雪のない南大菩薩

【年月日】

2013年3月23〜24日
【同行者】 全部で15名
【タイム】

3/23 大和天目山温泉(10:10)−林道分岐(11:13-11:23)−湯ノ沢峠避難小屋(12:30)
3/24 湯ノ沢峠避難小屋(5:45)−大蔵高丸(6:34-6:45)−破魔射場丸(7:15)
   天下石手前(7:58-8:05)−大谷ヶ丸(9:03-9:12)−滝子山(10:45-11:10)
   −桧平(11:55-12:05)−水場(12:57-13:07)−初狩駅(14:25)

【地形図】 大菩薩峠、笹子、大月 ルート地図

 三月に入ってから好天が続き、気温の高い日が多くなっていた。
 そんなでも、天候は周期変化のパターンに入り、山行予定日は前線の接近により、曇りないし雨の予報になっていた。

一日目(大和天目山温泉〜湯ノ沢峠避難小屋)

雪のない湯ノ沢峠避難小屋
ブナ壮年木

 JRの電車が初狩駅に着いたときには、よく晴れていて、滝子山が立派に見えていた。
 甲州市営バスに乗ってから周囲を見ても、積雪は例年より少なく感じられた。
 歩き始めたときにも、気温はかなり高かったと思う。
 焼山沢はいくらか増水していたが、雪シロというほどでなく、融雪はもうずいぶん、落ち着いた感じだった。

 登山道に入ってしばらくいくと、凍結した積雪が出てきた。
 とはいえ、それも部分的で、注意して進めば特に問題ない程度だったので、軽アイゼンをつけることもなく、湯ノ沢峠避難小屋に着いた。
 小屋や駐車場にも雪がなく、三月にここに来たのは四度目だが、ここでこんな暖かな景色を見たのは初めてだった。

 駐車場には砂利が敷いてあり、よく乾いていたので、到着後しばらくの間に薪集めをした。
 ほかの登山者が来なければ小屋に泊まろうと思ったが、食事のあとしばらくすると二人連れの男性がやってきたので、予定通り幕営した。
 季節のわりにずいぶん暖かかったので、テント泊の方が気楽でよかったと思う。

 雪がないので、テント裏でささやかな焚き火をした。
 夕方には、樹林越しに日没も見えた。

二日目(湯ノ沢峠避難小屋〜初狩駅)

苔は鮮やか1
苔は鮮やか2

 夜は風もなく、雨も降らなかったので、ラッキーだった。
 朝、起きてみると、曇ってはいたが、雨になりそうには見えなかった。

 ヘッドランプをつけてほぼ予定通りに出発。
 峠の南の丘には積雪なし。
 足下が凍っているとすれば大蔵高丸の登りだと思っていた。
 案の定かなりクラストしていたが、堅く凍ったところを避けて歩けば特に問題なく、大蔵高丸に着いた。

 展望はほとんどなかったが、この山行の最高峰なので、ここでひといき入れた。

 大蔵高丸からハマイバにかけては、樹林と草原が交互にあらわれて、趣がある。
 いつか草花の咲く時期に歩いてみたいところだ。

落ち葉散り敷く
滝子山から大谷ヶ丸を望む(大きな写真)

 ハマイバからぐっと下ったあたりはズミ・ノイバラ・ヤシャブシなどの多い湿原状のところ。
 このあたりは、春以降、ヤブになるのだろうか。

 天下石で小休止したのちも、小ピークを次々に越える。
 大谷ヶ丸の登りはやや急登になる。
 大谷ヶ丸からの展望は、樹林が伸びて、以前ほどではなくなったようだ。

 時間があったので、滝子山への登りにかかる鎮西ヶ池でも小休止。
 祠のたもとにある池から水は流れ出ているが、あまりきれいではない。
 伊豆大島に流された鎮西八郎為朝が伊豆を脱出したのち、ここで暮らしたという話になっているが、ちょっと荒唐無稽といわざるを得ない。

檜平近くの大ミズナラ(大きな写真)
下降点付近のブナ(大きな写真)

 ここから滝子山へは、ぬかるんだ急登を少しである。
 尾根に立つと、北側はかなり晴れて、越えてきた山々がよく見えており、遠く金峰山や八ヶ岳まで見通すことができた。
 南側には雲が残っており、着いたときには全く見えなかったが、雲が晴れると瞬間的に、純白の富士山を望むこともできた。

 風もなく暖かな山頂で大休止ののち、下山にかかる。

水場近くの大ケヤキ(大きな写真)
水場近くの大モミ(大きな写真)

 この下山コースの見どころは、女坂のミズナラ林と下降点の大ブナ、水場近くの大ケヤキだろう。
 檜平からは、木々が伸びて何も見えなかったが、これら立派な樹木を鑑賞しながら行くので、さほど飽きない。

 水場近くにあった大モミも、なかなかの木だった。

 初狩駅に着いたのは12時20分。
 上り列車の待ち時間が3分と、えらくジャストインタイムだった。