春のヤブ山
− 石丸峠から長峰 −

【年月日】

2011年4月30日
【同行者】 単独
【タイム】

小屋平(8:28)−石丸峠(9:18)−長峰分岐(9:35)
白草ノ頭(11:22)−山ノ神(12:19)−三角点(12:39)
拓道橋(13:01)−新竹の向橋(13:58)

【地形図】 大菩薩峠 七保 ルート地図(石丸峠まではトラックデータ取れず)

新緑いまだのカラマツ林
やや霞んだ富士山

 甲斐大和駅から上日川峠への登山バスは、とても便利なので、いつも混んでいる。
 大菩薩山塊を歩くのに、まことにありがたい路線ではあるが、車内でテープ放送の案内もないし、運転手氏も黙ったままで、バス停があっても、乗客が降ろしてくれと言うまで、始発から終点までひたすら突っ走るというのは、いかがなものかと思う。

 ダム湖を過ぎたあたりから気が気じゃなくて、前方に小屋平のバス停が見えたところで、数名の乗客が「降ろしてください」と叫んだら、急ブレーキをかけて止まってくれた。

 かすかに見覚えのある石丸峠入口から、ごくゆっくりと登り始める。
 周囲はカラマツ林だが、芽吹きにはまだ早い。

 林道を渡ってさらにひと登りで、のぴやかなササの斜面となる。
 以前であれば、夏や初秋にはお花畑だったところだが、今はどうなっているやら。

伸びやかな石丸峠(大きな写真)
残雪

 富士山は、くっきりとまではいかないが、しっかり見えていた。

 Y字路の石丸峠から少し、小金沢方面に歩くと、牛ノ寝通りの分岐。
 このあたりには、多少の残雪があった。
 低山でこの時期に雪を踏むことができるのは、ありがたいといわねばならない。

 牛ノ寝通りに入るとしばし、黒木の森。
 広闊なササ原やお花畑とは対照的な、大菩薩連嶺のもう一つの顔だ。

 すぐに長峰の分岐。ここに道標があり、踏み跡は見えるが、かなり手ごわそうなスズタケのヤブだ。
 踏み跡に入る前に手袋をはめ、ササを掴んで急降下する。
 尾根を外さなければ大丈夫なので、ルートに気を使うところは少ないが、しばらくの間、息を抜けない下りが続いた。

がらんどうのミズナラ
同左

 傾斜が一段落したあたりで、地図にない分岐。
 葛野川源流に向かう踏み跡だが、そのうち消えてしまうのだろう。

 平坦でしっかりした踏み跡になるが、白草ノ頭までまだずいぶん、遠い。

満開のアセビ
ウダイカンバ

 カラマツの植林がずっと続き、ごくたまにミズナラやブナ、ツガなどの大木が残る。
 山梨県によくある、里山の様相だ。

 根元がガランドウになったミズナラが目を引いたが、この他にも、大きなミズナラをいくつか見ることができた。
 尾根筋では、アセビは満開だったが、ミツバツツジはまだ、蕾だった。

ブナ新緑
ミツバツツジ1

 センダイムシクイ、ヒガラ、ウグイス、エゾムシクイ、ヤブサメなどの声を聞くが、視認できるのはヒガラ・シジュウカラ・コガラくらいだった。
 白草ノ頭に登っても展望はあまりなく、大樺ノ頭が見えるくらいだった。

 ここまで来て、この尾根の約半分を過ぎたことになる。
 金付ノ頭はいつの間にか過ぎてしまい、道なりに行くと、北に向かって下って行きそうなので、途中から間伐した木が散乱したところに入って、山ノ神をめざす。
 尾根の上をしばらく進むと、山ノ神に着いた。

ヒガラ1(大きな写真)
ヒガラ2

 ここからは、踏み跡がほとんど消滅するが、山ノ神のすぐ先で南への尾根に引きこまれそうになった以外は、ずっと尾根上を行く。
 939.6メートル三角点の前後も、踏み跡はなし。

 急降下だが、尾根を外さずに行けば、目印ひもも下がっているので、問題なし。
 ほぼ目算通りに、拓道橋に降り着くことができた。

ミツバツツジ2(大きな写真)
ハルリンドウ

 ここから竹ノ向バス停への道が不詳で、しばらく国道を行ったが、国道が集落の中を通る気配がないので、旧道に降りて、さらにしばらく歩いたが、バス停が見当たらなかった。
 しばらく行きつ戻りつしていたら、橋の向こうに、新竹の向橋のバス停が見えた。

葛野川新緑
山笑う新緑(大きな写真)

 深城ダム湖は、「シオジの森ふかしろ湖」というらしい。
 なんということもない、コンクリートの塊なのだ。

 山肌の新緑がみごとなだけに、目の前のつまらないダムがみすぼらしかった。