サテライト富士

−大室山から片蓋山−

【年月日】

2017年7月8日
【同行者】 単独
【タイム】

精進口登山道入口(8:58)−大室山(10:17)−三角点展望所(10:27-11:05)
−四差路(12:41)−片蓋山(12:59)−四差路(13:11)−長尾山入口(13:30)
−精進口登山道出合(13:56)−精進口登山道入口(14:43)

【地形図】 鳴沢 富士山 ルート地図

 県道と精進口登山道が交差するところにちょっとした駐車スペースがある。
 ここから山に入る。

 登山道といっても、道幅は自動車が通れそうなほど広い。
 このあたりの樹海はツガなどの森だが、溶岩の下生えにはアセビが密生している。

イヌブナ(大きな写真)
二次林(大きな写真)

 富士風穴をすぎると苔が密生した樹海らしい雰囲気となる。
 精進口登山道に至るという看板のある分岐は、左。
 前方が明るくなって、広葉樹の森になる。

 ブナ・ミズナラ・イヌブナなどが緩斜面に生えている。
 中でもひときわ大きなイヌブナの大株が目を引いた。

 破線路をさらに行き、意味ありげなマーキングのところから斜面にとりつく。
 かすかな踏みあとは見えるが、道はない。

ブナ(大きな写真)
二次林(大きな写真)

 傾斜が緩んだところで、作業道を渡る。
 ここから作業道は南へ続いていたが、これを北へ下るとどこに行くのかは、わからなかった。

 再び傾斜が出てきて、カラマツ混じりの自然林を急登する。
 ブナやカエデの大木が点在する。
 風情のよいところだが、この時期だけあって、きのこは少ない。
 それでも、ウスヒラタケ・ウラベニガサなどが出ているのを見た。

 山頂に近くなると、踏みあとが明瞭になる。
 ここでキヨスミウツボが出ているのを初めて見た。
 下草はフタリシズカがほとんどで、咲きそうなササバギンランらしきランがあったくらいだった。

 最高点は展望皆無なので、踏みあとに従って三角点まで行ってみた。
 三角点はヤブの中だったが、東にやや下ったところが好展望だったので、そこで大休止。
 晴れていれば富士山が見えているはずだが、この日は片蓋山や長尾山が見える程度だった。

ウラベニガサ(大きな写真)
大室山から片蓋山を望む(大きな写真)

 踏みあとはさらに続いていたが、来た道を破線路まで戻り、南に向かった。
 ずっと平坦な道だが、ツガの林床に苔が密生して、風情がよかった。

トラフシジミ(大きな写真)
クマイチゴ(大きな写真)

 大室山の南端に出ると草原で、陽射しが暑い。
 なんのための道かわからないが、作業道がそこここに走っていた。
 道ばたでアザミやヤマオダマキが咲き始めていた。

 作業道は車道になるが、地形図に記載されているとおりである。
 時間がまだあるので、ここは片蓋山に向かった。

コイチヨウラン(大きな写真)
ウスヒラタケ(大きな写真)

 ゲートのある四叉路から片蓋山に取りつく。
 ここも道はないが、小さな山なので、シラビソとカラマツの植林を急登で、すぐにピークに着く。
 カラマツ林でモリノカレバタケが盛んに出ていた。

キバナノヤマオダマキ(大きな写真)
ウラゴマダラシジミ(大きな写真)

 長尾山を回って帰ろうと思い、北に向かった。
 かなり暑い日だったので、林縁でキイチゴを見つけるとうれしかった。

モミジイチゴ(大きな写真)
クモキリソウ(大きな写真)

 長尾山入口はすぐにわかったが、山道でなく作業道になっていた。
 どんどん下っていくので、山道を外したことはわかったが、長尾山自体にあまり興味がなかったので、作業道をさらに行って廃道化しつつある破線路を通って、精進口登山道に出た。
 このあたりの原生林には、樹木を引き倒し、ブルドーザで均した作業道が縱に走っているのだが、なんのための道なのか今ひとつ、不明。
 道から樹林に入ってはいけないという表示なんかがあるわりに、原生林は大切にされていない。

ヒロハホウライタケ(大きな写真)
ヒノキオチバタケ類似きのこ(大きな写真)

 駐車スペースまで小一時間ほどの歩きだったが、標高1000メートルを越える原生林なのに、ずいぶん暑かった。