夏の大菩薩峠

【年月日】

1991年8月15日
【同行者】 三人
【タイム】

上日川峠(9:48)−石丸峠(11:40-12:05)−大菩薩峠(12:30)−
サイノ河原(12:40-1:25)−大菩薩嶺(2:08)−上日川峠(3:30)

【地形図】 大菩薩峠

 上日川峠に着いたのは、9時過ぎだった。
 長兵衛山荘の前の広場はすでに車と人でにぎわっていた。

 今日は石丸峠から大菩薩をめざした。山荘前の広場から右手に下る道を行く。すっきりとした木立の中は気持ちがよい。道端の草花、キノコのことなどに話はずむ。小鳥のさえずりもにぎやかだ。

 30分ほど歩くと、かなり水量の多い沢に出た。その先にも沢状の地形がありそうなので、水を汲まず、さらに行った。
 道ばたにサルナシ。口に含んでみると若くてまだすっぱい。同行者のネコへのみやげに、マタタビの枝を少々摘んでいく。

 車道に出たが、水場はなし。しかたなく、私が水の確保にさっきの沢までもどった。
 ここからはかなりきつい登りになり、会話がとぎれる。

 ダケカンバが現われると尾根の上に出た。
 石丸峠への巻き道は笹が茂っていたが、よく刈り取られていた。ソバナやシラヤマギク、ツリガネニンジン、クガイソウ、キオン、ウツボグサ、ヨツバヒヨドリ、ベンケイソウ、シモツケソウ、オヤマボクチ、ヤナギラン、シュロソウ、ウリンカなどが笹の上に背をのばして咲いている。その間をアサギマダラがゆったりと飛んでいた。

 熊沢山のやや勾配のある巻き道を抜け出ると、そこからは山腹のお花畑。
 一瞬霧が巻いたがすぐに晴れて、きれいな青空が広がった。
 トモエシオガマ、ミヤマシシウド、ヤマハハコ、ハナイカリ、ヤマオダマキ、ミネウスユキソウ、ノコギリソウ、アキノキリンソウ、ノコンギク、マツムシソウなどに心が和む。

 ここで小休止。熊沢山へは急登だが、あっという間に頂上。
 左手にカーブして針葉樹林のなかに入る。その中で、コメツツジが花をつけていた。

 大菩薩峠の介山荘の前は、すごい混雑だった。
 サイノ河原まで行って大休止。マツムシソウ、ウメバチソウなどの花々が咲いている。あいかわらず人が多く、犬をつれた人が何人も通る。その中の犬が、うどんのにおいにつられてか、寄ってきた。

 「犬にやるうどんはないよ」と言ってやったら、飼い主があわてて連れていった。
 この日は、ずいぶんたくさんの蝶を見たが、大きな捕蝶網を持ったおとなも多かった。

 面と向かって蝶を捕るなというのもなんなので、蝶に向かって「つかまるなよ〜」とどなってあげた。

 大菩薩嶺まで行き、今日はカラマツ尾根を下る。カラマツ尾根にも花が咲き乱れていて楽しかった。途中、サイノ河原で見た二匹の太った犬を追い越した。犬は完全にバテて、すわりこんでいた。

 帰り、裂石の民宿で温泉に入って汗を流した。