ヒサカキの森
−鞍掛山から神峰山・高鈴山−

 【年月日】  2001年4月6日
 【パーティ】 単独
 【タイム】 日立中央インター下(10:45)−鞍掛山(11:10)−蛇塚(12:15)
       −小木津山分岐(12:30)−羽黒山(12:45)−神峰山(13:40)−
       本山分岐(14:10)−高鈴山(15:05)−五叉路(15:20)−本山トンネル(16:10)
 【地形図】 日立、町屋

概念図

 日立中央インター近くで自転車をおり、神峰公園への車道を歩き出す。
 ここは意外に、自動車の通りが激しかった。

 駐車場の先に、神峰ハイキングコースの入口。
 アカマツと照葉樹の二次林なので、ちょっと荒れた感じ。
 どういうわけか、登山コースにコンクリート製の電柱が、ずっと建っていた。

 登山道を少しはずれたところに、アンテナ類が林立する三角点。
 ここが鞍掛山か。
 何の風情もないところだが、白花のアセビが咲き、足元ではツリガネニンジンが芽吹いていた。

 車道をわたって、階段状の道を登っていくと、右側(北側)に、金網のフェンス。
 その向こうは、廃棄物処理場のようなところだ。
 このあたり、自動車の通行音が、耳障りだった。

 車の音が遠のいていくと、ごく普通の里山の風情。
 今年の草花の開花は、例年よりやや遅れている感じだ。
 足元に咲いていたのは、タチツボスミレとミミガタテンナンショウ。
 そして、モミジイチゴがちらほらというところだった。

 太平洋側の低山だけあって、二次林も、ヒサカキ、アセビ、アオキ、ヤツデなど。
 なかでも、ヒサカキがたいへん多かった。

 大木としては、ヤシャブシ。
 枝ぶりもりっぱな木が、登山道のわきに並んでいた。

 小沢をわたると、湿地帯で、ガマガエルが大騒ぎ。
 声はともかく、水の中で、大量の卵がのたくっている光景は、あまり気持ちよくない。

 蛇塚を過ぎると、スズタケの下生えに、リョウブの林。
 幹が明るい色なので、華やかな感じがする。

 小木津山への分岐を過ぎると、広い伐採地。
 これは、植林のためではなく、送電線保安のための伐採のようだ。
 切り刻まれたヤマザクラやコナラなどの幹が転がっていて、もったいなくてしかたがない。

 つい最近伐ったものらしく、切り口から水を吹きだしている切り株もあった。
 それを見ると、木の怨念を感じてしまって、背筋が寒い。
 あれらの切り株は、はたして萌芽するのだろうか。

 羽黒山から下って、沢平への分岐にかかる少し手前に、山神の石碑。
神峰山の山神
 日立あたりは、水田地帯とも見えないが、このあたりの里人と山とは、どのような関係にあったものなのだろうか。

 神峰山頂には、神峰神社と気象観測所と、大煙突記念のレリーフ。
 このように人工物が多くては、くつろげない。

 ぐんぐん下ると、北側が開けた雑木林。
 シジュウカラのさえずりや、キツツキのドラミングが聞こえて、ほっとする。
 本山への下り口を見てちょっと迷ったが、陽もまだ高いので、直進して高鈴山に向かった。

 廃道化した道路を越えると、未舗装の林道だが、すぐに山道になる。

 神峰までは、ヒサカキがすこぶる多かったが、ここからはアオキやコナラの方が多くなった。
 御岩神社へという分岐がいくつかあるなか、緩やかに登降を続けていく。
 いくつかある小さな突起には、東側に巻き道がついていて、こちらはアセビのトンネルだった。

 山頂直下で舗装路に出、林立する巨大アンテナと工事関係の自動車数台の待つ頂上までは、すぐだった。
 茨城県が立てた看板には、高鈴山風景林を大事にしようという意味のことが書いてあったが、目の前の風景と引き比べると、ちょっと首をかしげざるを得なかった。

 半日コースにしては長い距離を歩いたので、山頂でひといき入れ、舗装路を下山にかかった。
 この道は、たぶん工事関係の車しか通らないので、のんびり歩けて、気分がよい。
 ことにこの時期は、白アセビが満開で、たいへんみごとだった。

 しばらく下ると、五叉路。
 ここは、チェーンで閉ざされた本山自然の村への廃林道へ。
 この道は、やがて山道に。

 アブラチャンやキフジの地味な花が咲く道を下っていくと、キャンプ場。
 道ばたのノビルやツクシが、なつかしい。
 キャンプ場の橋から、小尾根を越えて、赤沢山荘の横に出ると、自動車をデポしておいた本山トンネルまでは、すぐだった。