老木の森

−日川尾根−

【年月日】

2015年11月22日
【同行者】 単独
【タイム】

 上日川峠(8:59)−電波塔(9:36-10:24)−下日川峠(11:06)−源次郎岳分岐(11:45)
 −嵯峨塩鉱泉前(12:34)

【地形図】 大菩薩峠 ルート地図

 嵯峨塩鉱泉前で8時30分発の栄和交通のバスを待っていると、8時過ぎから臨時バスが何台も通っていく。
 終日曇り予想で、主稜線にガスがかかっていても、大菩薩峠とこのバスの人気はすごい。

 定時のバスに乗ると、もちろん空き座席はない。
 しかたがないので立っていこうとすると、運転手氏は不機嫌そうに、「もっと奥! 補助席使って」と呟いた。
 この路線の運転手はいつも不機嫌で、無愛想だ。

 ほとんどの乗客は途中乗車の単独者に迷惑そうにしていたが、真ん中へんにいた女性が、「ここへどうぞ」と補助席を使わせてくれた。

カラマツも落葉した(大きな写真)
むなしい道標(大きな写真)

 上日川峠は当然、大賑わいだった。
 マイカーのハイカーのほうが多いから、自動車をとめるスペースもほとんどない状態だった。

 とはいえ、日川尾根へ向かったのは、自分一人だけだった。

 ウラジロモミの林を抜けるとほぼずっと、カラマツ林が続く。
 カラマツはすでに落葉して、ミヤコザサの下生えの明るい道になっていた。

 いったん車道に出て送電線をくぐってから再び山道に入るのだが、このあたりはややわかりにくい。
 道標の字も消えて、寂れた感じだ。

転石帯(大きな写真)
苔むす石(大きな写真)

 この尾根の、沢の源頭部には苔むした転石帯がある。
 このような地形がどのようにしてできたのか、不思議なところだ。

 三角点のあるピークをいつの間にか過ぎて、電波塔のわきで大休止。
 監視カメラが作動しているぞという看板がたくさんぶら下がっていて、あまり愉快でない。

 ここからしばらく車道を行ってすぐに下日川峠だが、峠らしきものは何もなし。
 源次郎岳へという道標を見て過ぎたのだが、ここはルートミスで、そこを右に入らねばならなかった。

ブナ奇木(大きな写真)
ブナ巨木(大きな写真)

 平坦な道は、雑木林・カラマツ林・ウラジロモミの植林地が続く。
 源次郎岳分岐が近づくと登りになるが、このあたりはブナ林で、大木・巨木が林立する。

 ここはゆっくり、大木を鑑賞した。

まだ生きてるブナ老木(大きな写真)
枯れたミズナラ大木(大きな写真)

元気なクリ大木(大きな写真)
ブナ巨木(大きな写真)

 源次郎岳分岐から先は一度歩いたことがある道なのだが、あまり歩かれていないのか、踏みあとがずいぶん薄くなる。
 ブナが少なくなって、クリの大木が多くなる。

 ここのクリには、幹が裂けた老木が多い。
 材として使えないから伐り残されたのだろうか。

枯れそうなクリ大木(大きな写真)
ド迫力クリ(大きな写真)

 ゆるやかに下って行くと、牛奥峠。
 峠状の地形でないが、そばに山ノ神と彫られた石碑がある。

痛々しいクリ(大きな写真)
名残のコシオガマ(大きな写真)

 車道を渡ると、なんとなく見覚えのある道をゆるやかに下っていく。
 最後はちょうどバス停の前で、車道に出た。

 ずいぶん寒くなったのに、コシオガマが繊細で可憐な花を咲かせていた。