暗い峠から展望の峰へ
-牛首峠から観音山-

【年月日】

2006年1月5日
【同行者】 単独
【タイム】

札所31番入口(11:55)−牛首峠(12:08)−観音山(12:50)
−馬上(13:55)−牛首峠(14:16)−札所31番入口(14:29)

【地形図】 長又 ルート地図

観音山下の馬頭尊
倉尾中学校のプレート

 しばらく動いていなかったので、近所の観音山へ。

 札所31番の駐車場からまずは牛首峠をめざす。
 岩殿沢源流は歩きやすい道だが、極端なV字谷で陽が全く射さない。
 長く降水をみていないため、流れはほとんど枯れていた。

 周囲のほとんどが植林だが、傾斜のきびしいところは雑木が残っている。
 とはいえ、急傾斜なところはほとんど礫岩の岩場だから、大木は全く生えていない。

 大岩を縫うように登っていくと、すぐに牛首峠。
 礫岩の岩にはさまれた、名前の通り、たいへん狭い峠。

 観音山へは小さく登下降していく。
 すぐに日尾城趾。
 いわゆる城郭というより、戦国時代に築かれた砦だ。

 周囲は礫岩の岩壁になっているので、攻略は困難だっただろうが、築城した上杉党から北条の手のものが奪い、武田勢と戦った歴史が残っている。

 このあたり、至るところに倉尾中学校生徒会の手による、手作りのプレートが下げてある。
 いずれもハイカーに山を大切にするよう呼びかけるものだ。
 こんないい子どもたちを育てている学校が廃止されたのは、残念なことだ。

 札所からの道を合わせ、一気に急登すると、観音山のピーク。
 城峰山、御荷鉾連山、父不見山、二子山、毘沙門山、両神山、御岳山、熊倉山、芋の木ドッケ〜武甲山までの峰々が一望できた。

 下りは札所を拝んで帰るつもりだったが、少々歩き足らないので、日尾城趾から根古屋集落へ下ってみた。
 根古屋とは砦の警戒所を示す地名で、秩父地方の各所にある。

観音山から武甲山・小持山
木にぶら下がったままの吊し柿

 ひどく急傾斜な支尾根とクボをからむように下っていくと、三の滝、二の滝、一の滝という道標の下がった地点。
 水流は全くないので、ここが滝になるのはかなりの降水のあとだけだろう。

 下りきったところには倉尾ふるさと館というハコモノができていたが、人影なし。
 ダム建設の見返りなんだろうが、ただ作っただけという感じ。

 車道をしばし馬上バス停まで歩いたが、冬休みだというのに、子どもの姿を全く見ない。
 それが何とも寒々しい。
 ずっしり実った柿も穫らないまま放置されていた。

 橋を渡って殿谷戸集落。
 殿様はここに住まっていたのだろうか。

 カタクリ群生地を見るところで、足元から山鳥が飛び立つ。
 このあたりはハンターも撃たないのだろう。

 集落から奥はやはり、礫岩の間を縫い登る。
 牛首峠へは、奥壁状の急斜面にうまくつけられた道を行く。

 牛首峠を越えて自動車のところに戻るまで、つごう2時間半の軽い山行きだった。