展望の尾根歩き
− 大沢山から笹子峠 −

【年月日】

2009年2月17日
【同行者】 単独
【タイム】

笹子駅(8:00)−奥野稲荷(8:24)−大沢山(10:11)
−ボッコの頭(10:49)−摺針峠(11:18)−大洞山(11:33)
−榧ノ木平の頭(11:45)−中尾根の頭(12:15)−笹子峠(12:30)
−矢立の杉(12:)−笹子駅(14:10)

【地形図】 河口湖東部、笹子 ルート地図

笠懸地蔵
コガラ

 ちょっとミスをしたため、笹子駅頭着が予定より30分ほど遅くなった。
 快晴だが、ひどく冷たい風が吹いていて、とても寒い。

 動いていても寒いので、上着を着たまま国道を歩いていると、道ばたに、笠懸地蔵なる石仏があるのが目についた。
 安政2年の創建というが、地蔵というにはあまりにも異形である。
 由来などは伝わっていないらしい。

大沢山からの富士山(大きな写真)
大沢山からの白峰三山

 奥野稲荷境内の裏手から尾根にとりつく。
 両側、もしくは片側が植林地だが、尾根上だけは雑木を残してある。

 登り始めると体が暖まるが、風はやはり冷たいし、手がかじかむ。
 コガラが数羽、遊んでいたが、鳥の姿も少なかった。
 樹林越しに、笹子雁が腹摺山が格好よい。

 ずいぶん登って、大沢山近くまで来ると、ヒノキの新しい植林地。
 本社ヶ丸が近いのだが、逆光だ。
 ここを過ぎると、ブナまじりの雑木林を登るようになる。

 女坂峠への分岐を分けると、すぐに大沢山。

ボッコの頭
大菩薩峠遠望

 南側が伐開されているので、青空を背景にした富士山の展望がすばらしい。
 南アルプスは樹林越しだが、 ボッコの頭側に少し下ると、駒ヶ岳、白峰三山、塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳(一部)などが見える露岩があった。
 ここまでの登りの中で八ヶ岳や金峰山が樹林越しに見えていたが、無傷で視認できるところはなかったと思う。

 路傍のイワウチワは寒さに焼けた赤茶色の葉をちぢこませ、つぼみすらつけていない。
 ボッコの頭は三角点ピークだが、展望は樹林越し。
 ブナやミズナラの自然林が気持ちよいところだ。

 摺針峠方向に少し下った尾根の上からは、奥秩父が見える。
 ここから見えるのは、雁坂嶺から甲武信岳だが、その左に冠雪した高い山があるのは、金峰あたりだろう。

 大菩薩連嶺も無傷で見えていた。  ヤブっぽい尾根を登降していくと、摺針峠。
 ここからはしばらくは、先日通った道だ。

 ひと登りで大洞山だが、ここの美しいミズナラ林は、写真に撮らずにいられない。

 榧ノ木平の頭からは、笹子峠へのやせ尾根に入る。
 午後になり、ようやく霜柱がとけ始めたので、斜面が滑りやすくなってきた。

 中尾根の頭から先、小ピーク二つ越えると、急激な下りとなり、笹子峠に降り立つ。
 このすぐ下が、古い笹子隧道の入口だった。

笹子隧道
矢立の杉(大きな写真)

 地形図に旧峠道の記載はないのだが、矢立の杉に至るしっかりした道が、部分的に残っている。
 谷を下っていくと、巨大な矢立の杉。

 スギの周囲はロープで柵をしてあり、説明板だけでなく、仏像などもおいてある。
 根元だけでなく、説明によると、樹の内部はてっぺんまで完全にガラン胴になっており、こんな状態でどうして生きていられるのか、理解に苦しむほどの傷みようだが、見上げた姿は、堂々たるものだった。

 スギの先に明治天皇野立所跡なる広場に、でっかい石碑が建てられているが興味なし。
 そのすぐわきに立つ、割れて苔むした石仏の方が、はるかに趣がある。

ホオジロ(大きな写真)
ジョウビタキ(大きな写真)

 下部に行くほど、旧峠道は荒れているらしく、途中で通行止めになったので、車道を歩いて新田集落まで下った。
 人家の近くまで来ると、ホオジロやジョウビタキ、ヒヨドリなどがたくさんいたので、鳥の写真を撮りながら駅に戻った。