残雪の多い浅草岳
−ネズモチ平から桜ゾネ周回−

【年月日】

2012年6月30日
【同行者】 Uさん
【タイム】

駐車した場所(9:43)−ネズモチ平登山口(11:12)−前岳直下(14:00-14:25)
−浅草岳(14:53-15:02)−カヘヨボッチ(15:35)−桜ゾネ登山口(16:26)
−ネズモチ平登山口(16:56)−駐車した場所(17:57)

【地形図】 守門岳 ルート地図

ネズ平への道
久々にブナ林(大きな写真)

 昨年、鬼ヶ面山まで行ったのだが、浅草岳に届かなかったので、今回は、浅草岳北面からラクなコースを周回しようと考えた。
 昨年同様、かなり出遅れて入広瀬村奥まで行ってみると、赤い橋の先で車道が通れなくなっていた。
 これは、中越地震のためではなく、2011年夏の豪雨によるものらしいが、アスファルトが波打ち、斜面が大崩壊するなど、かなりひどい状態だった。

 やむなく、左沢出合あたりに自動車をとめて、登山口まで歩いたが、車道歩きは思ったより長く、ネズモチ平の登山口に着くまで1時間半もかかってしまった。

中腹から望む守門岳
マイヅルソウ(大きな写真)

 記録を見ると、ネズモチ平からの登山道を登るのは、22年ぶりだ。
 そのときには、残雪のなか、はっきりしないルートを拾いながら、斜面をつめあげていったのだった。

 今回は、登山口周辺から下部にもちろん雪はなく、最初は平坦な道を淡々と行く。
 ブナもあるにはあるが、大木はなく、中途半端に植えられたスギがねじくれていて、あまりいい感じの森ではない。
 ユキツバキがいくらか、咲き残っていた。

 足元に咲く花も少なく、ユキザサ・ズダヤクシュ・ホウチャクソウ・ツクバネソウ・トリガタハンショウヅル・シオデ・ギンリョウソウなど、ほとんど目に入らないような花ばかりだった。
 本格的に登りにかかる前に同行者がバテたので、スピードが落ちる。
 やむなく、数メートルおきに休憩を入れなから、ゆっくり行った。

 サンカヨウやツバメオモトは既に実になっており、シライトソウは花茎を立ててはいたものの、咲いているのは一つもなかった。
 天気はまずまずで、小尾根の上から対面する守門岳が、みごとだった。

ギンリョウソウ
アカモノ(大きな写真)

 傾斜が急になるとむしろ、風通しがよくなって、涼しくなる。
 かなり近くなったカヘヨボッチ手前の岩峰に残った雪がとけて、滝のように流れていた。
 足元では、アカモノ・タニギキョウ・マイヅルソウ・ゴゼンタチバナなど、多少なりとも目を引く花が咲きはじめていた。
 ヒメサユリもあるのだが、ややみすぼらしいのばかりで、見応えのある花はここにはなかった。

タニギキョウ(大きな写真)
ゴゼンタチバナ(大きな写真)

 ネマガリタケのヤブを抜けると前岳直下で、ミツバオウレンの咲く三叉路である。
 とにもかくにも、雪田の残るここで大休止とした。

ヒメサユリ(大きな写真)
イワカガミ(大きな写真)

 ここまで来れば、涼しい上、登りはほとんどなくなる。
 夏道は雪に隠れていて危険なので、雪田を斜上して平坦なところにあがる。
 雪解けあとで咲き残ったシラネアオイにも、会うことができた。

ミツバオウレン(大きな写真)
シラネアオイ(大きな写真)

 ここからは、イワカガミ・ゴゼンタチバナ・ミツバオウレン・ツマトリソウ・イワイチョウ・ワタスゲ・ウラジロヨウラクなどを眺めながらの稜線漫歩となる。
 山頂手前のヒメサユリはまだ蕾だったが、三角点より東では賑やかに咲くヒメサユリを見ることができた。

山頂手前の雪田(大きな写真)
ツマトリソウ(大きな写真)

 ずいぶん雲が出てきてはいたが、降り出しそうな気配はなく、鬼ヶ面山・田子倉ダム周辺・駒ヶ岳など近くの山々から飯豊連峰に至るまで、360度の展望を得ることができた。

ウラジロヨウラク(大きな写真)
山頂下の木道

 ゆっくりしていたいが、時刻はすでに15時を回っていた。
 本来なら下山し終えていなければならない時刻であり、ここから何ごともなく下っても、下山は18時前後になると思われたので、同行者をせかして下ることにする。
 下山ルートは、来た道でなく、傾斜のゆるい桜ゾネを選んだ。

オオバキスミレ(大きな写真)
尾根はブナ林

 前岳からカヘヨボッチまでは、ほぼ平坦な道を行く。
 このあたりの雪田あとにも、イワカガミやミツバオウレンが多い。
 カヘヨボッチへの登りにかかると、オオバキスミレとともに、盛んに咲いたヒメサユリが多くなる。

 カヘヨボッチを過ぎると、ルートは、潅木帯からブナ林に沈んでいく。
 ところどころで、北側の展望が開けるが、新しくできた登山者用駐車場は、はるかに遠い。

 ブナの大木も見られるのだが、尾根筋以外は伐られているせいか、枯れているのが多い。
 桜ゾネの登山口まで、いいペースで下って行くことができた。

サンカヨウ(大きな写真)
ズダヤクシュ(大きな写真)

 桜ゾネ口からネズモチ口までの林道は、かつての面影がないほど荒れ果てていた。
 ところによっては、雪が消えたばかりらしく、出たばかりのウドなどもみえたが、手を出さなかった。

 ここではサンカヨウもまだ、咲いていた。
 駐車した場所についたのは陽も落ちた18時だった。