二王子岳にはずいぶん前から行ってみたかったのだが、機会がなかった。
計画したことは何度かあったのだが、準備をしてもどうしても朝起きられないなどで何度もチャンスを逃した。
御神楽岳や五頭山に行った時に、登山口まで6時間くらいかかっているので、今回は土曜日にあまり無理して働かずに体力を温存し、軽く眠って3時前に出かけた。
できれば8時くらいに二王子神社に着きたかったが、途中でやはり眠くなってしまい、登山口についたのは結局、10時前だった。
登山者駐車場にはずいぶんたくさんの自動車がとまっていた。
どうにかスペースを見つけて、自動車をとめ、二王子神社に向かう。
こちらの駐車スペースは参拝者用だが、とまっていたのはほとんど登山者の自動車だった。
最初は、沢に沿ったスギ林の中を行く。
環境的には涼しいはずだが、ひどく蒸し暑い。
風がほとんどなく、汗が吹き出す。
何年か前に行った、御神楽岳の時に似ていた。
登山道は刈払いされたばかりで、歩きやすい。
尾根にとりついたあとも小沢を絡みながら登る。
木の階段が続くのだが、土のうが積んであるので、さほど歩きにくくはない。
スギ林が切れると若いブナ林になるが、なかなかの急登である。
木の階段に雑木が使われているので、ヒラタケなんかが出ていた。
けっこう疲れたが、少し緩やかになって三合目の一王子石宮。
水場もよく出ており、立派な避難小屋が建っていた。
この周囲には杉の巨木が何本か生えていたが、中には芦生で見たほどの巨大なスギもあった。
歩き始めからさほど時間がたっていなかったので、先へ進む。
傾斜はやや緩み、多少の下りもまじえるので、楽になるのだが、暑さのために足が上がらない。
きついところをひと登りで、ようやく五合目独標に着いた。
ここで小休止。
こんなにハードなのに、まだ五合目かと思うが、どうしようもない。
ここで休んでいた数人のハイカーには犬連れの人が二組いて、二匹の犬と休む状態になったが、犬はしゃべれないので、暑さのあまり体調不良になったら困るだろうと想像された。
その後も緩急の登りが続く。
初夏には花も多いところだろうが、さすがにこの時期になるとヤマアジサイやトリアシショウマくらいしかなく、きのこも少なかった。
もっとも、きのこ写真を撮る余裕もほとんどなかった。
油こぼしからの急登を過ぎると、広くはないが、草原状のところが出てきて、ニッコウキスゲやイワイチョウが咲いていた。
風も多少出てきて、救われる。
三王子石宮の手前の水場はよく出ていた。
日程に余裕があれば、ここの水を使って、山頂の避難小屋で泊まればいい山行きになっただろう。
灌木の中の道を行けば奥の院跡で、山頂小屋が見えている。
小広いピークは小屋のすぐ裏手だった。
飯豊連峰はガスに覆われていたが、近くの低山はよく見えていた。
二十万図でも持ってくれば、このあたりの山を覚えることができたのだが、五頭山がどれだかさえもわからなかった。
ともかくここで大休止。
しばらく休んでようやく、人心地つくことができた。
帰りは来た道を戻る。
休んだおかげで快調に下ることができたが、沢に降り着く少し手前でひどく転倒した。
何でもなさそうなところで集中力を切らせて、痛い目にあってしまったのは、残念だった。
駐車場に戻ると、たくさんとめてあった自動車は、ほとんどいなくなっていた。
帰路のドライブではほとんど休まなかったが、それでも帰宅まで5時間以上かかった。
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