤がしっかりしているのに対し、その背後、南側は傾斜のほとんどない後背湿地をなしている。
 この後背湿地が太田田んぼなのである。

 西に目を転じてみると、下吉田が見える。

 ここは赤平川と吉田川の合流点にあたる小盆地だが、いずれの川も流路は曲がりくねり、また浸食は浅い。
 これを見ると、河道が定まり侵食が進む以前に文明が訪れ、氾濫原の中に市街地ができてしまったことが想像される。

 さまざまなことが観察できて、学ぶこと多き山行きだった。

 帰りは札立峠から札所34番経由で、自転車をデポした小学校あとへ戻った。