地図読みとルートファインディング練習を目的として、若い人たちと低山に出かけた。

　大野原駅から電車に乗ったときにはまだ薄暗かったが、武州日野駅に着くころにはすっかり明るくなった。
　ありがたいことに移動性高気圧に覆われた日で、明け方の空気は凛として冷たかったものの、快晴無風で、気持ちよい日だまりハイクができそうな朝だった。

　前方に送電線と鉄塔が見える。
　最初のとりつきの目印はその鉄塔だ。
　背後に武甲山や小持山、左手には熊倉山や矢岳など、このパーティにとってよく知った山がそびえている。

　先頭を歩くサブリーダーが首尾よく「80号に至る」というプラ杭を発見。
　これで山にとりつくことに成功。

　とりつき周辺は荒れたスギ林だが、下層植生はお茶の木。
　数十年以前にこのあたりはお茶畑だったのだろう。

　少しの急登で80号鉄塔。
　ここまで来るとモミの木まじりの雑木林。
　81号からしばらくスギ林だが、82号の手前からは雑木の尾根で、陽あたりがよく暖かい。

　このコースのハイライトは、83号鉄塔に行く道をどの段階で見切って北への尾根をはずさずに行けるかである。
　83号鉄塔への尾根手前で、仕事道は左右(東西)に分岐する。
　地形図には、尾根の西側を巻いていく破線路が記載されている。

　標高約625メートルのピークに直登してコンパスで方向を見定めれば最も間違いがないが、どちらの巻き道に入るならば、現在地と進行方向を観察し、西あるいは東に行きすぎていないかを慎重に見きわめなければならない。
　ここで先頭に「現在地は分かっているか」と声を掛けたが、「大丈夫」という返事だった。

　しかし、ルートの尾根が東に向かっているだけでなく、道は一貫して下り案配だった。
　巻き道が終わり、再び尾根に出ると、北側にスギの木に覆われた小高いピークが望まれた。

　ルートミスがはっきりしたので、年上の3人に相談してもらう。
　迷ったときにとるべき方法の第一は、もとの地点に引き返すことなのだが、現在地がほぼわかっていたので、ピーク上まで登りコンパスで方向を確かめるように指示した。

　その後は尾根上を忠実に進んで無事に品�рﾌ山頂に着いた。
　ここで小休止。

　品�рﾉ展望はほとんどないのだが、文殊峠方向に少し進んだ工事現場からは、妙法ヶ岳・和名倉山・御岳山・四阿山・両神山・二子山・毘沙門山などがよく見える。
　小休止するならここがよかった。

　文殊峠の長若天体観測所のあずまやで大休止。
　小春日和でとても暖かく、平和なひとときだった。

マゴジャクシが出ていた

お船観音