夕陽に燃える男体山を見る
−長福山−

 【年月日】 2003年12月7日
 【同行者】 Uさん
 【タイム】 長福寺(13:50)−スーパー林道(15:10)−観音堂入口(15:25)
       −長福山(15:47)−滝倉集落(16:46)
 【地形図】 大中宿

夕日に燃える男体山

 今回の小旅行の主目的は、米・大豆その他食糧の調達だった。

 大子町の余暇活用センターやみぞの予約ができたので、奥久慈男体山周辺を歩くことにした。

 長福寺近辺のようすが、地形図とずいぶんちがっていたので、養護学校・中学校の裏まで行くのに、ひどく時間をくってしまった。
 ここは正しくは、長福寺を西側から回り込んでいくか、宮平集落の中の狭い車道を登っていくのが正解だった。

 中学校のグランド東側から谷地沿いにつけられている山道に入った時にはもう、2時半を回っていたから、日の短い季節だけに、けっこう忙しい山歩きになってしまった。

 アカマツの多い尾根道は感じがよいが、思ったより長い。
 目に入るのは、赤紫のツルリンドウの実。

 しだいに傾斜が増してくると、地形図にのっていないスーパー林道で、自動車が行き交っている。
 ここで少し思案したが、この道を渡ってさらに山道を登る。ここはこれが正解。

 ひと登りで、古い林道あとに出る。
 これが長福集落に行く道だと思ったので、ここは南(右)へ。
 久慈川に沿う市街地と、その向こうにうねうねと続く低山の山並みがよく見える。

 人家が見えると、左手に、長福観音堂への古い石段が見つかる。
 幅が狭くて登りにくいが、手積みで作ったらしく見える石段なので、ありがたく感謝して登らせてもらった。

 短いのも含めて5つある石段を登りきったところが、長福観世音堂。
 古いが落ち着いたたたずまいのお堂で、中にはたくさんの観音様が安置されていた。

 山頂へは、お堂の右手の竹やぶの中につけられた道を急登する。
 上部はスギの植林の中を登るが、道はやや不鮮明。
 尾根にあがってすぐ右にあるピークが山頂らしく、石の祠が置かれていた。
 展望はなし。

 左の方の細長いピークの方が高いような気がしたので、踏みあとをたどってみたが、山頂らしいものは見あたらなかった。

 日暮れが迫ってきたので、その足で観世音堂まで戻り、お堂の階段に腰かけて小休止。
 長福の集落まで下ると、男体山の岩壁が暮れる寸前の夕陽を浴びて、真っ赤に燃えていた。
 このシーンは絶景。

 この山中で暮らすのはたいへんだと思うが、犬の吠える声や子どもの騒ぐ声が聞こえると、心が和む。
 斜面の畑で農作業をしていた人に道を聞いて、自動車をデポしておいた滝倉集落まで下った。

 自動車に戻ったとき、すっかり暮れた空には、月が煌々と輝いていた。